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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        焼肉 キムチ ナムル チヂミ

2010-04-13 07:57:56 | Weblog
孫の大学入学お祝いの会を遠縁のやっている焼肉店で催した。少し高級感のある
お店で、本格的な炭火焼、雰囲気もあって味もよかった。でも料理はあくまで焼肉
が主体、若者にはよいが、老夫婦にはちょっと!もっぱら前菜のキムチやナムルそ
れにお好み焼き風のチヂミに箸を運んだ。

こういった朝鮮(韓国)料理が日本人の間でよく食べられるようになったのは、僕の記
憶では1960年代の後半ではなかっただろうか。1955年頃、僕はかけだし記者として
上野、浅草方面の警察周りをしていた。そのころよく御徒町のバラック建ての小さな
朝鮮料理店に濁酒を飲みに出かけたが、サービスとして出てくるキムチやナムルの量
の多いことと焼肉の美味しかったことを覚えている。当時は朝鮮料理は特定の場所し
か食べられなかった。まさか今のように焼肉店がブームになるとは想像もしなかった。

戦前、植民地時代だった朝鮮から別の遠縁から毎年、お歳暮の頃、ミンタイの箱詰め
が贈られてきた。子どもの舌には辛かったが、こんな美味いものはないと思った。戦前
僕が食べた朝鮮の食品はこれだけであった。近所に朝鮮の人も沢山住んでいたが、何
を食べていたのか関心もなかった。

今やチヂミは日本のお祭りの露天でも売られている。キムチやナムルはスーパーでも扱
っている。とくにキムチにいたっては日本の伝統的な漬物、たくあんよりも売られる量が
多いという”国民食”だ。35年間の植民地時代には知られず、食べられなかったのに、食
文化とは不思議なものである。