「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       北朝鮮の砲撃事件と新嘗祭(にいなめさい)

2010-11-26 07:32:50 | Weblog
北朝鮮の砲撃事件に対する政府の対応について昨日、衆参両院の予算委員会で、それぞれ集中審議が行われた。その模様をテレビの生放送で僕もみたが、たしかに野党のいうように政府の対応には遅れがあり、危機管理にも問題があったのは否めないという印象を持った。菅総理の答弁は白々しく言い訳のように映った。

午前の衆院では自民党の小野寺五典議員が事件の発生から政府の対応を時系列にパネルを使って追及、政府が緊急連絡室を設けてから菅総理が官邸入りするまで官邸には政府高官は誰もおらず"空白の70分”だったと問題視し、その間、菅総理は民主党の国会対策関係者と国会対策について話し合っていたではないかと迫った。

砲撃事件のあったのは23日の午後2時40分だったが、国民の大半は1時間後の3時半ごろには、テレビの速報で発生を知り、大変なことになったと不安を感じた。僕もその一人だったが、菅総理が記者団に囲まれて事件の一報を説明したのは午後5時40分ごろであった。しかも、その説明は”目下、情報を収集中”であった。僕もこの記者会見をみたが、山本一太参院議員もいうように総理の態度はオドオドしていて目もしょぼしょぼさせていて、こんな男が国の指導者で果たして大丈夫かなあという印象を国民に与えた。

国民が菅内閣の頼りなさを、さらに感じたのは、緊急閣僚会議が開かれたのが、なんと事件発生から7時間も経ってからだったことだ。菅総理の説明によると、宮中の大事な行事の新嘗祭に参加していたからだという。新嘗祭は昔から宮中に伝わる五穀豊穣を祝う祭祀だが、今の日本は祭祀国家ではない。国家の一大事のさいは総理や閣僚が参加しなくても一向に構わない。岡崎トミ子・国家公安委員長に至っては所管の警察庁にも登庁せず新嘗祭には参加している。もう何をかいわんやである。