「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ニートを社会の”振り出し”点に。

2006-12-09 07:43:22 | Weblog
同期入社の会がきのう麹町のホテルであった。僕らが入社した昭和28年は
新旧大學が同時卒業した年で大変な就職難であった。未来へバラ色の夢を
描き会社の門をくぐった青年も風雪53年を経て白髪禿頭の老人となり杖の世
話になる者も出てきた。

昔の正月の遊びに「出世双六」があった。遊びの参加者は”振り出し”からサイ
コロを振り、出た目の数だけ前へ進み”上がり”(つまり殿様とか社長といった
最高位)まで誰が一番先に到達するかを競うゲームだが、途中”休み”や”逆
戻り”があったりで、出た目の大きさだけでは早く”上がり”にゴールインできな
い。まさに人生そのもので、そこに面白味があった。

安倍内閣は人生再チャレンジを重要政策の一つに掲げている。国民の一人ひ
とりがその能力や持味を発揮でき努力が報われる公正な社会の確立、そのた
めリストラその他で失意、挫折した者に再チャンスを与え、この推進に参画する
企業に奨励金を与えようというもののようである。

この制度にニートやフリーターも加えよ、という意見もある。しかし、この若者
たちは双六でいえば”振り出し”点にさえ立たない連中である。チャレンジでは
ない。数十万人もいるというこの若者たちをどうするのかー。このところ政索が
画餅になりがちな安倍内閣だが、美しい日本をつくるため、この連中も社会に
参画させる政策も考えてほしい。