江戸史談会のイベントで、軍装研究家の平山晋先生のコレクションを特別に見せていただくことができました。
主に明治時代の刀と制服を見せていただきましたが、その中には初期陸軍きっての重臣の軍刀など、博物館級の貴重品がいくつも含まれていました。
博物館と違うのは、それらを実際に自分の手で触れることができたことです。
なにより私が嬉しかったのは、明治初年の警視官の刀や制服を見せていただけたことです。
平山先生所蔵の警視官制服については以前先生より写真を頂戴し、拙著『侍たちの警視庁 大警視川路利良の時代』にも掲載させていただきました。
しかし実物を前にすると、「この制服を着て夏も冬も勤務にあたり、西南戦争にも出征したのだろうなあ」との想像が膨らみ、感動もひとしおです。
制服の裏地やボタンの形など、細かな部分までマジマジと観察でき、大変参考となりました。
また、個人的には幕末期の太鼓のバチにも興味を引かれました。
以前当ブログでも書きましたが、維新前の川路大警視は太鼓術修得に熱心でした。
大警視が学んだ幕末の太鼓術について調べてきましたが、当時の太鼓はなかなか現物にお目にかかることができず、バチをみたのも今回がはじめてでした。
当日は平山先生の同好の士である軍装研究家の皆さんもお見えになっており、高レベルの解説を聞かせてくださいました。
軍装研究家の皆さんは軍服の臭いを嗅ぎ、「この臭いこの臭い」とおっしゃっています。
本物の幕末明治期の軍服は、「臭いでわかる」のだそうです。
私も伝習隊の軍服の臭いを嗅いでみましたが、少しすえたような臭いがしました。
この日、本物に触れたことは一生の思い出になるでしょう。
貴重な機会をくださった平山先生に、感謝いたします。