幕末掃苔屋 公式ブログ

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明治十九年創業の牛鍋店

2011年08月01日 | その他

川路大警視と牛鍋の関係を知って以来、牛鍋を食べたいと思っていました。

夕方、浅草の街をブラブラと散策したあと、ひさご通りにある老舗牛鍋店「米久」に意を決して入ってみました。
米久は明治十九年創業だそうで、近江国で米屋を営んでいた久次という人が近江牛三頭を連れて上京し、浅草の盛り場と吉原遊郭の中間に牛鍋屋を開店したのが始まりだそうです。
店に入ると、玄関にある大きな太鼓が叩かれます。
中庭に面した席に案内されました。庭には池があり、鯉が泳いでいます。
適度にお客さんが入り、賑やかですが落ち着いた雰囲気もあります。
部屋には屋号を書いた古びた書、亀の剥製、ひょうたんなどが飾られていて、老舗らしい風情がありました。
牛鍋(上)と御飯とみそ汁を注文しました。
牛鍋は10年ぶりくらいだったのでちょっと緊張しましたが、最初は店の人が準備してくれました。
深さ2cmほどの浅い鉄鍋に牛脂を塗り、ネギ、春菊、豆腐、白滝、牛肉を乗せ、割り下を加え、煮上がるのを待ちます。
すぐに煮上がったので、さっそく溶き卵にからめて食べました。
とろけるようです・・・。
そのうまさに「うんまー!」と叫びそうになります。
肉も野菜も火の通りが早いので、30分ほどで平らげてしまい、お茶を一杯飲んで店を出ました。

米久については高村光太郎が「米久晩餐」という詩を残しています。
小沢昭一さんも『ぼくの浅草案内』という本で米久を紹介しています。
楽しい時間を過ごせました。ごちそうさまでした。
また訪れたいと思います。