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不識塔をご存知でしょうか

2010年12月01日 | 侍たちの警視庁
不識塔をご存知でしょうか。
私はごく最近までその存在を知りませんでした。
不識塔は斎藤主(つかさ)という明治時代に事業家として大成した人物が大正元年(1912)に
青森県西津軽郡西目屋村に建てた塔です。
高さ20.80メートル、地下4.85メートル、直径5.94メートル。
レンガ造りで不思議な形をした塔です。
名前は、斎藤が敬慕していた上杉不識庵謙信からとったそうです。

死期を悟った斎藤は、「遺体は永久保存の処置をして不識塔に埋葬するように」との遺言を
残しました。
斎藤の死後、遺族は遺言にしたがい、今祐博士にホルマリン等を使った遺体の処置をして
もらい、塔の祭壇の下に埋葬したそうです。
以後数十年にわたり、遺体は塔に安置され続けました。
まるで横溝正史の小説にありそうな設定ではありませんか。
塔というより巨大な墓というべきかもしれませんが、この塔は中に入ることもでき、螺旋階段
を登ることもできたそうです。

塔の主である斎藤主の波乱万丈の人生を調べていたところ、なんと明治十年(1877)に警視局
に出仕し、四等巡査を任ぜられていることがわかりました。
私を引き寄せる魅力的な要素をこれほどまでに完備した人物はなかなかいません。

しかし調べているうちに、残念なことが4点わかりました。
①斎藤主の遺体は、昭和55年に改葬され、今は塔には安置されていないとのこと
②数年前までは中に入ることができた塔も、現在は立ち入り禁止とのこと
③冬季は積雪のために道が閉鎖されるので、塔へは5月から10月までの間しか行けないとの
こと
④近年、塔が鉄骨で補強されたため、見た目が非常に損なわれてしまったとのこと

①、②、③はやむをえないとしても、④だけでもどうにかできないものでしょうか。
補強前の塔の写真を見るたびに、強くそう思ってしまいます。

※まだ訪問できていないため写真はありません。


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