先日、信州国際音楽村で片岡雄三カルテットのライブを楽しみましたが、国際音楽村はロケーションがよくて浅間山など眺望も楽しめました。大きなホールではありませんが、音響が良いことでも知られていて、クラシックのコンサートも開かれます。当日、ホワイエにはクリスマス・ツリーが飾られ、バーカウンターも設置されて、すっかりくつろいだムードでした。寛いだ演奏が聴けるアルバムを。
CHET BAKER (チェット・ベイカー)
PLAYS THE BEST OF LERNER & LOEWE (RIVERSIDE 1959年録音)
作詞のアラン・ジェイ・ラーナーと作曲のフレデリック・ロウのコンビは、「My Fair Lady」(1956年)をはじめ、「Brigadoon」(47年)、「Camelot」(60年)などヒット・ミュージカルを作っています。特に、「My Fair Lady」は、大ヒットし、その中の曲を演奏したシェリー・マン(ds)のアルバムもヒットしました。これもその線を狙った企画ですが、チェット・ベイカー(tp,vo 1929~88年)の演奏は、繊細で瑞々しく、個性が際立つものになっています。
メンバーは、チェット・ベイカー(tp)、ハービー・マン(fl,ts)、ズート・シムズ(ts,as)、ペッパー・アダムス(bs)、ビル・エヴァンス(p)、ボブ・コーウィン(p)、アール・メイ(b)、クリフォード・ジャーヴィス(ds)。曲により参加者に異動があります。チェット・ベイカーのトランペット中心のセッションですが、音色の多彩さがあり、また、ビル・エヴァンスのピアノが4曲で聴けます。
曲は、「I've Grown Accustomed to Her Face」(彼女の顔に慣れてきた)、「I Could Have Danced All Night」(一晩中踊れたら)、「The Heater on The Hill」、「On The Street Where You Live」(君住む街で)、「Almost Like Being In Love」、「Thanks Heaven For Little Girls」、「I Talk to The Trees」、「Show Me」の8曲。4つのミュージカルから曲が選択されています。
チェット・ベイカー(tp)の美しくもちょっと翳りのあるサウンドによるプレイが心に残る落ち着いたミュージカル曲集。ペッパー・アダムスも柔らかめにバリトン・サックスをプレイし、ビル・エヴァンス(p)の参加もあって、抒情的な雰囲気が感じられます。最初の「I've Grown Accutomed to Her Face」では、チェット・ベイカーが遅めのテンポで、おずおずという感じで吹いているのが印象に残り、一転して、「I Could Have Danced All Night」では、軽快で明るく吹いています。「Almost Like Being In Love」もミュージカルの場面が目に浮かぶような演奏です。
【信州国際音楽村】
住所:長野県上田市生田2937-1
電話: 0268-42-3436
ホームページ:ongakumura.jp
音楽村では、年に一回程度、ジャズ・ライブが開催されています。新春は、2019年1月3日に、ニューイヤーコンサートとして、長原幸太(読売日響コンサートマスター)with ニューイヤーフレンズのコンサートがあります。
信州国際音楽村こだまホール外観
ホールのホワイエ。12月15日当日は、奥にバーカウンターが設けられて、ワインなどを楽しんでいる方もいらっしゃいました。
クリスマス・ツリー
ホール内部は、階段状に座席が設けられています。結構傾斜があります。
小諸方面から浅間山
こちらは東の方向で、菅平方面だと思われます。