「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      意味のないアフガンの危険な取材

2010-04-04 06:47:19 | Weblog
日本人のフリー・ジャナリスト(40)がアフガニスタン北部のタリバンの支配区で
取材中行方不明になっている。平野官房長官もこれを確認しており、タリバンに
よって誘拐された可能性も強い。アフガンでは昨年、日本人ボランテイアの青年
がやはりタリバンの手先に誘拐され命を落としている。日本人だけではなく世界
各国の、とくに報道関係者の誘拐事件が多発している。人道上の問題であり、一
日も早い解決を望んでいるが、なぜこんな危険な地域に警告を無視して出かける
のだろうか。

アフガン情勢は泥沼化しており、解決に苦慮しているオバマ大統領も秘密裏に先
日首都カブールを訪れているが、いっこうに解決の兆もみえない。わが国も総額
4500億円という巨額の援助をして、米国から高く評価されている。この国の警察
官の給料のほとんどが日本の援助だそうだが、治安は悪くなる一方で、確認された
だけで年に400件もの誘拐事件が起きている。

外務省のHPによれば、アフガンは治安が悪く、邦人に対して危険情報が出ており
渡航の延期の勧告が出ている。そしてアフガン滞在中の邦人には退避するよう求め
られている。日本のマス・メデイアは常駐特派員を置いていない。こんな状況の下で
の取材は命がけである。それまでして取材する価値があるのだろうか。ネット情報に
よれば、このジャナリストは過去にもチェチェン紛争に巻き込まれ、ロシア政府から国
外退去を命じられている。

ジャナリストのはしくれとして、僕も若い時は夜間外出禁止令を無視して取材したことが
ある。取材したい気持ちはわかるが、やはり一種の蛮勇であり慎むべきである。