「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

  台湾旅行記(1) 無作法な大陸からの観光客

2010-11-08 07:54:56 | Weblog
台湾への老妻との3泊4日の”金婚旅行"から昨夜遅く帰宅した。帰ったばかりの新鮮な強烈な印象は、台北の観光地という観光地は、さながら中国からの団体観光客によって占領されたかのような、その数の多さであった。僕らが泊まった、かっては日本人の定宿だったホテルでさえ、フロント横の掲示板は「熱烈歓迎」の字で埋っていた。

僕ら夫婦の今回の観光の目玉は、故宮博物館をじっくり時間をかけて見ることであった。早速2日目の朝早く出かけたが、館の前は観光バスできた大陸からの団体客で一杯。かっての日本のノーキョー(農協)の団体旅行みたいに旗をもったガイドに先導されてガヤガヤドヤドヤ。この風景は展示室まで続いている。僕らは展示物を見るどころではない。マナーも悪く、撮影禁止なのに監視の目を盗んでレンズに収めている。

台北の故宮博物館の財宝は、昔、蒋介石の国民党が大陸から台湾に逃亡してきたさい、軍艦などで運んできたものだ。専門家の話では北京の故宮博物館のものより貴重なコレクションだという。とくに古代中国の美術品はここでしか見られない。が、旗に先導された大陸からの団体さんは、他人のことなど考えず、大声で談笑しながら通り過ぎて行く。どうも彼らは僕らと違って他人に迷惑をかけてはいけないという社会的な訓練を受けていないようだ。

在台北の友人の話によると、大陸からの団体観光客が本格化し始めたのは今年になってからで、主に広東省、福建省からの人が多いが、同じ中国語を話す現地台湾の人との交流はほとんどないという。僕ら短期の旅行者の目からみてもそれは解る。友人の話では、ほとんどの台湾人は”熱烈歓迎”とはうらはらに、冷めた目で彼らを見ているとのことだ。

(写真は港町淡水観光の白い帽子をかぶった中国からの観光客)