銀座の数奇屋
高架下にはためく
カレーうどん屋
ひょいと暖簾をくぐり
カレーうどんたべるしあわせ。
悲しいしあわせに
いろあせて
ぼくは
ヴェートーヴェンの月光の
月の灯りをさがしてた。
悲しいしあわせは
安心のあたたかさがあった。
悲しみのないいつわりのしあわせより
悲しいしあわせのほうが
ほんものらしい。
悲しいしあわせの
月光のやわらかな高音へのたかまり
はじめての震度6を経験し
そのまま寝ついてしまった。
様々な仕方で死ぬ自分を想定していたが
まさか地震で死ぬことは想定していなかった。
地震で生き延びてもコロナにかかるリスク。
コロナにかからなくても飛行機が落ちるリスク。
飛行機落ちなくても交通事故に遭うリスク。
交通事故に合わなくても家で倒れてしまうリスク。
家で倒れなくても旅先で洪水に会うディスク。
考えてみたら私たちが不意に死ぬリスクに囲まれて生きているんだなぁとしみじみ。
まずで1つの死ぬリスクからもう一つの死ぬリスクに渡り歩いてるような感覚がある。