お断り:内容は元イスラム教徒である神尾貴夫博士の記述に拠ります。糸田の判断ではありません。
西洋社会におけるシャリアの圧力
宗教的マイノリティーの権利であるとして、シャリア法を各国の現行法と並行して適用するようにというイスラム社会からの圧力が有ります。彼らにとっては、各国の法律は不適切で、特に家族に関わる規定に不満を持っています。最近の調査では、英国のムスリムの三分の二は、英国法とシャリアが矛盾する時には、シャリアに従うと答えています。1990年には、イスラム教の機関が、「英国法において有効な訴えに裁定を下すイスラム法の枠組みの創設」を提案していたりします。
このような措置が実施されてしまうと、イスラム教徒以外にもその適用を押し付ける動きが出てきたり、婦女子への不当な扱いが増加することが懸念されます。しかし、多くのイスラムの指導者は、でいるだけ広範囲にわたってシャリアが適用されるように継続的に政府に圧力をかけています。以下に、問題となり得る部分を述べます。
結婚と離婚
シャリアにおいては、男性の主張が受け入れられ、女性は被害を受けやすい立場になります。英国では、婚姻が成立するためには公式に英国法に則って手続きをしなければなりません。しかし、イスラム教徒はシャリアの下に結婚をしていれば、そのようなことは不要だと考えます。すると、離婚の時には、ただの同棲という扱いになって、慰謝料や持参金の返還がなされないというようなことが起きます。故意にそういう扱いをする男性が相当いるということです。
児童婚
モハメッドの行動に倣って、シャリアでは女性は9歳から結婚できるということになっています。イランでは革命の後、女性の結婚年齢が9歳に引き下げられました。インドのシャリア委員会は、インド法の女性の結婚年齢は18歳以上とする規定から、イスラム教徒を除外するように求め、児童婚はシャリアの一部であり、「絶対で、最終的で議論の余地がない」としています。
重婚
イスラム教では男性は四人まで妻を持つことができることになっています。西洋社会に入って来るとこれが問題になるので、英国のイスラム指導団体は重婚が認められないせいで多くの家族が離散して生活しなければいけなくなっているとして、不満の声を上げています。非公式に重婚状態にある世帯は数百に上るであろうと考えらえています。
女性器切除
エジプト、イエメン、インドネシア等のイスラム社会で実践されています。イスラム指導者の中には、これはイスラムの実践に反すると断罪する人たちもいますが、多くの人々はこれがシャリアの規定であると考えています。英国では1985年に正式にこれを禁止しましたが、娘を外国に連れ出して実施するという方法でこれを潜り抜けています。
覆い
女性が公の場でどれぐらい自分を衆目にさらして良いかは、学派によってまちまちです。ある学派は顔と手が見えても良いとします。ハナバリス派では意見が割れており、顔と手が見えても良いというグループと、両方とも覆われていなければならないとするグループが有ります。顔に関しては、伝統的な立場は顔は見えていても良いというもので、顔まで覆われていなければならないとするのは少数派になるようです。
コーランとハディスは女性の装いは控えめなものでなければならないということは述べいます。問題は解釈の幅ということになります。用いられている用語は外套を表すもので、はたしてそれがどれだけ体を覆っていたかは不明瞭なのです。西洋諸国のイスラム女性は、イスラム化を促進し、自分たちの存在をアピールする目的でことらさ厳しい方の実践に倣うということが有ります。アメリカの諸州では、運転免許証の写真でさえ、目しか出ていない顔覆いを被った状態でも許可されるようになってしまいました。
経済活動
過去20年程の間に、イスラム諸国内での銀行や財政運用などのシステムは著しく成長しました。それは西洋諸国内のイスラムコミュニティーにも波及しています。イスラム的思考に合わせた経済システムの構築を目指す人々がいる一方で、そういう必要を認めない人々もいます。
一例を挙げると、利子の問題が有ります。リバという用語は「不当に高い利子」という意味で、そういう商売は禁止されています。ですから、イスラム社会の利子は妥当な利率であることが多いのですが、中にはリバを「利子」と解釈して、利子を設けることを非イスラム的であると退ける人たちがいます。そして、こちらの立場が優勢になっています。イスラム諸国は原油生産を背景に発言力を増していますので、何等かの形で西洋社会の経済形態に入り込み、非イスラム社会もそれを採用しなければならなくなる局面が有るのではないかと懸念されます。
ハラル製品
シャリアでは豚肉や酒は禁じられています。また、食肉はイスラム教徒によって特定の儀式のもとに精肉されなければならないとしています。こうして生産されたものだけがハラル(認可)として用いられるのです。
このようなことはニュージーランドや英国内でも促進されていて、非イスラム教徒もイスラム教の様式で生活をせざるを得なくするイスラム化の道具として機能しています。ニュージャジー、イリノイ、ミネソタ、ミシガン、テキサス、バージニア、カリフォルニアなどの米国諸州では、このハラル法に沿った法案を採用させることに成功しています。
イスラム教徒は世界をイスラムと非イスラムにきっちり二分します。非イスラム社会に住んでいるイスラム教徒には、イスラム社会に帰還するように勧めます。
一方で、非イスラム社会に住むことを正当化する教義も有ります。緊急の情勢においてはイスラム教徒の命の危険や福祉が損なわれることを避けるために、非イスラム社会の法律に妥協して良いということです。一例を挙げれば、カイロの大学の教授が、フランスの学校や公共の場所ではベールが禁止される法律が施行された時、この教義を用いて、その法に従うことを正当化する発言をしています。
このような妥協策は一時的なもので、最終的には、戦ってイスラム法を受け入れさせ、状況を変えていかなければならないとされています。
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西洋社会におけるシャリアの圧力
宗教的マイノリティーの権利であるとして、シャリア法を各国の現行法と並行して適用するようにというイスラム社会からの圧力が有ります。彼らにとっては、各国の法律は不適切で、特に家族に関わる規定に不満を持っています。最近の調査では、英国のムスリムの三分の二は、英国法とシャリアが矛盾する時には、シャリアに従うと答えています。1990年には、イスラム教の機関が、「英国法において有効な訴えに裁定を下すイスラム法の枠組みの創設」を提案していたりします。
このような措置が実施されてしまうと、イスラム教徒以外にもその適用を押し付ける動きが出てきたり、婦女子への不当な扱いが増加することが懸念されます。しかし、多くのイスラムの指導者は、でいるだけ広範囲にわたってシャリアが適用されるように継続的に政府に圧力をかけています。以下に、問題となり得る部分を述べます。
結婚と離婚
シャリアにおいては、男性の主張が受け入れられ、女性は被害を受けやすい立場になります。英国では、婚姻が成立するためには公式に英国法に則って手続きをしなければなりません。しかし、イスラム教徒はシャリアの下に結婚をしていれば、そのようなことは不要だと考えます。すると、離婚の時には、ただの同棲という扱いになって、慰謝料や持参金の返還がなされないというようなことが起きます。故意にそういう扱いをする男性が相当いるということです。
児童婚
モハメッドの行動に倣って、シャリアでは女性は9歳から結婚できるということになっています。イランでは革命の後、女性の結婚年齢が9歳に引き下げられました。インドのシャリア委員会は、インド法の女性の結婚年齢は18歳以上とする規定から、イスラム教徒を除外するように求め、児童婚はシャリアの一部であり、「絶対で、最終的で議論の余地がない」としています。
重婚
イスラム教では男性は四人まで妻を持つことができることになっています。西洋社会に入って来るとこれが問題になるので、英国のイスラム指導団体は重婚が認められないせいで多くの家族が離散して生活しなければいけなくなっているとして、不満の声を上げています。非公式に重婚状態にある世帯は数百に上るであろうと考えらえています。
女性器切除
エジプト、イエメン、インドネシア等のイスラム社会で実践されています。イスラム指導者の中には、これはイスラムの実践に反すると断罪する人たちもいますが、多くの人々はこれがシャリアの規定であると考えています。英国では1985年に正式にこれを禁止しましたが、娘を外国に連れ出して実施するという方法でこれを潜り抜けています。
覆い
女性が公の場でどれぐらい自分を衆目にさらして良いかは、学派によってまちまちです。ある学派は顔と手が見えても良いとします。ハナバリス派では意見が割れており、顔と手が見えても良いというグループと、両方とも覆われていなければならないとするグループが有ります。顔に関しては、伝統的な立場は顔は見えていても良いというもので、顔まで覆われていなければならないとするのは少数派になるようです。
コーランとハディスは女性の装いは控えめなものでなければならないということは述べいます。問題は解釈の幅ということになります。用いられている用語は外套を表すもので、はたしてそれがどれだけ体を覆っていたかは不明瞭なのです。西洋諸国のイスラム女性は、イスラム化を促進し、自分たちの存在をアピールする目的でことらさ厳しい方の実践に倣うということが有ります。アメリカの諸州では、運転免許証の写真でさえ、目しか出ていない顔覆いを被った状態でも許可されるようになってしまいました。
経済活動
過去20年程の間に、イスラム諸国内での銀行や財政運用などのシステムは著しく成長しました。それは西洋諸国内のイスラムコミュニティーにも波及しています。イスラム的思考に合わせた経済システムの構築を目指す人々がいる一方で、そういう必要を認めない人々もいます。
一例を挙げると、利子の問題が有ります。リバという用語は「不当に高い利子」という意味で、そういう商売は禁止されています。ですから、イスラム社会の利子は妥当な利率であることが多いのですが、中にはリバを「利子」と解釈して、利子を設けることを非イスラム的であると退ける人たちがいます。そして、こちらの立場が優勢になっています。イスラム諸国は原油生産を背景に発言力を増していますので、何等かの形で西洋社会の経済形態に入り込み、非イスラム社会もそれを採用しなければならなくなる局面が有るのではないかと懸念されます。
ハラル製品
シャリアでは豚肉や酒は禁じられています。また、食肉はイスラム教徒によって特定の儀式のもとに精肉されなければならないとしています。こうして生産されたものだけがハラル(認可)として用いられるのです。
このようなことはニュージーランドや英国内でも促進されていて、非イスラム教徒もイスラム教の様式で生活をせざるを得なくするイスラム化の道具として機能しています。ニュージャジー、イリノイ、ミネソタ、ミシガン、テキサス、バージニア、カリフォルニアなどの米国諸州では、このハラル法に沿った法案を採用させることに成功しています。
イスラム教徒は世界をイスラムと非イスラムにきっちり二分します。非イスラム社会に住んでいるイスラム教徒には、イスラム社会に帰還するように勧めます。
一方で、非イスラム社会に住むことを正当化する教義も有ります。緊急の情勢においてはイスラム教徒の命の危険や福祉が損なわれることを避けるために、非イスラム社会の法律に妥協して良いということです。一例を挙げれば、カイロの大学の教授が、フランスの学校や公共の場所ではベールが禁止される法律が施行された時、この教義を用いて、その法に従うことを正当化する発言をしています。
このような妥協策は一時的なもので、最終的には、戦ってイスラム法を受け入れさせ、状況を変えていかなければならないとされています。
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