安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

マイク・モラスキー著「ピアノトリオ」(岩波新書)を読んで、ビル・エヴァンスやジェームズ・ウィリアムスの演奏を聴きました。

2024-04-05 19:30:00 | 読書

今年(2024年)3月19日に刊行された、マイク・モラスキー著「ピアノトリオ」(岩波書店)を読みました。ジャズファンへの贈り物ともいうべき、ワクワクする内容です。

   

表紙

帯にある惹句の『きっと新しい音が聴こえるようになる!』とは、とてもうまい言い回しで、本書の内容を言い得ています。

(帯裏にある本書の紹介)

   

(著者略歴)

(感 想)

マイク・モラスキーさんが、新しく書いた「ピアノトリオ」(岩波新書)は、ピアノトリオの歴史や奏法、魅力を実際の演奏箇所を示して分析、わかりやすく記述していて、自身もジャズピアノを弾く著者ならではの画期的なものです。

なんとなく感じていた点が明瞭に記されていて新鮮でした。例えば、第1章の演奏法で、「ブロックコード」と「ロックハンド奏法」が区別がされている点や、第3章名盤を聴きなおすでは、「グルーヴィー」と「ブルージー」の違いがはっきりと書かれています。

取り上げられている演奏を、CDやyoutubeなどで、実際に聴きながら読むと、理解が進むと同時に、楽しくなります。第5章1970年代以降のピアノトリオでは、聴いたことのないアルバムが紹介されていて、それらも聴いてみたくなり、初心に還った気分になりました。

【聴きながら読んだアルバム(CD)の例】

著者は、この名盤から「My Romance」を選んで、『トリオのブロークンタイムーとくにラファロの貢献ーを詳しくみていきたい』と記しています。

(参考)ワルツ・フォー・デビーから「My Romance」が聴けます。

Bill Evans Trio - My Romance (Official Visualizer) - YouTube

著者は、『本演奏の「ボヘミア・アフター・ダーク」にはイントロがなく、演奏開始から火花が散るように燃えている。』と記しています。エルヴィン・ジョーンズ(ds)のドラムも聴きものです。

(参考)マジカル・トリオ2から「Bohemia after dark」が聴けます。

James Williams,Ray Brown,Elvin Jones Bohemia after dark (youtube.com)

 

(本書の目次)