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列車で周る英国の旅 Day5

2010-01-15 | travelog


【様々な歴史を刻んできた街をゆっくりと散策、そしてスコットランドへ】 01/12/09 : ヨーク~エディンバラ

起きたら、部屋から見えた朝焼けが綺麗だった。  もう7:45なのに、この暗さ。
1階のダイニング・ルームにて朝食、私のほかにも何組か宿泊客がいるようだ。 
 ここのフル・イングリッシュ・ブレックファーストは、ベーコン、卵(フライド・スクランブル・ポーチドが選べる)、ソーセージ、バターと塩で炒めたマッシュルーム、揚げパンで、私はトマトが嫌いなので抜いてもらった。英国の食パンはこのように薄くて、丁度日本のサンドウィッチ用と同じくらい。シリアルもあったが、普段朝食をとらない私にはこれだけで十分。
お腹いっぱいになったところで、チェック・アウトをしてスーツケースをリビングに置かせてもらった。
ゲストハウスのおばさんは、“取りに戻って来た時は、チャイムを鳴らさずにこれで開けなさい” と言って入口の鍵の暗証番号をメモに書いて渡してくれた。

朝の散歩は城壁からスタート。前に一周しているので、今回は少しだけ。
 モンク・バーの階段で城壁に上って  こんなところや  こんなところを歩き、
街並を眺めたり  ミンスターを眺めたりしながらの散歩は、朝日が眩しくて空気が美味しくて気持ちよかった。

ミンスターのオープン時間、9:30に合わせて中に入った。5年ぶりなので、なんだか懐かしかった。内陣の聖歌隊席の仕切りに歴代英国王の彫像が15体並んでいるのだが、実は私、この王たちの表情がすごく好きで、ずっと眺めていても全然飽きない。(大きな影は上に吊るされたクリスマス飾りの影)
          
一部をズーム・アップ!  右の王、津川雅彦に似てる!

 聖歌隊席(クワイア)に入り、  聖歌隊指揮者の目線を体験。
             いろんな墓碑
 主祭壇の後ろに見えるステンドグラスは、 “グレイト・イースト・ウィンドウ” と呼ばれる英国最大のステンドグラスなのだが、修復中のため写真がはめ込まれていた。
        身廊   北側廊   西扉の装飾
北翼廊の奥にチャプターハウスがあって、そこでぼーっと座っているのも好きなのだが、行ってみるとちびっ子たちが・・・。ミンスター・スクールの可愛い子供たちが、何やらクリスマス会のお稽古中だった。


ミンスターを出たあと、かつてヨーク市長も住んでいたことがあるという中世のタウンハウスを忠実に再現したバーリー・ホールを見学したり、小さな教会に入ったりしながらぶらぶら街を散策し、クリフォード・タワーに行った。ここは、現存する唯一のヨーク城の一部。(タイトル写真) 
ここ(タワーの上)から眺めるヨークの景色が好き  右奥に見えるのはヨーク・ミンスター

クリフォード・タワーの近くのキャッスル・ミュージアムに入ると、ビクトリア王朝時代の昔からの家庭生活の様子が再現されていて、その時代時代のキッチンやバス・トイレ、洗濯機、掃除機などの展示はなかなか面白かった。
パーラメント通りのインターナショナル・クリスマス・マーケットには、いろんな国の屋台が出ていてたくさんの人たちで賑わい、こんなに大勢の人たちが集まるのに夜になるとごっそり居なくなるというのが、ちょっと信じがたいくらいだ。
 インターナショナル・マーケット   ベルギーのお菓子の出店

1992年に初めてヨークに来た時に、ひとつの古い小さな教会に入った。ホーリー・トリニティ教会というその教会は、中がボックス席のように仕切られていて、一般的な教会と違うのでとても印象に残っていた。5年前に来た時は、その囲みの席に座って暫く時を過ごした。ところが今回中に入ると、その囲みが閉ざされていて、一般見学者は通路を通ることしかできなかったのがとても残念だった。
 見過ごしてしまいそうな小さな門をくぐると、小さな教会が建っている。

再び街をぶらぶら。ヨークでいちばん有名なシャンブルズ通りは、石畳の細い路地で、2階部分が路地にせり出すように建ち並んでいる。  この頭でっかちの建物は、居住空間を少しでも広く使おうとしたアイデアなのだとか。
ウーズ河の方に行くと、少し前まで降り続いていた豪雨で水位が上がり、潅水した建物の無惨な姿が目に入った。


その後、ストーンゲート通りにあるBettys Café Tea Roomsの姉妹店 「Little Bettys Café」 で、アフタヌーン・ティ・タイム。
  本格的なアフタヌーン・ティは、サンドウィッチとスコーン、ケーキがセットになっていて私にはちょっと多すぎるので、クリーム・ティにした。クリーム・ティというのは、紅茶にクリームを入れるのではない。スコーン2個と紅茶のセットのことで、スコーンに付いてくるクリームとジャムからそう呼ばれるようになった。そのクリームはクロテッドクリームという、乳脂肪分が生クリームよりも高くてバターよりも低い、イングランド南西部で作られるコクのあるクリーム。日本では中沢乳業が製造販売しているが、やはり味はかなり落ちる。
さすが老舗のBettys、クリーム・ティも3段重ねのティースタンドで出された。ティー・ポットがふたつあるが、左側の小さいポットにはお湯が入っている。大きいポットには茶葉が入ったままだから、当然時間が経つと濃くなるので、それを薄めるためのお湯だ。
                  

クロテッドクリームはコクがあって、本当に美味しくて大好き。適度にしっとりとしたスコーンも美味しくて、ふたつ食べるとお腹いっぱいになった。
外に出ると、もう日が暮れ始めていた。すぐに真っ暗になるので、それまでにと、少し早足でヨークシャー・ミュージアム・ガーデンの中にあるセント・メアリーズ・アビーの廃墟に行った。
ここも、先日行ったバトル・アビー同様、ヘンリー8世の修道院解体令によってつぶされた修道院の址。


当初はもう一泊しようと考えたのだが、暗くなるのが早いしお店も閉まってしまうので、夜は次の街に移動することにした。
ゲストハウスにスーツケースを取りに戻り、ヨーク駅に向かう途中に国立鉄道博物館に寄っておみやげだけ買って、次の街エディンバラ行きの列車に乗った。
National Express East Coast(ナショナル・エクスプレス・イースト・コースト)のエディンバラ行き列車はほぼ満席だったが、何とか座ることができた。
エディンバラまでの約2時間半は読書で過ごし、定刻より5分程遅れてEdinburgh Waverly(エディンバラ・ウェイヴァリー)駅に到着。
駅からこのウェイヴァリー・ステップスという階段を上って   新市街方面に出てホテルに向かった。外は雨、しかも北海から吹いてくる横なぐりの風がめちゃくちゃ強くて、傘も差せない。イギリス人が傘を差さないのは、こういうことも理由のひとつなのかも知れない。フード付きのコートは必須だ。
新市街のヨーク・プレイスにあるOsbourne Hotel(オズボーン・ホテル)にチェック・インしたあと、夕食の調達に出かけた。
 部屋はこんな感じ、ここに2泊する。ここに限らず、ホテルの部屋には紅茶とコーヒーのセットが備え付けられている。
バーガーキングがあったが、ハンバーガーを食べる気はせず、ウェイヴァリー・ブリッジを渡って旧市街側に行き、坂を上って旧市街のメイン・ストリートのロイヤルマイルに出た。
 ヨークと違って多少人は歩いてはいるものの、もう9時半を回っていたのでテイク・アウトの店も閉まり、結局ウェイヴァリー駅構内の 「Marks & Spencer Simply Food」(大手スーパー・チェーン店のマークス&スペンサーのコンビニ版)でパスタ・サラダとデザートを買ってホテルに戻った。
 夕食のハニー&マスタード・チキンのパスタ・サラダとレモン・チーズケーキ。ヨークで食べたPRETのレモン・チーズケーキが美味しかったので、すっかり虜に。PRETのに比べると味は落ちるが、それでも美味しかった。

TVを点けると、去年夏に行なわれたT in the ParkでのFranz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)の凱旋ライヴをやっていて、“スコットランドに来たー!” という気分が高まった。