安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ズート・シムズ JAZZ MISSION TO MOSCOW

2013-07-14 11:00:07 | テナー・サックス

安曇野市の家(実家)の畑から、トマト、ピーマン、キューリをもいできました。色、形ともに売り物にできるものではありませんが、家庭用に食べるのにはこれで充分です。この時期は、次から次になるので、とても食べ切れません。自然の恵みに感謝して、塩をふっていただきました。馬鈴薯もそろそろ掘り出していいころあいなので、次に帰った際に作業をする予定です。ミュージシャンの数が多いコンボによる作品。

ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
JAZZ MISSION TO MOSCOW (COLPIX 1962年録音)

  Jazzmissiontomoscowzoot

リーダーを誰とも決められないアルバムですが、ズート・シムズ名義にしました。1962年にソ連公演を行ったベニー・グッドマン楽団のメンバーを中心にしたコンボで、帰国後録音されたアルバムです。曲も、グッドマン楽団のものを演奏していますが、アレンジをアル・コーンが新しく手がけていて、彼の作品ともいえるものです。

メンバーは、フィル・ウッズ(cl,as)、ジェリー・ドジオン(fl,as)、ズート・シムズ(ts)、ジーン・アレン(bs)、ジミー・マックスウェル(tp)、マーキー・マルコヴィッチ(tp)、ウィリー・デニス(tb)、エディ・コスタ(p)、ビル・クロウ(b)、メル・ルイス(ds)の10人。ビッグバンドまでは行きませんが、大型コンボとしてアンサンブルも充分楽しめる編成です。ズート名義としましたが、フィル・ウッズもかなり活躍しています。

曲は、メル・パウエル作「Mission To Moscow」、「The Sochi Boatman」(ヴォルガの舟歌)、「Midnight in Moscow」(モスクワ郊外の夕べ)、「Let's Dance」、「Russian Lullaby」(ロシアン・ララバイ)、「Red, White and Blue Eyes」(黒い瞳)。メル・パウエルは、グッドマン楽団のピアノ奏者です。ロシア民謡やグッドマンナンバーが選曲されていて、懐かしいメロディを聴くことができます。

収録曲のメロディの魅力も大きいのですが、流れるように高速で奏でられるアンサンブルやその中をぬって出てくるソロなど、大型コンボジャズの楽しさを具現化したアルバムです。中でも、「Mission To Moscow」におけるエディ・コスタ(p)の低音部を使った迫力十分のソロ、「The Sochi Boatman」(ヴォルガの舟歌)におけるズート・シムズ(ts)のソロ、「Midnight in Moscow」におけるフィル・ウッズのモダンなクラリネット演奏など聴きどころがたくさんあります。

【自家製野菜】

テーブルの上で、蛍光灯の直下なので色合いはよくわからないかもしれません。

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イーデン・アトウッド MY IDEAL

2013-07-10 20:59:53 | ヴォーカル(E~K)

愛知県豊田市に行った帰りに、根羽村の「釜ケ入の甌穴」に寄ってみました。甌穴(ポットホール)は、激流が長い年月をかけて作り上げた鍋状の穴のことです。釜ケ入のものは、愛知県に流れている矢作川の支流の檜原川にあるもので、、村天然記念物に指定されています。主要地方道設楽根羽線に沿っているので、道路から見学できます。水が澄んでいて、矢作川源流の村に相応しい光景を楽しむことができました。清々しい歌を聴きます。

EDEN ATWOOD (イーデン・アトウッド)
MY IDEAL (Sangaji 2000年録音)

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人気ヴォーカリストのイーデン・アトウッドのアルバムについては、コンコード盤などかなりのプレミアムが付いていて、入手し難い期間が続いていました。しかし、しばらく前からそれらが再発されるとともに、日本のSSJレーベルが新録音を行うなど、音源が入手しやすくなって、新たなファンも増えているのではないでしょうか。今夜は、シンガポールで録音された一枚です。

伴奏は、シンガポールのピアノ・トリオで、Jeremy monteiro(p)、Clark Sommers(b)、Chris Varga(ds)です。ピアノのJeremy Monteiro(ジュレミー・モンテイロと表記します)ですが、美しい音で出過ぎずに歌を引き立てるいい伴奏をしています。ところどころでモンテイロのソロも入りますが、テンポの速い遅いにかかわらず、曲の雰囲気を壊さない好ましいものです。

曲は有名なスタンダードが主で、「Skylark」、「This is New」、「Hey There」、「Smile」、「My Ideal」、「Witchcraft」、「Say It Isn't So」、「A Song For You」、「Nothing Ever Cangers My Love For You」の9曲。それぞれ5~6分ほどの比較的長めの演奏時間です。レオン・ラッセル作の「A Song For You」も今ではスタンダードといっていいと思いますが、アトウッドの歌で聴けるのは嬉しい。

最近の録音では、ブルージーさを出しているイーデン・アトウッドですが、ここではそれは薄くて、癖のない声で、素直に旋律をじっくりと歌っています。バラードの良さは定評があるようですが、スイングしたものもよく、寛いでバウンドして楽しい「Hey There」、一転して思いきったスロー・テンポの「Smile」、そしてタイトル曲の「My Ideal」と続くところをことに気に入っています。「A Song For You」は、バラード扱いで、ドラマティカルな歌唱。癒し系という言葉も浮かんでくるアルバムです。

【釜ヶ入の甌穴】

 釜ヶ入の甌穴のある根羽村のご紹介 長野県下伊那郡根羽村ホームページ

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               甌穴(ポットホール)の拡大写真 

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                檜原川下流方面光景     


ボブ・ロックウェル IT'S ALL RIGHT WITH ME

2013-07-07 10:06:28 | テナー・サックス

信州黄金シャモのお肉を使ったレトルトカレーを阿智村在住の知人からいただきました。信州黄金シャモは、シャモと名古屋種を掛け合わせた地鶏だそうで、長野県内だけで生産されているそうです。その方は、毎年3500羽を生産し、そのまま出荷するほか、カレーや赤ワイン煮など加工品を販売しています。塩だけで食べる焼鳥が最も美味しいとのことですが、このカレーもお肉がたくさん入っていて、かなり満足しました。「IT'S ALL RIGHT WITH ME」というタイトルのCD。

BOB ROCKWELL (ボブ・ロックウェル)
IT'S ALL RIGHT WITH ME (Marshmallow 1990年録音)

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ボブ・ロックウェル(ts)については、昨年の横浜における公演を聴いて、そのしっかりとした吹奏に感銘を受けました。このアルバムは、ピアノにデューク・ジョーダンが座っているところから、興味が湧いて入手したものですが、曲目にもポピュラリティがあって、親しみやすい作品です。

メンバーは、ボブ・ロックウェル(ts)、デューク・ジョーダン(p)、イェスパー・ルンゴー(b)、オーア・タンゴー(ds)で、ロックウェルとジョーダンは、米国からの移住です。録音は、日本のマシュマロレーベルによりデンマークのコペンハーゲンで行われています。

曲は、スタンダードナンバーが、「It's All Right With Me」、「Get Out of Town」、「A Weaver of Dreams」、「Prisoner of Love」、「These Foolish Things」で、それに、ソニー・ロリンズの「Bluesnote」、ソニー・スティットの「Sonny Side」の全7曲。コール・ポーターの作品を2曲取り上げるとともに、ロリンズ、スティットというサックス奏者の作品を取り上げています。

ロックウェルは、コルトレーン派のテナー・サックス奏者と言われますが、しっかりとテーマを演奏するところや、悠然としたテンポにデクスター・ゴードンを想いおこすところがあります。「It's All Right With Me」は、通常はアップテンポで扱われますが、ここではミディアム・テンポでやっていて味わい深い曲になっています。バラードの「A Weaver of Dreams」や「These Foolish Things」などもゆったりと歌っています。ジョーダン(p)のしみじみとしたアドリブやルンゴー(b)の力強いプレイも光ります。

【信州黄金シャモカレー】

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  問合せ先: 地どり屋 コッコ TEL 0265-25-4164


ウイントン・ケリー KELLY BLUE

2013-07-03 19:57:56 | ピアノ

最近、東直己のススキノ探偵シリーズ(ハヤカワ文庫)を読んでいます。いわゆるハードボイルドで、ジャズが流れている場面も登場します。第8作目の「ライト・グッドバイ」にも、DJが『さて、それじゃピアノ小特集、ってことで、ジャズの古典を四曲、聞いてくれ、レイ・ブライアントで“ナウズ・ザ・タイム”、ニーナ・シモンで“セントラル・パーク・ブルース”、レッド・ガーランドで“Cジャム・ブルース”、そして最後に、ウイントン・ケリーで“朝日のようにさわやかに”。』という場面がありました。今夜はケリーで。

WYNTON KELLY (ウイントン・ケリー)
KELLY BLUE (RIVERSIDE 1959年録音)

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著者の東直己(あずまなおみ)さんは、1956年生まれという年齢からすると、学生時代にはジャズ喫茶に通っていたのではないかと想像しています。ブライアントなど3人のピアニストはともかく、ニーナ・シモンが出てきたのには驚きました。札幌が主な舞台となる、ススキノ探偵シリーズは、1992年の「探偵はバーにいる」から書き継がれていますが、ストーリーばかりでなく細部へのこだわりもあって、そういうところが面白いです。

「朝日のようにさわやかに」を含む「Kelly Blue」は、知らない人がいないほどのアルバムですが、メンバーと曲目を記しておきます。ケリー(p)、ナット・アダレイ(cor)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ジャズパー(fl)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)。このセクステットで3曲、管楽器の3人が抜けたトリオで5曲が演奏されています。曲数は、CDのボーナス・トラック2曲が入ったものです。

曲は、セクステットの演奏で、「Kelly Blue」、「Keep It Moving」、「Keep It Moving(take3、CD追加)」、トリオの演奏で、「Softly, As In A Morning Sunrise」(朝日のようにさわやかに)、「On Green Dolphin Street」、「Willow Weep For Me」(柳よ泣いておくれ)、「Old Clothes」、「Do Nothin' Till You Hear From Me」(CD追加)。「Kelly Blue」、「Keep It Moving」、「Old Clothes」は、ケリーの自作ですが、後はよく知られた曲です。

このトリオは、当時のマイルス・デイビス・グループのリズム・セクションで、キャリアの最高の時期に当たっていたのでしょう、素晴らしい演奏を繰り広げています。「朝日のようにさわやかに」は、ケリー(p)の美しいシングルトーン、適度なブルージーさ、音に強弱をつけてメリハリがあることに加え、チェンバース(b)の豊かな音など、聴きごたえがあります。ボーナス曲「Do Nothin' Till You Hear From Me」は、ピアノとベースのやりとりがよく、本当のボーナスとなりました。余談ですが、アート・ペッパー(as)のリーダー作「Gettin' Together」中の「朝日のようにさわやかに」では、ペッパー、そしてケリーが乗りのいいプレイをしています。

【ススキノ探偵シリーズ】

第8作目の「ライト・グッドバイ」です

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第5作目の「探偵はひとりぼっち」が、「探偵はBARにいるススキノ大交差点」として映画化されたので、見てきました。飯田市にある映画館「千劇」に貼ってあったポスターです。映画は原作とはかなり離れたストーリーになっていました。

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