国立劇場で「仮名手本忠臣蔵」を観てきました。
劇場内の売店を覗くと、「徳川将軍珈琲」なるものが売られていました。
カップに乗せてお湯を注ぐドリップオン式のコーヒーですが、徳川慶喜が飲んだ当時のコー
ヒーの味を再現して焙煎したものだそうです。
以前にも書いたことがありますが、私は掃苔と同じくらい古い喫茶店開拓に熱中している人
間です。
もちろんコーヒーも嫌いじゃありません。
どんなものかと思い、購入してみました。
売店に置かれていた商品チラシによると、「徳川将軍珈琲」は慶喜のひ孫の慶朝氏が焙煎し
ているのだそうです。
『二宮敬作餅』、『ペリーシチュー』、『グラバービール』、『象山ラーメン』、『龍馬珈
琲』、『歳三うどん』、『二本松少年隊飴』、『西郷せんべい』等々、これまでにも旅先で
様々な幕末人の名がついた食べ物を試してきましたが、ご子孫が関わっているものははじめ
てではないでしょうか。
帰宅後さっそくいただきました。
ローストしたコーヒー豆を砕いたような苦みがダイレクトに届く素朴な味。
まろやかなブレンドに慣れた舌てはやや粉っぽく感じるかもしれません。
しかし、わが国に入ったばかりのコーヒーはこんな味わいだったのかなと、遠い幕末を想像
しました。