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music, trip, cinema, art, and so on.

『Kommissar REX』

2008-08-26 | cinema & drama


ずっと地上波オンリーだったうちのTV環境も、地デジ対策でケーブルTVを導入し、CSやBSの様々な番組を楽しんでいる。
特にCSでは、懐かしの 『ナイトライダー』 や 『特攻野郎Aチーム』 などから、最近話題の 『HEROES』 まで、大好きな海外ドラマがたくさん放送されているのが嬉しい。
そんな中、今いちばんハマっているのが、ミステリチャンネルの 『REX~ウィーン警察シェパード犬刑事~』(原題:Kommissar REX)。
ウィーンを舞台にしたオーストリア制作のドラマで、1994年から2004年にかけて10年間オーストリアを中心にヨーロッパ各地で放送され、現在は舞台をローマに移し、オーストリアとイタリアの合同制作で、キャストを変えて放送中の人気ドラマである。
今までイギリスのドラマは少し見たことはあるが、ほとんどアメリカのドラマばかりだったので、ヨーロッパのドラマを連続して見るのはこれが初めて。
そして、何と言ってもこのドラマに夢中になっているいちばんの要因は、主役のシェパード犬REXの可愛さ&賢さで、毎回愛くるしい表情と素晴らしい演技で楽しませてくれている。
犬好きの私にはたまらない作品で、これまでも 『名犬ラッシー』 や 『ベンジー』、『南極物語』 など、犬を主役にした映画やドラマは数多くあり、どの作品も感動を呼び、その素晴らしい人間顔負けの演技に感心させられてきた。ちょっと主旨は違うが、最近ではソフトバンクのお父さん犬も人気を博している。
ストーリーは、元々警察犬だったこのドラマの主役REXが、主人が殉職し、食事も摂らず意気消沈しているところを、モーザー警部に引き取られ、新しい主人と共に数々の難事件を一緒に解決して行くという物語。

 REXとモーザー警部
 甘えん坊な一面も♪

また、ウィーンが舞台ということともあり、タイトルバックにはウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂やプラーター遊園地の観覧車、セセッシオン(分離派会館)などが映り、いろんなウィーンの名所が出てくる。第7話では、かのマリアテレジアン・イエローに輝くシェーンブルン宮殿が舞台となった。
例えトレーナーが居るとは言え、REXの演技は本当に素晴らしく、特にボールを口にくわえて “遊んで!” と言わんばかりに首をコクンとかしげて見つめる表情は、たまらなく可愛い。
REXが大好きなソーセージ・パンを、モーザー警部の部下シュトッキー警部補と取り合いっこしたり、彼が犬嫌いということを知っているREXが、靴を隠したりして彼をいじったりするシーンは笑えるし、事件解決につながる鋭い判断力と行動力には、賢すぎて感心させられっぱなしだ。
US産とは違い、派手な演出や効果音・CGもなく、登場人物も少なくてとっても地味だが、人間味溢れる素朴な作品に親しみを感じる、一話完結のシンプルな刑事ドラマだ。
1997年には、このREXがまだ子犬だった頃のエピソードを綴った、当時から刑事犬としての素質を見せるシーンが満載の単発ドラマ、『小さな刑事 ベビー・レックス』(原題:Baby Rex Der Kleine Kommissar)が制作され、同チャンネルでも今年放送された。

『AUGUST RUSH』

2008-04-09 | cinema & drama


先日の旅行の際、乗り継ぎのフランクフルトから成田に向かう機内で、とてもステキな映画を観た。
昨年全米で公開され、日本ではまだ未公開のその映画のタイトルは、『AUGUST RUSH(オーガスト・ラッシュ)』。
主演は、『ネバーランド』 でピーター・パンのモデルとなった少年を、『チャーリーとチョコレート工場』 でチャーリーを演じたフレディ・ハイモア。

生まれた時から孤児院で育った11歳の少年、エヴァン・テイラー。
彼は、周囲のあらゆる音に対して非常に敏感に反応する耳を持ち、“メロディ” を感じていた。
それは、まだ見ぬ両親の才能を受け継いでいたのだ。母親は有名なチェリスト、父親は人気ロック・シンガーだった。
この全く境遇の違うふたりの出会いから、愛し合うようになるまでのストーリーも映画に織り込まれている。
いつかきっと両親に会えると信じていたエヴァンは、両親を探すためにひとりニューヨークに旅立つ。
そこでロビン・ウィリアムス演じる大道芸人の親分と出会い、音楽の才能を見出される。
ストリートキッズたちと生活をしながら、親分が付けたオーガスト・ラッシュという名前で、ストリート・ミュージシャンとしての道を歩み始める。
その後、その類まれな才能を見出され、次々と大きなチャンスを手にして行く。
エヴァンは、自分が音楽を奏で続けていれば、きっと両親が自分を見つけてくれると信じていた。
ロック、クラシック、ゴスペル、そして日常の様々な音が、11歳の少年の全身からあふれ出して行く。
そして、その様々な音にリンクして行く映像が素晴らしく、感動的なフィナーレまで目が離せない。

チェリストの母親役はケリー・ラッセル、ロック・シンガーの父親役はジョナサン・リース=マイヤーズ。
ストーリーはありがちだが、両親をエヴァンの元に導いて行く鍵となる音楽の素晴らしさは、音楽好きには心に大きく響くものがあり、純粋に感動できる、とてもいい作品だ。


★予告編では、オーガスト少年の素晴らしい音楽が前面に出されていないのが残念。
  観るまでのお楽しみ・・・ということだろうか。

★邦題 『奇跡のシンフォニー』 として、6月21日より全国ロードショー決定!
  詳しくはこちら





『Ray』 

2007-07-13 | cinema & drama


公開時、かなりの評判だったし、予告編やスポットで見て知ってはいたが、実際に映像を見て、本当に本人ではないのか?と何度も錯覚するくらい、Jamie Foxxの演技は素晴らしかった。
まるでRay Charlesの生き写しのようで、元々クラシック音楽を学び、ミュージシャンでもある彼は、吹き替えなしで見事に “ソウルの神様” を演じた。(アカデミー賞主演男優賞受賞)
Ray Charles本人は、この映画の完成直後に永眠したので、完成作を見ることはなかったが、製作中にJamie Foxxに演技指導を行った際、彼の演技を絶賛したと言う。
そんな彼の素晴らしい演技が、この映画を単なる伝記映画ではない魅力的な作品にしたのだと思う。
Ray Charlesの音楽は知っているものの、人生背景までは殆んど知らなかったので、あんなに酷いジャンキーだったということはかなり衝撃的だった。
あの頃のミュージシャンは、少なからずとも殆んどがヤクに手を出していただろうが、あそこまでハマっていたとは知らなかった。
名曲誕生の過程を素晴らしい映像で描き、フラッシュバックで出てくる弟の死のトラウマを効果的に入れる演出もなかなかのもので、目が見えていた時は色彩豊かなのに比べ、盲目になってからはセピア色がかったくら~い感じの色調という使い分けも、この作品の持つ素晴らしい一面だと思う。
152分という長編だったが、飽きさせることなく、Ray Charlesの波乱の生涯をうまく描いていた。
彼に関わった様々なミュージシャンの中で、Quincy Jonesしか出てこなかったのはちょっと寂しい気もしないでもなかったが・・・。
黒人差別に反発したことで、18年間自分の故郷ジョージア州から永久追放され、その後 「Georgia On My Mind」 がジョージア州の州歌として認められるまでに至るくだりは感動的だった。
この映画を見て、その 「Georgia On My Mind」 や 「I Can't Stop Loving You」 はやはり不朽の名曲だなと痛感した。

『エリザベスタウン』

2006-12-07 | cinema & drama


やっぱりこの人の映画は、音楽が素晴らしい。
Cameron Crowe監督の2005年の作品 『Elizabethtown』。
それまでコスプレものばかりだったOrlando Bloomが初めて現代ものに挑戦、主演した作品。
相手役のヒロイン、クレアには 『スパイダーマン』 のKirsten Dunst、母親役には私の大大大好きなSusan Sarandonがキャスティングされている。
すべてを失い人生に絶望したひとりの青年が、父親の死をきっかけに、人生の再生をして行く道のりを描いた心温まる作品。
主人公のドリューが、父の故郷である小さな田舎町ケンタッキー州エリザベスタウンで経験する、町の人々の父親への愛情、親戚や町の人々たちとの温かい触れ合い、そして新しい恋愛に心癒されていく。
私は、この映画の宣伝の中心だった父親のことよりも、ドリューとクレアが育んで行くふたりの愛のかたちを描いているところに好感を覚えた。
ま、実際父親のことは大した問題もなく描かれていただけで・・・というのは、父親との確執のために長年疎遠だった息子が、父親の死に直面して・・・というような内容を想像していたから。
でも、父親が残した “人生は山あり谷あり” 、劇中何度も出てくる “最後の視線” は、父親ことをなくして語れないものなのだが・・・。
ドリューとクレアがずーっと長時間、携帯電話でデートするシーンがとっても可愛くってステキだったし、やはり最後の “旅” のシーンはとても良かった。
父親のお葬式でドリューの従兄弟のバンドが演奏した、Lynyrd Skynyrdの 「Free Bird」 には泣けた。
この曲がきっかけで旅に出るドリューなのだが、クレアは旅の初心者ドリューのために自作の素敵な地図をプレゼントするのだが、これがめちゃくちゃ素晴らしい。
父親の遺灰を助手席に乗せ、アメリカ南部を車で旅するのだが、クレアはその地その地に合わせたBGMのCDまで用意していて、ミシシッピー川を渡る時に流れるのはブルーズ、ニューオリンズではジャズ、メンフィスではElvisではなくJeff Buckleyのお墓を案内し、キング牧師が亡くなったモーテルへと導く。
このシーンでは、キング牧師を讚えた歌として知られるU2の 「Pride (In The Name Of Love)」 が流れる。
“旅に音楽は欠かせない” というクレアのセンスが光るが、やはりこれは監督と彼の奥さんで音楽プロデューサーであるNancy Wilson(ex-Heat)のセンス。
音楽が全てを物語っているので、旅のシーンにセリフはいらない。
こういう人間味に溢れ、心温まるストーリーには、VFXをふんだんに使った映画の効果音と違い、生きた音楽がぐっとくる。

大好きなSusan Sarandonは、いちばん感動的なシーンで中心となり、あまり出番はなかったけどそこでガツンと印象を与えてくれて、最高にカッコ良かった。

『フレディ・マーキュリー 人生と歌を愛した男』

2006-11-23 | cinema & drama


もう日付が変わったので、正確には明日、11月24日はFreddie Mercuryの命日。
彼がこの世を去ってから、もう15年も経つ。生きていれば60歳。
『ダリ回顧展』 の後、美容院に行く予定だったが、自分の担当者がお休みだったので予定変更となり、水曜日だということに気づいたので、何か映画を観に行こうと思って携帯で検索。
でも目ぼしい作品がなく、タワレコにでも寄って帰ろうかな~と思っていた時、ひとつのタイトルが目に飛び込んだ。
『フレディ・マーキュリー 人生と歌を愛した男』(原題:FREDDIE MERCURY Untold Story)
日本での公開が世界初の、今年制作された映画。
Stonesなんかは、MickとKeithの生い立ちやふたりの出会い、Stonesの歩んできた道などを本を読んだりして知ったが、Queenは曲が好きで昔から聴いてきただけで、メンバーの人物背景とかには特に興味を持っていなかったので、この映画のことをすっかり忘れていた。
映画館はレディースデーということもあって、観客の殆んどは女性だったが、若い子から腰の曲がったおばあちゃんまで、様々な年齢層の観客で8割近く埋まっていた。

2本予告編が流れたあとに始まったのだが、Freddieの歌声が流れ、右腕を高々と上げた彼のシルエットがスクリーンいっぱいに映し出された途端、訳もなく涙腺が緩んだ。
Freddieがアフリカ生まれだってこと、アートにも卓越した才能があったことなど、この映画で初めて知った。
Queenのライヴ映像はかいつまんで流れるが、フルで流れるわけでもなく、Queenの曲が流れるわけでもない。
「Love Of My Life」 や 「Bohemian Rhapsody」 のピアノのインストがバックに流れるだけ。
幼少の頃の映像にFreddie役を演じている男の子がいるが(セリフは一切なし)、それ以外に役者の起用はない。
全てFreddieの母親、妹、寄宿学校時代の同級生、最初で最後の異性の恋人メアリー、Brian May、Roger Taylor、コスチューム・デザイナー、共演したオペラ歌手カバリエ、最後の恋人ジム、Mott The HoopleのIan Hunter、プロデューサーetc...と言ったFreddieと長い間深く親しい信頼関係のあった人たちの話だけで綴られている。
制作は、10年以上QueenやFreddieと共に仕事してきたDoRoフィルム・メイキング・チームによるもの。
デザイン学校時代のデッサン画も、本作で初公開された。
その才能たるものは、素人の私が見ても素晴らしかった。
母親と妹の話はもちろんのこと、6年間同棲した最初で最後の異性の恋人メアリー・オースティンの話は、感動的で衝撃的で愛情に満ち溢れていた。
Freddieは最初からゲイであったのではなく、彼女との暮らしの中でいつしかそうなって行ったと言う。
でも、Freddieの告白を受け入れ、理解し、別れたあとも生涯親友として彼を支え続けた彼女は、女性として、いや、人として素晴らしい。
「彼が彼自身であろうとする権利をどうして私が否定できるでしょう? それを受け入れ、理解することができたのは、愛があったから。人間として成長してほしい・・・」
こんな素晴らしい気持ちになれることが、果たして自分はできるだろうか・・・いや、できない、きっと・・・。もう涙が止まらなかった。
ステージ・パフォーマンスのあの派手さとは間逆で、とてもシャイだったというFreddie。
病気の告白によって更に絆が強くなったと語るRoger。
オペラ歌手カバリエが語るFreddieとの硬い友情。
そのカバリエと共演した 「バルセロナ」 の映像は、本当に素晴らしかった。鳥肌が立ち、涙が溢れた。
Freddieの最期を語るシーンも、涙なしでは観ていられなかった。
こんなに感動したドキュメンタリー映画は、この作品が初めて。
今年のベスト・ムービーとも言えるくらい、素晴らしい作品だった。
Queenが今でも英国民に、そして世界中の音楽ファンに愛されているのも、Freddie Mercuryという天才がいたからこそなのだろう・・・。
改めて彼の存在の大きさを実感し、これからQueenの曲を聴く時の気持ちが少し変わるような気がする。
全てのQueenファン、音楽(ロック)ファンは必見!

 DVD 『Lover Of Life, Singer Of Songs』
この映画に、25分のボーナス映像とビデオクリップ集にボーナス・ビデオ3曲が追加されたもの。
ボーナス映像には、Queenのメンバーを始め、Mick JaggerやElton Johnらのインタビューも! このDVDも気になるところ。

『Live Forever』

2006-10-22 | cinema & drama


昨日の深夜、TVで 『Live Forever』 が放送された。
ブリットポップ・ブーム、クールブリタニア時代のドキュメンタリー映画。
結局やっぱり、oasisのための映画だったんだな~ってのが感想。作品のタイトルが彼らの曲のタイトルだから、まあ想像はしていたが・・・。
90年代、保守党から労働党に移り変わって行ったブリティッシュ・カルチャーの背景は、忠実に描かれていたと思う。
ちょこちょこ登場する、oasisの成りきりコピー・バンド、Wonderwall inc.のふたりが笑えた。
普段は似ても似つかないふたりが、いざガレージでoasisのナンバーをプレイすると、ウィッグや服装で太めのNoel&Liamに成りきっているのに爆笑。
 Wonderwall inc.の成りきりNoel&Liam

それにしても、相変わらず毒吐きまくりのGallagher兄弟。
oasis結成のきっかけになったと言われている、90年のStone Rosesのスパイクアイランドでのライヴ。
“人が集まった時点で、奴らの仕事は終わっていた” とNoelが言う。
2ndアルバム 『(What's The Story) Morning Glory?』 をリリースした時のことは、“1stの方が出来がいい。何故1stを買わない? オレらを怒らせるためか? みんな変だ” とまで言うNoel。
Liamも負けずに、悪態ついてまくしたてる。
ブレア首相のパーティに招待されたNoelについて、“オレは招待状がきても行かないね。まあ、どんな場所なのか見てみたいって気はあるけど、家から出るのが面倒だしさ。Noelは見てみたかったから行ったのさ” と皮肉る。
“オレはハンサム!” とキッパリ言って、自信に満ち溢れた表情で攻撃的に語るLiam。
このふたりの毒吐きとは対象的に、blurのDamonは困惑した苦笑いを交えながら、なんか無気力ささえ感じる。
この映画で、いちばんの見どころと宣伝されていたのが、oasis VS blurの対決。
メディアが仕掛けたシングル同時発売の、1位争いバトル。
Beatles VS Stonesとまで言われ、NMEはblurを押していた。
blurが当初の発売より二週間遅らせたことを知ったAlan MacGeeは、oasisに更に遅らせようと提案したが、Noelがそれを断った。
この対戦についてDamonは、“バカらしい。人生に重大な過ちを犯した” と当時を振り返る。
それに比べ、常に “オレら最高!” 姿勢のNoelと、全てのインタビューにケンカ腰のLiam。
あまりにも対照的で、笑ってしまった。
そして、所々で登場するPulpのJarvis Cockerが冷静に当時を振り返り、SleeperのLouise Wener嬢が的確に分析するのは見応えある。
労働党が政権を奪取してピークを迎え、oasisの 『Be Here Now』 がリリースされた4~5日後にダイアナ妃が事故死したことがまるで引き金になったかのように、エネルギーに満ち溢れていた時代の勢いも失速して行き、ブリットポップ終焉・・・で映画は締めくくられた。
映画として公開するまでもなく、DVDリリースだけで十分のような内容だと思うし、UK好き以外には全く興味がないだろう。
でも、懐かしいライヴ映像もあるし、90年代のブリットポップを振り返るにはいい素材だろう。
とにかく笑えるGallagher兄弟の “俺様” ぶりと、oasisのネヴワースのフリー・コンサートの映像と、Damonが本当に可愛かった頃のblurのPVに満足。

『ターミナル』

2006-08-31 | cinema & drama


前々から観たいと思っていたが、レンタル店でいつも貸出中でなかなか観ることができなかった映画があった。
そんな待望の作品のDVDをやっと借りることができ、今回2本借りてきたのだが、まず先に観たこの作品から。
トム・ハンクス主演、スティーヴン・スピルバーグ監督の2004年公開作品 『The Terminal ~ターミナル』。
結論から言って、ストーリー云々よりも、旅好き、空港好き、海外好きの私には、とっても楽しめる作品だった。
公開時にはかなり話題になった作品なので、改めてここでストーリーを語る必要もないと思うが、Wikipediaから引用すると、「母国、クラコウジアでおきたクーデターのため、到着したニューヨークの空港施設内(ジョン・F・ケネディ国際空港)に突然足止めとなってしまった男ヴィクター(トム・ハンクス)。
お金も尽き、パスポートは無効、国に帰ることも出来ずアメリカに入国することも出来ない彼は、“ある約束” を果たすためになんとか空港内での生活を始めた。
空港から出られる日、アメリカへ入国出来る日を待ち続けるために・・・」 という内容。

何が面白かったかと言うと、主人公ヴィクターが、空港施設という限られたスペースで、生活に必要な糧を様々なアイデアや知恵を絞って築いて行く様、周囲の人々とほのぼのとした交流を深めていく姿が、何ともユーモラスに描かれているところ。
そして、彼の人柄によって深まって行く人間模様や友情がほのぼのと綴られていて、現実には有り得ないような出来事が、そう思わせないくらい楽しく描かれている。
実際、フランスの空港で16年間生活する男が居たそうだが、こちらは映画、娯楽作品。かなり楽しく描かれている。
そして、ヒロインのキャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じるアメリアと、いい感じになっても結ばれない、というのも良かった。
“最後はふたりでハッピー・エンド” というのだと、きっとこの映画の楽しさが半減していたに違いない。
後半、“ジャズ” が重要な鍵となるのだが、スタンダード・ジャズのサックス奏者、Benny Golson本人が出演しているのは見もの。 
空港施設の隅々まで見れるのが、この映画のまた違った醍醐味で、本屋さんのBordersや、吉野家、Burger King、スタバなど、セット内にある全て実在する店舗をチェックするだけでも楽しかった。
早くまた旅に出たくなったというのは、言うまでもない。(笑)

『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』

2006-08-11 | cinema & drama


例えそれがフィクションであろうが、ノン・フィクションであろうが、観たかった。そして、観て良かったと思っている。
The Rolling Stonesの創始者であり、27歳という若さでこの世を去ったギタリスト、Brian Jonesのことを描いた映画、『Stoned』 (邦題:ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男)。
94年に公開された 『Back Beat』 というThe Beatles結成時のメンバーで、5人目Beatlesと言われているStuart Sutcliffeの生涯を描いた映画をプロデュースした、スティーヴン・ウーリーの初監督作品である。
自殺か他殺か事故死か???と、今もなお “謎の死” を遂げたと言われているBrianの、死の真相に迫るという内容とのこと。
監督のインタビューでは、彼自身10年以上の年月を費やしてリサーチしたが、結局肝心な証言は得られなかったと言う。
しかし、その後映画にも登場する二人の女性を見つけ出し、その間に脚本が何度も変わり、予定していた監督も降りてしまい、結局彼自身が監督を務めることとなったと話している。
Brian役は、『フーリガン』 という映画に出演していたが、主役はこれが初のレオ・グレゴリー。
頑張ってBrianを演じている。Brianのファッションや髪型を真似て、Brianに成りきろうとしている一生懸命さが伝わってくる・・・が、果たして彼はBrianを演じる前はBrianのことをどこまで知っていたのだろうか・・・。
Ray Charlesを演じたジェイミー・フォックスは、まるでRay Charlesが乗り移ったかのようだったが、どうしても無理さを感じざるを得ない場面がいくつかあった。
ただ、エンディングのアップの笑顔は、とても良かった。
 これがBrian本人の笑顔!

さて、内容についてだが(ネタバレもあるのでご注意!)、エンターテインメント作品としてはなかなか面白く、十分楽しめた。
時代を遡ってStonesの歩んできた様々なことを知るために、一気にいろんな本を読みまくり、Stonesにどっぷりハマった頃の記憶が甦った。
Stonesの曲は一切使用せず、「Little Red Rooster」 や 「Stop Breaking Down」 など、Stonesのルーツであるブルーズ・ナンバーを、The Counterfeit Stones、The Beesらがプレイし、Robert Johnson、The Small Faces、Traffic、Jefferson AirplaneからKula Shaker、22-20'sと言った新旧様々なバンドがプレイしている曲を起用している。
そしてそれらは、初期Stonesの空気や雰囲気を十分伝えていて、全く違和感がなかった。
 サントラ 『Premium Tribute To Stoned』

何でもアリな60年代のサイケな時代背景が、忠実に描かれているのも面白かった。
MickやKeith、Bill、Charlieも本人に似た俳優を起用しているのだが、そっくり度ではMickがいちばん似ていたかな・・・。
あくまでも中心がBrianなので、MickとKeithふたりは少しのセリフで、Bill、Charlieに至っては、全くない。
「くまのプーさん」 の作者ミルンが住んでいた屋敷を、Brianが買い取って住んでいたので、撮影も実際にその場所が使われている。
 映画の殆んどのシーンはこのお屋敷

Brianという男は、計り知れないくらい孤独で淋しがり屋で、繊細な神経の持ち主だと思う。
そういうところは、とても忠実に丁寧に描かれていたのが良かった。
成功に溺れ、麻薬に浸かり、最愛の女性AnitaをKeith奪われ、モロッコでみんなから置いてけぼりにされ、そしてMickとKeithからクビを言い渡される。
その、それぞれの切ないBrianの表情、特にStonesの創始者本人がクピにされるシーン。
これにはぐっとくるものがあり、Brianのとてつもなく淋しそうな目にジーンとした。
映画のいちばん最後に最高の笑顔で言うセリフ、“Happiness is Boring!”。
このエンディングが良かった。
もちろん、MickやKeithはこの作品を認めていない。
しかしドキュメンタリーではないので、あくまでもひとつの娯楽作品として、そしてこの時代の音楽が好きな人であれば、なかなか楽しめると思う。

『ダ・ヴィンチ・コード』 ついに公開!

2006-05-21 | cinema & drama


あ~、ずいぶん放ったからしにしてしまった。
この頃聴いているのは、もう既にここで取り上げたものばかりなので、正直ネタ切れ気味。
オーダーしている聴きたいCDはまだ取り寄せ中なので、来月あたりにはいろいろ書けそう・・・。

ところで、20日に全世界で同時公開された超話題の映画 『ダ・ヴィンチ・コード』。
2年前に原作を読んだ時、いつかは映画化されるだろうと思っていたので、とても楽しみである。
原作は本当に面白かった。読み始めた時は数式などがたくさんで、数学が苦手な私には何だか難しい内容だなぁと思いながら読んでいた。
しかし、気が付けばいつの間にかどっぷりハマった。
丁度読み終えた後、イギリスとパリに行ったので、その時イギリスのいろんな町の教会に行く度に、クリスチャンでもないのになんだかとっても神聖な気持ちになり、“マグダラのマリア” とか “聖杯” とか小説を思い出していた。
残念ながらパリはロンドンからの日帰りだったので、ルーブル美術館は外観だけで、せめてモナ・リザだけでも見たいと思ったが時間に余裕がなくて諦めた。
さて今回のこの映画、フィクションかそうでないかで信者の間で論争が起きているが、エンターテインメントなんだからそんなに深刻にならずに楽しめばいいと思う。
今日フジテレビで特番をやっていて、それを見ているとあの濃厚な原作を果たして映画でどう表現するかも見ものだし、久しぶりに劇場に観に行こうと思っているのでとても楽しみだ。

 「The Last Supper ~最後の晩餐」 Leonardo da Vinci (1495-97)

Night Visions

2006-04-27 | cinema & drama


今回は、海外ドラマのお話。
日テレの火曜深夜枠 “うしみつショー” で放送されている 『Night Visions』。
アメリカ版 『世にも奇妙な物語』 と言った感じの内容で、一話完結のショート・ストーリー。
本来ホラーものは大の苦手で、観ることさえできない私だが、これはホラーというよりもミステリー度が高く、かなり面白い。
そして、このドラマのストーリー・テラーがなんと、Black Flag ~ Rollins BandのHenry Rollins。
あの所狭しとタトゥーが彩るマッチョな腕をムキムキに出して、超真面目な顔でホスト役を務めている。
そう、『世にも奇妙な物語』 で言うところのタモリの役である。
歌っている時のイメージとは全く違う雰囲気で、こんなところで活躍していたとは、驚きであった。
摩訶不思議で怪しげな話が、彼の淡々とした語りによって現実に起こりそうな気持ちになることさえある。
正に適役かも知れない。怪しげで背筋がゾクッとする。
5月16日からは新番組に変わるみたいなので、あと2回で終ってしまうのが残念である。