教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

2.5次元世界の住人たち

2009-09-27 00:00:00 | オタネタ全般
世の中には、2次元でも3次元でもない2.5次元という概念が存在する。
究極的には2次元と3次元の両方の良さを取り込もうとしつつも、どちらか一方のメリットと比較したらどうしても少し見劣りする、そんなモノが2.5次元である。
あるいみFFIIIでいうところの赤魔道士みたいな存在だ。

テクニカルな話でいうと、たとえば電磁界解析にも2.5次元というものがある。
2次元は平面的な構造の解析しかできないが、そのかわり秒単位で解析できる。
3次元は非線形でなければどんなものでも解析できるが、そのかわり大したもんでもないくせに平気で解析に何時間もかかることもある。
2.5次元はベースは2次元だが、Z方向に特別な仮定を導入することで3次元構造のものを2次元解析に準ずる速度で実現しようとしているという、うまくいけば理想的な存在となる可能性もあるものだ。

とはいえ、2次元解析より遅いうえに3次元解析ほど融通はきかない。
2.5次元とはそういうものだ。



実はアニメの世界にも2.5次元という概念が存在する。

これはCGのことではない。
立体映像のことでもない。

アニメでいう2.5次元とは声優のことをさす。

考えてみれば声優はなかなかにして奇妙な存在感を示している。

わたしのように
「さらば3次元!」
をうたい文句にアニメ世界に没頭しているアニオタ諸君の間でありながら、それでも声優は支持されている。
顔出しで登場するにもかかわらず、である。

声優の人気の根幹を成すものは2次元世界の登場人物である。
ところが声優は3次元の人物そのものだ。

かつてスナッチャー(※1)というゲームで
「極めて、有機的、かつ無機物そのもの」
と語られる、人間を模した機械の話が登場した。
それと同じように声優は
「極めて、2次元的、かつ3次元そのもの」
であるとも言えるかもしれない。



声優に関心を持つということはどういうことだろうか?

わたしはここには2種類の人種が混在していると考える。



1つは3次元世界から2.5次元世界へ上がってきた者たち。

とある1説によると、
「現実のアイドルがピュアでなくなってしまったために、よりピュアな存在を求めて声優にたどり着いた」
のだと言われている。

わたしは3次元世界に心が居ないので彼らの気持ちを代弁してやることはできない。
なのでこれがホントかどうかは良くわからん。

たしかに70年代のアイドルはピュアだった。
アイドルの直訳である「偶像」というにふさわしい存在だった。
極端な話、アイドルはトイレに行かないという説が妥当な説としてまかり通っていた。
(実際には、いくらなんでもわたしの歳ではリアルタイムには知らんので、あとの時代から振り返るとそのように見えるということなのだが・・・)

ところが現世ではそうではない。
アイドルは人間臭くなったと同時にピュアさを無くしてしまった。

これは、バラエティー番組でアホさを売りにする芸人が増えたからなのか、くだらんゴシップ誌が大活躍しているおかげで業界全体が魑魅魍魎の跋扈する陰鬱な存在に見えてしまうからなのか、それはよくわからない。
さらに言うと、地デジになったおかげで芸能人の顔アップがうつったときに化粧臭いビミョーにイヤらしい側面を意図せずに垣間見てしまうのもこの現象を助長しているような気もする。

まあとにかく、今の時代はTVに出てくるアイドルにはピュアさを求めることはできなくなっている。
そしてアイドルにピュアさを求める人たちの最後にたどり着く桃源郷が声優なのだという説だ。

これらの人たちには明確な特徴がある。

彼らはかなり幅広くいろんな声優の情報に明るい。
どのアニメのどのキャラを演じていたかをいくつもソラで言えることもある。
しかし、その割には該当するアニメを見たことがないパターンが多い。
そして彼らの支持の強い声優は、往々にして名前は有名だけれどもアニメやゲームで主役級の仕事は全くしたことがないケースも多い。
(わたしはこういう人たちのことを「声優というジャンルのアイドル」と呼んでいるが・・・)



もう1つは2次元世界から2.5次元世界へ下がってきた者たち。

どちらかというと、わたしはこちらに位置する。

彼らが2次元世界から2.5次元世界へ下がっていく経路は明白だ。

まずアニメかゲームのとあるキャラに惚れる。
キャラが好きになると、その声も好きになる。
その声が好きになると、別の作品でその声の人が演じているキャラにも興味を持つ。
そして似たような配役になっていることが多く、ようするに相対的に好みのキャラになっている確率が高いわけで、そのキャラにまで惚れてしまう。
それを繰り返すうちに、キャラそのものよりも声の人のほうに惚れてしまう。

釘宮病(※2)の重症患者はまさにこれに該当する。

まず何気なく “灼眼のシャナ” を見たらシャナのとりこになってしまった。
(釘宮病S型ウィルスに感染)
 ↓
シャナのコミュニティーで “ゼロの使い魔” の話題が盛り上がっていたのでそっちに興味を持ってしまい、いつのまにかルイズばかり見ていた。
(釘宮病L型ウィルスに感染)
 ↓
ルイズの中の人が主役をやっているらしい “ハヤテのごとく!” がどんなものか見てみたら、ナギがかわいくて止められなくなってしまった。
(釘宮病N型ウィルスに感染)
 ↓
このころになってキャラよりも釘宮声のほうが好きなことに気付きはじめる。
(ウィルス起因による自覚症状)

まあこんな感じでひとりで勝手に次々と合併症を引き起こしてしまうものである。


ちなみに、これらの人たちには先の3次元からやってきた人たちの場合とは正反対の特徴を示す場合が多い。

彼らは自分が好きな声優以外は案外知識がない。
どのアニメのどのキャラを演じていたか、というよりも、どのアニメのどのシーンのどのセリフがいかに素晴らしいかを熱く語る。
そして、アニメやゲームそのものは好みでなくても、その声優が登場しているという理由でアニメやゲームをチョイスすることもある。
そして彼らの支持の強い声優は、特定の萌えアニメやギャルゲーでだけ有名なケースもけっこう多い。



2.5次元という声優に関心を持つ人たちは、こういった2種類の人種の混在する世界なのだ。

だから、声優は特にピュアさを要求する向きも多い。

3次元世界から2.5次元世界へ上がってきた者たちにとってはピュアさは至上命題だ。
2次元世界から2.5次元世界へ下がってきた者たちにとっても、かつて立ち去った3次元世界と同じくらいピュアさに欠けていたら関心を持たなくなる。

だから、本来は声だけしか要求されないはずの声優にもツラの良し悪しが要求される。
場合によっては、声優の誰が巨乳で誰が貧乳かということすら話題になる。
そして結婚すると人気がなくなる。

しかし!

これは本来あるべき姿ではない。
少なくともわたしはそういう事にはあまり左右されない。

わたしだったら、若くてツラが良いが声質が平凡で演技力が無い声優よりも、オバチャンで既婚でもいいから演技力が高くて声がかわいい声優のほうが好きになる。
ついでに言うと、声優のCDとか買ってみたくもなるが、しかしながら会ってみたいとか顔を拝んでみたいとかはほとんど思わない。

本来声優とはそうあるべきだと思う。
人の好みにケチをつける気はないが、声優の本業の能力以外のところを要求しすぎるとブサイクではあるが本業の能力の優れる人が生き残れなくなるので、それはそれでいかがなものかと思う次第である。



【※1 スナッチャー】

オープニングを見たい人は↓こちら
http://www.youtube.com/watch?v=vE-9anK8Dt4



【※2 釘宮病】

男性特有の精神疾患の1つ(笑)。

>釘宮病とは、声優・釘宮理恵の声に魅了されて何も手につかなくなるような過度の重病である。正式名称は「釘宮ウイルス過敏性大脳皮質炎(くぎみやういるすかびんせいだいのうひしつえん、Kugimiya Virus Hypersensitive Cerebral Corticalitis)
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%A3%B5%DC%C9%C2

>自制能力が著しく低下し、末期においては己の年齢や性別などをわきまえず「くぎゅうううううう」という奇妙な鳴き声を発するなど、社会的な予後は極めて悪くなる
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E9%87%98%E5%AE%AE%E7%97%85