「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        鳩山一家のおかしな北方領土観

2011-02-07 07:23:23 | Weblog
鳩山由起夫前総理が北方領土問題について”四島返還のアプローチでは未来永劫、交渉は平行線だ”と根室で講演した、とテレビが伝えていた。今日7日は「北方領土の日」。10日からは前原外相が、膠着状態の日露関係の打開をめざして訪露するが、こんな時期に何故こんな"利敵"的な発言をするのか、僕には理解できない。

鳩山由起夫氏は2009年、総理に就任した際、自分の在任中に北方領土問題を解決すると大見得を切っていたが、あえなく辞任した。その後も事あるごとに四島返還を否定する発言をしている。どうも彼がこんな発言するのは、昭和31年(1956年)11月、彼の祖父、一郎氏がソ連(当時)との間に「日ソ共同宣言」に調印した因縁によるもののようだ。

昭和31年11月は「ハンガリー動乱」「スエズ戦争」など歴史的な出来事が多発した。個人的には僕はこの月、新聞社の社会部から外信部に移ったので、とくにこの時の記憶が鮮明なのだが「日ソ共同宣言」の条文をみて、なぜ平和条約調印後の返還が歯舞、色丹の二島だけなのか疑問に思ったのを覚えている。

歴史的にみれば、北方領土は歯舞、色丹だけでなく、国後、択捉を含めた四島が固有の領土であるのは明らかだ。敗戦のドサクサにまぎれてソ連が不法に占拠しているのが現状だ。「不法占拠」という前原外相の発言は正しい。前原外相の訪露を前に、セルジュコフ国防相などが強圧的な発言をしている。外交とはそんなものだ。最初から鳩山前総理のような"負け犬”的な発言は"敵”を利するだけだ。"普天間”問題で外交オンチをさらけだした人物だ。黙っていたほうがよい。