「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

納めの不動 歳末雑感

2006-12-29 07:11:33 | Weblog
東京の街から年々歳々昔の歳末風景が消えてゆく。戦前子供のころは
もっと寒かった。からっ風の中を大人が何かに追われるように、走るように
歩いていた光景が目に浮かぶ。商店街では歳末大売り出し,鐘がガラガ
ラと振られ"大当たり、一等賞,桐の箪笥”といったがなり声が今も耳に残
る。駅前の銀行の前には特大の松飾があった。

迎春のこの時期、東京では昔からの言い伝えがあった。”九”は”苦”に
通ずるから、この日には餅をついてはいけない。大晦日のしめ飾りは一夜
飾りで縁起が悪いーといった類。ジンクスだとは判っていても、やはり何
か起これば嫌なものだ。昔はこれを守る家が多かったが今はどうなのだ
ろうかー。

きのう28日は納めの不動の縁日だった。近所の目黒不動へ夫婦で参詣
した。天候にも恵まれ、同世代とおぼしき人たちで人たちで賑っていた。
確かに高齢者社会である。僕も昔は一気に登れた”男坂”の急な階段を
やっとのおもいで登り、ボケないようにお線香の煙を頭に呼び寄せえた。
本堂の裏手には大日如来のお像がある。僕ら夫婦の干支は未と申、大日
如来が守り尊である。今年一年、健康で無事であったことに感謝し手を合
せた。

世の移り変わりは世の慣いである。街の歳末風景が変わるのも当たり前だ。
しかし、ご先祖から伝えられてきた”日本の心”だけは次の世代にも受け継
いでゆきたいものだ。この世界には”改革”はいらない。