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列車で周る英国の旅 Day4 ①

2010-01-08 | travelog


【世界遺産が学び舎、映画のロケ地にもなった大聖堂のある小さな街に立ち寄る】 30/11/09 : ヨーク~ダラム

4日目からはロンドンを離れてグレイト・ブリテン島をサクッと一周する旅の始まり。
まず最初に向かうのは、UKに来たら絶対に外せない街。それは、今のところ私が世界中でいちばん好きな街York(ヨーク)。これまでに2度訪れているが、まだまだ全然極めていない。
ロンドンのKing's Cross(キングス・クロス)駅から列車の旅のスタート。ヨークに行く列車は何本も出ているが、絶対乗りたかったのがこれ。
           グランド・セントラル!
 
グランド・セントラル・レイルウェイは、ロンドンのKing's Crossとイングランド北部のSunderland(サンダーランド)を結ぶ一日に4本だけの運行(日曜日は3本)で、今でも昔の英国列車のスタイルを受け継いでいる列車。ドアは、外からしか開ける事ができない手動ドア。中から開ける時は、ドアの窓を引き下げて開けて、腕を伸ばして外側から開けなければならない。英国の列車は、昔は全部このタイプだったのだ。それは、いわゆる上流階級の紳士淑女のために係りの人が外からドアを開けていたという習慣と、女性にはドアは開けさせないという紳士的精神からなるもので、英国ならではだと感じる。 
10年前頃はまだローカル線にはこの旧式ドアの列車が結構走っていたが、今では殆んどなくなり、中でもグランド・セントラルは特急列車なので珍しい。
 列車は既に入線していたのでわかっていたけど、ここに表示されるまでプラット・フォームは一応未定。

車内はこんな感じ   NYCグランド・セントラル駅のマリリン・モンローが!
       テーブルでチェッカーゲームやモノポリができるようになっているのが面白い。

ヨークまではノン・ストップ。途中ビュッフェに紅茶を買いに行ったら、チケットを見せてと言われ、見せたあとお勘定しようと思ったら、なんとフリーとのこと。ヴァージン・トレインがファースト・クラスの乗客にそういうサービスをしているのは知っていたが、私はセカンド・クラス。このサービスで、益々グランド・セントラルが好きになった。それにイタリアの列車と違って、荷物を置いたまま席を立っても少しの間ならさほど心配ない。

ロンドンからヨークまでは約2時間、そしてヨークから更に45分ほど北上したところにDurham(ダラム)という街があり、まずはダラムに向かうという計画。
ヨークでの乗換時間が30分弱あったので、荷物を預けて駅構内と駅前をぶらぶらした。ヨークには世界最大規模の国立鉄道博物館(NRM : National Railroad Museum)があり、17世紀頃からヨークは主要鉄道センターになっているので、鉄道関係の記念プレートなどがたくさんあった。
 こんなのとか・・・   こんなの
これは昔の信号機   (念の為に・・・、私は決して鉄子ではない。でも何故か、海外限定で鉄子もどきになってしまう・・・笑)
駅の外に出てみると、街の奥にヨークのシンボル、ヨーク・ミンスターが見えて、“あぁ~、ヨークだぁ~!” と嬉しくなった。

乗換の時間になり、Cross Country(クロス・カントリー)の列車に乗り込む。ダラムに向かっている途中、虹が見えたり雲行きが怪しくなったりして、本当に英国のお天気ってやつは、コロコロ変わる。
ダラムは小さな街だが、世界遺産に登録されている大聖堂と城がある。駅が近付いてくると、車窓からその大聖堂と城が見えてきた。
 しかし、天気がどんどん悪くなってきている。それでもダラムの駅を出た頃は、まだコートのフードだけでも平気なくらいだったのに、街の中心まで歩いている内に、だんだん雨風が強くなってきた。それでも天気雨なので、空は青空。太陽の光が濡れた地面に反射して、眩しいくらいだった。
駅から街の中心までは歩いて約15分くらい。階段を下りて大通りを渡ったところにある途中の橋からは、ダラム城とダラム大聖堂が見えた。 
 この階段を降り   橋を渡って  
セント・ニコラス教会の横を通り   上ってきた坂道を振り返る。
ダラム城とダラム大聖堂は高台にあり、坂を上りきるとバーンと目の前に大聖堂が・・・と想像していたが、城と大聖堂を挟むパレス・グリーンと呼ばれる広場にはクリスマス・イベント用のテントが張られていたので、全景写真は撮れず、これが限界。
             広場にはこんな古風で可愛いポストが!
大聖堂の入口に続く道の両側は、墓地になっていた。北の扉から大聖堂内へ。その扉にはサンクチュアリー・ノッカー(Sancutary Knocker)があり、これは中世の時代に罪を犯した者は、誰でもこの教会の扉を叩けば庇護を受けられたというもので、罪人たちは追っ手を逃れ、救いを求めて扉をノックしたらしい。但し、これはレプリカ。
  

大聖堂内は撮影禁止なので写真で伝えられないが、X型のアーチを描く天井がとっても美しかった。主祭壇の奥には、イングラド北部で最も偉大な聖人とされている聖カスバートの遺体が安置されている聖堂があったのだが、そこに足を踏み入れると、何かスーッと体が浮遊するような感覚があった。あれは何だったんだろう・・・。
修道院が併設されていて、修道士の扉と呼ばれる重い扉の向こうにクロイスター(回廊)に囲まれた中庭があった(タイトル写真)。
ここは写真撮影OKだったと思ったが、念の為丁度扉を開けて入ってきた係りのおじさんに確認した。“もちろんもちろん、好きなだけ撮って行ってね。あなたの写真撮ってあげるよ” と言ってくれた。しかし、最初デジカメを逆にして撮ってしまったお茶目なおじさん。“こっちを向けるのよ” と教えると、自分で自分の頭を小突いていたのもお茶目だったなー。
これがその証拠写真  白いヒゲがサンタさんみたい。そして、ここのクロイスターは世界中の人が見ているところ。


どこかで見たことはないだろうか・・・? 
実はこの場所、『ハリー・ポッター』 シリーズでホグワーツ魔法魔術学校の回廊(廊下)としてロケが行なわれた場所。
今にもハリーたちが向こうから歩いてきそうな錯覚がするほど、暗さといい雰囲気といい、正に映画のシーンそのものだった。クロイスターを一周して大聖堂の裏に出てみると、外はすっかり雨も上がっていた。
 それまでの雨が嘘のような晴れっぷり
 大聖堂裏の建物に付いていた紋章   ここにも紋章
歩兵隊のメモリアル・ガーデンの植え込みに差してあった小さな十字架 

大聖堂を出たあとは、広場を挟んで向かい側にあるダラム城へ行ってみた。
大聖堂前から見えるダラム城   途中の抜け道 
敷地内にはバス停が!   図書館の前を通って 
       ダラム城の正門が見えてきた  学生達がたくさん行き来する
 
ん?学生? 実は、現在城はダラム大学の施設として使われていて、見学は事前申込のガイド・ツアーのみ。
私は時間もあんまりないことだし、この日に行くか翌日にするがハッキリ決めていなかったのでツアーには申し込まず、外観だけの鑑賞。
先日のバトル・アビーの高校もそうだが、英国では城や大聖堂などの伝統的建造物が学問の施設として使われているところが多い。
ここでは結婚式なんかも行なわれるらしい  雰囲気は最高!

城と大聖堂の周辺を散歩したあと、そろそろヨークに戻ろうと駅に向かって歩いていると、また雨が降ってきた。でも、散策の間は晴れていてくれたので良かった。


★「Day4 ②」 につづく。