「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

  インドネシア国籍特老ホーム施設長(女医)からの手紙

2011-02-10 07:17:30 | Weblog
阿武隈山系(福島)滝根町の特別老人ホームで施設長をしているインドネシア国籍の女医田中リナさんから"無農薬、天日干し、健康によい「ひとめぼれ」にひとめ惚れしました、と滝根で獲れたお米を贈って頂いた。

田中先生の義父(故人)は戦争中海軍民政部の軍属で、実母はインドネシア人、終戦後まだ幼児だった先生は、この両親に連れられて来日した(小ブログ2010年4月14日)先生は東京で教育を受けて日本の医大を卒業、医学博士号を取得した。専門は産婦人科で、縁があって7年前から滝根の特老ホーム「聖オリオンの郷」で施設長として約100人のお年寄りたちの面倒を見ておられる。

先生からの「ひとめぼれ」の贈り物には次のような手紙が添えられてあった。「東京より福島県へ移動し、あと2か月で7年目に入ります。マイナス8℃の世界を経験しました。二重に重なる山々は雄大な景観、太陽がしずむのを見るのは海とはまったく違った感動があります。四季ははっきりと訪れて来ます。真っ白な銀の世界、淺緑、深緑、ペルシャじゅうたんの様な山々の変化は待ったなしにやってきます。雪や氷が解けたら、すぐ植物が芽生え、小鳥たちがさえずり、多種類の草花が疲れを消しさります。動植物の生命の強さに圧倒されます」

「いくつかの慢性疾患の御老人方100人を医師一人で診る、介護老人保健施設に勤務して月日がたつ早さにびっくりしております。老人の看護や介護については、地元の利用者を地元の人が診る事は非常に大切だと思います。愛情深く末長く仕事に従事します」

昨年4月、僕はこの特老ホームを訪れる機会があったが、すばらしい自然環境の中で、田中先生をはじめ暖かい施設の方の心に触れ、お年寄りも幸せだなと実感した。