うちの奥さんは、コーチがお好き。

長島スパーランドの横に、「長島ジャズドリーム」

という大変困った施設がある。

ここには、行列ができるおいしいレストランやブランド店が

軒を連ねている。

そうである。そのブランド店が曲者なのである。

暑い中、遊園地で楽しんで疲れてしまい、とっとと帰ればいいのに、

「ちょっと、見ていこう。」という、奥さんの意向が尊重され、

とぼとぼ、中に入る。

たくさん、おしゃれな店があり、今は、クリアランスとか何とかセールの表示が

ここにも、あそこにも張られている。

「30％オフ」「半額」「70％オフ」など、大変気を引く割り引きセールの

案内が、奥さんの心を刺激する。

そして、目指すお店は「コーチ」。

いつも賑わっているコーチのお店。

当然お店の中には、○○％引きの表示だらけ・・・。

プラス極めつけは、入口で配られた「さらに10％引き」と書かれたカード。

これで、奥さんの買う気モードは、スイッチオンである。

あれもこれも、いいなぁ。と物色を繰り返す。

しかし、金額が問題。

常に頭の中で電卓がはじかれ、割引後の金額を算出している。

そして、いよいよ価格もデザインも機能も大きさもすべて合致した

ショルダバッグーを肩にかけ、鏡をしきりに眺めている。

いよいよ、苦肉の決断の時がやってきたのである。

仕方がない。脈釣り用の竿もあきらめ、あれもこれもあきらめ、

「それに決めれば・・・。」と、言ってしまった次第。

あぁ～あ。つらいなぁ。

いやいや、私の遊び道具より、奥さんのご機嫌のほうが大切である。

これで、すべてうまくいくのである。

と、喜ぶ奥さんの横顔を眺めながら、帰路につきました。

なんであんなところにと。長島ジャズドリームの場所を恨む私でした。