「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

   キャベツ398円 レタス298円 バナナ300円

2010-04-28 06:47:56 | Weblog
昨日もまた東京はどんよりとした曇り空で、午後からは雨になった。その"晴れ間"
をぬって久しぶりに自由が丘の無人スタンドへ野菜を買いに出かけたら三軒とも何
も並んでなかった。例年だと、この時期には玉ネギや大根、ニラなどが一杯台の上
に置いてあるのだがー。

やはり異常気象による野菜不足の影響なのだろうか。帰途、近くの高級スーパーを
のぞいたら店内には野菜は沢山売られているが高い。キャベツ398円、レタス298
円、なぜか天気に関係のない輸入もののバナナまで300円で売られていた。何も買
わないのも悪いのでニラ一束を100円で買った。

戦中戦後の食糧難の時代は、野菜さえ手にいれるのが難しかった。昭和20年の亡父
の日記をみると、亡くなった母親が三日にあげず電車に乗って慶応大学キャンパス近
くの農家に野菜の買い出しにでかけている。あの時代流行だった帯しんで作ったリュッ
クを背負って買い出しに行く母の姿が今でも目に浮かぶ。

戦争で若い男性がみな戦争に狩り出され農作物を作る手が不足していた。流通ルート
も混乱していて消費地に送りたくとも送れないこともあった。わが家の狭い庭には防空
壕が掘られ、僅かな家庭菜園には、おなかの足しになるカボチャが植えられていた。戦
争末期にはアザミなどの野草も食べた。

今は高い、高いといってもおカネさえだせば、なんでも買える。いつもの事ながら幸せな
良い時代だとつくづく思う。