「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”こんちわ相撲”(八百長)の伝統

2011-02-03 07:10:52 | Weblog
野球賭博の捜査の"副産物”から大相撲力士の八百長疑惑が表面化してきた。警視庁が押収したケータイ電話に八百長の具体的な手口を示すメールが残されていて、一部力士はその八百長を認めているという。もともと"八百長”という言葉は、明治の初め八百屋の長兵衛がお得意の親方との囲碁で手加減した意だといわれているが、長年、相撲界の隠語には”こんちわ相撲”というのがあった。

戦前、大相撲が一月と五月と年二場所だった頃だ。まだケータイのメールはおろか電話もなかった。その時代にも八百長相撲はあったらしく、力士は星勘定で八百長をする時、相手方の相撲部屋を訪れ”こんちわ"と挨拶したことから、八百長相撲を"こんちわ相撲”と呼んでいた。僕は、このことを双葉山時代、相撲記者をしていた亡父から聞いたことがある。

小ブログ(2009年5月31日)は「八百長相撲か無気力相撲か」で友綱親方が注意した五月場所千秋楽の千代大海と把瑠都との取組に言及した。千代大海は、この相撲に負ければ大関陥落、把瑠都の負け方は、誰が見ても無気力だった。相撲協会は過去にも何番か無気力相撲を指摘し注意しているが正直いって証拠がなければ、無気力なのか八百長なのか本人たち以外には判らなかった。

プロレスなど格闘競技には八百長はつきもので、かえってそれが面白い場合もある。大相撲も生活がかかっているから昔から八百長相撲はあったに違いない。僕はずっとそれを折込ずみで見てきたが、考えれば、相撲協会は文科省監督下の公益法人で、日本の国技ともいわれている。やはり、”こんちわ相撲”はまずい。現在、今回の八百長事件について調査が進んでいるが、協会が自ら進んで公益法人を返上するのが解決への第一歩であろう。