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山田風太郎先生の「警視庁草紙」①

2011年03月24日 | 侍たちの警視庁

私が明治初年の警視庁に夢中になった原因は三点あります。
先祖が明治初年の警視庁に勤務していたことと、私が仕事の関係で警視庁に通っていたことと、山田風太郎先生の小説「警視庁草紙」がとても面白かったことの三点です。
拙著『侍たちの警視庁』は類書のないマニアな内容ですが、ありがたいことに興味を示してくださる方も少なからずいらっしゃいました。
その方々はだいたい下記の三点のいずれかに当てはまりました。
警察関係者か、幕末・明治好きか、山田風太郎先生の小説「警視庁草紙」のファンかのいずれかです。
「警視庁草紙」は小説ですが、私にとっても、拙著を読んでくださった方々にとっても、大きな存在です。

山田先生の「警視庁草紙」は『オール読物』に昭和四十八年七月号から一年半にわたって連載された小説で、明治初年を舞台に生まれたての警視庁と元南町奉行所の面々の知恵比べを描いた作品です。
この作品が絶大な支持を得ている理由は、川路利良、駒井信興、菊池剛蔵、藤田五郎、今井信郎、浅井寿篤、西郷隆盛、三遊亭円朝、樋口一葉、夏目漱石、下岡蓮杖、東条英教、唐人お吉、種田政明、榊原鍵吉、上田馬之助、島田一郎、長連豪、天田五郎、平間重助、沼崎吉五郎、清水定吉、細谷十太夫、永倉新八、河竹黙阿弥、幸田露伴、井上馨、山田吉亮、石出帯刀、小山内健、森鴎外、佐川官兵衛、永岡敬次郎、黒田清隆、高橋お伝、熊坂長庵、からくり儀右衛門、山岡鉄舟、和宮、山県有朋、山城屋和助、野村靖、柴五郎、清水の次郎長といった実在した人物が織りなす虚実ないまぜのストーリーにあると思います。
一見無茶苦茶に見えますが、実は十分に史実を踏まえた上で書かれていて、山田先生の明治史・警視庁史に対する造詣の深さがうかがえます。
普段あまり小説は読まない私も、アイデアのユニークさに「そう来ますか!上手いな~(笑)!」と感心しながら読みふけり、最後は「この人凄い・・・(涙)。」と感動せずにはいられませんでした。

つづく


※写真は上川霊園にある山田風太郎先生の墓

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