安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

中山七里著「もういちどベートーヴェン」(宝島社文庫)を読みました。

2020-05-21 20:01:17 | 読書

「さよならドビュッシー」で2010年第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、その後活躍している中山七里(なかやましちり)さんの音楽ミステリー「もういちどベートーヴェン」の文庫新刊が出たので購入しました。

   

表紙

(粗筋 文庫の裏表紙から)

   

(感 想)

エンタ-テイメント小説としてよくできた作品で面白く読みました。人物設定は、突拍子もないところもあるのですが、司法研修所や検察庁における研修の様子や岬洋介が出場したコンクールにおける彼の演奏(楽曲説明も含め)はなかなかよく描けていて感心しました。

ミステリーとしての謎解きは少し弱く、起きた殺人事件は、警察の手によってすぐ解決できそうなものだと思われますが、こういった点を差し引いても、岬洋介と天生高春とのやりとりや友情、司法研修の場面、ピアノの練習風景、コンテストなどと次の展開を追いたくなるストーリーです。

文中のコンクールで岬洋介が弾く、ベートーヴェンのピアノソナタ第32番や第21番〈ワルトシュタイン〉を聴きたくなりました。この音楽シリーズでは、「どこかでベートーヴェン」や「いつまでもショパン」を読んだことがないので、購入するつもりです。

(裏表紙下部に中山七里の音楽ミステリーシリーズ既刊が掲載されています。)

さよならドビュッシー
おやすみラフマニノフ
さよならドビュッシー 前奏曲
いつまでもショパン
どこかでベートーヴェン
の5冊です。

   



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。