安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ポール・デズモンド GLAD TO BE UNHAPPY

2016-12-18 09:40:35 | アルト・サックス

毎年恒例の企画ですが、『2017年絶対見逃せない美術展』を特集した「日経おとなのOFF2017年1月号」を買いました。国内における美術展のスケジュールと美術館の紹介があって、見ているだけで楽しい内容です。実際には、なかなか出かけられませんが、東京駅に近い三菱一号館美術館で開催される「オルセーのナビ派展:美の預言者たち」や「レオナルド×ミケランジェロ展」は観てみたいと考えています。名画に登場しそうな構図のジャケットのアルバム。

PAUL DESMOND (ポール・デズモンド)
GLAD TO BE UNHAPPY (RCA 1963年録音)

   

ポール・デズモンド(as、1922年~1977年)は、「Take Five」の作曲者で、デイブ・ブルーベックと活動したことがよく知られています。一方、自己のリーダー作では、プリティと形容したくなる美しい音色で、洗練された作品を作っています。「First Place Again」や「With MJQ」が代表的かと思いますが、RCAレーベルへの録音も企画性が強いものの、デズモンドの演奏は好調です。

メンバーは、ポール・デズモンド(as)、ジム・ホール(g)、ユージーン・ライト(b)、コニー・ケイ(ds)。メンバーの名前と楽器編成から室内楽的な演奏を想像しますが、まさにそういった趣が強いです。デズモンドとホールをじっくりと楽しむのに最適なフォーマットといえましょうか。

ジャケット裏面に、「torch songs "sung" by sax」と印刷されていて、トーチソング(失恋の歌)を主体としたバラード集です。スタンダードの「Glad to be Unhappy」、「Poor Butterfly」、「A Taste of Honey」(蜜の味)、「Hi-Lili,Hi-Lo」、「Angel Eyes」に、メル・トーメ作「Stranger in Town」、ポール・デズモンド作「Any Other Time」の全7曲。

上品で落ち着いたジャズが楽しめます。デズモンド(as)の音は高音でも刺激的なところがなく、ホール(g)も温かみのある音色で、聴きやすいです。スローからミディアムテンポで、おなじみのメロディを美しいサウンドで聴くことができますが、ソロ部分など緊張感も漂い、ただ聴き流すようなアルバムではありません。「Poor Butterfly」や「Angel Eyes」では、メロディ部分とソロ部分が融合して、情緒的で、しかも、優雅な気分になりました。

【日経おとなのOFF2017年1月号】

  

本誌の表紙です。書店やコンビニで目立ちました。

  

付録の冊子「2017年必見の美術展ハンドブック」

  

名画カレンダーの表紙。これも付録です。