安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ヤン・ラングレン JAN LUNDGREN IN NEW YORK

2013-10-13 09:37:12 | ピアノ

ようやくあたりが秋らしくなってきました。収穫の季節でもあり、果物やキノコなどこの地方の特産品の話題が地元の新聞などを賑わしています。農産物直売所などで新鮮なものを安く買うことができるのが嬉しいところで、僕は梨が好きなので、「20世紀」と「南水」(なんすい)という品種を買ってきて食べています。果物は水菓子とも言いますが、まさにそんな形容の美味しさです。「ニューヨークの秋」が収録されたアルバム。

JAN LUNDGREN (ヤン・ラングレン)
JAN LUNDGREN IN NEW YORK (Marshmallow 2005年録音)

  Janlundgreninnewyorkmarshmallow

「Autumn in New York」(ニューヨークの秋)は、ヴァーノン・デュークの代表的な作品で、歌詞がいいので、本来ならヴォーカルで聴くべき曲だと思います。歌詞の内容は、ニューヨークへ戻ってきてホテルに居を構え、フロアからこの街を見下ろしながら、新たな冒険(恋)と戦いに乗りだそうとしている一人の男性が、ニューヨークへの想いをつづったものです。(例えば、村上春樹作「村上ソングズ」(中央公論社刊)が参考になります。)

「Autumn in New York」は、インスト・ヴァージョンも多いのですが、このラングレンのものは、密やかでそっとした感じが出ていて、記憶に残る演奏です。アルバムのメンバーは、ヤン・ラングレン(p)、ピーター・ワシントン(b)、ケニー・ワシントン(ds)。ピーターとケニーは、当時のビル・チャーラップ・トリオのメンバーです。ケニーのシンバル・ワークをはじめとしてリズムが生き生きとしています。

曲が面白いです。ラングレンの自作が、「Negotiations」と「M.Z.」、スタンダードの「East of The Sun」、「Autumn In New York」(ニューヨークの秋)、「The Gypsy」、「I Can't Get Started」(言い出しかねて)、ベニー・ゴルソン作「Stablemates」、ジョン・コルトレーン作「Straight Street」、レイ・ノーブル作「Cherokee」(チェロキー)、ウェイン・ショーター作「This is For Albert」の全10曲。コルトレーンとショーターの曲は、ラングレンの提案による収録だそうです。

穏やかでいて、強力にスイングしているピアノ・トリオ・アルバムです。「East of The Sun」や「Cherokee」では、ラングレン(p)が奏でるブロックコードのサウンドが柔らかくて美しく、後者におけるピアノとドラムス(ブラシ)の掛け合いはスリルもあります。スローバラード「Autumn In New York」では、ラングレンが絶妙で繊細なソロをとります。「Stablemates」や「Straight Street」では、3人が乗りの良い快調なプレイをしているので、ヴォリュームを上げて大きな音量で聴きたいところです。

【なし 20世紀と南水】

長野県下伊那地域の農産物直売所マップ(所在地や内容):下伊那地域直売所マップ

      Nashi20seikitonansui201310
左側が20世紀、右側は南水という品種です。南水は、高森町にある長野県の南信農業試験場が開発した信州のオリジナル品種です。