「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

スマトラ沖津波の復興はなぜ進まないのか

2006-12-27 08:05:27 | Weblog
スマトラ沖地震・津波から26日で2年経った。インドネシアのアチェだけ
で12万人の生命が失われた。この大災害のあと、僕は隣接する北スマ
トラのメダンに1週間滞在した。自衛隊の医療チームが現地に到着した
ころである。僕はジャカルタの英字紙が、自衛隊について"初めて人間
の顔をした軍隊”という見出しで報じているの見てがっくりきた。怒りさえ
感じた。

昭和17年日本軍がアチェに上陸した時は、藤原機関(F機関)と現地人
との提携で無血上陸している。戦時中アチェには近衛第二師団と海軍第
九根拠地隊が駐屯していたが、ほとんど住民との間にトラブルはなかった。
むしろ住民との関係は友好的だった。だからこそ、大災害の直後、陸海の
戦友会はいち早く義援金を募り、東京のインドネシア大使館に持参した。

残念ながらインドネシアの歴史教科書は、日本の軍政を”ファッショ”という
言葉でくくり、当時の日本軍を"野蛮””残酷”とプロトタイプで描いている。
そのために事実に反する"惨殺物語”まで横行する。上記英字紙もその影
響である。

現地からの報道では、復興事業は遅々として進んでいないそうだ。まだ6
万人が暫定被災住宅に住んでおり、基幹道路も半分も完成していないとい
う。災害後世界から届けられた善意の救援金は、効率よく使われていない
ようだ。例によって汚職の噂もある。日本政府も援助金を渡すだけでなく現
地の間違った報道には抗議すべきである。日本的にいえば感謝の気持ちが
なければ、友情は長続きしない。