保守への覚醒 さんより転載です。
夏を控え、電力供給に大きな不安を残したまま、42年ぶりに全原発が5日中に停止する。再稼働への批判を恐れるあまり、場当たり的かつ支離滅裂な対応を続けて国民の不安をあおった民主党政権はその責任を免れない。(千葉倫之)
「原発がなくてもやっていける社会を実現する。これがわが国の目指すべき方向だと考えるに至った…」
昨年7月13日、菅直人首相(当時)は唐突に「脱原発」を宣言した。6月に衆院での内閣不信任決議案可決を回避しようと「偽りの退陣表明」をし、政権はすでに死に体。この「脱原発宣言」が延命術であることは疑いようがなかった。
国家の命運を握るエネルギー政策はこのように政局的な思惑で大きくねじ曲げられたが、菅氏に罪の意識はみじんもない。今年2月に民主党最高顧問(新エネル ギー政策担当)に就任した菅氏は4月に「脱原発ロードマップの会」を発足させ「次の国政選挙で国民の大きな選択肢になるよう運動を広げたい」と断じた。
その菅内閣で官房長官として「片棒を担いだ」のが枝野幸男経産相だ。当時は菅氏の暴走の「歯止め役」を演じていたが、経産相就任後、支離滅裂な言動で混乱を助長した。
「原発の再稼働に現時点では反対だ」。4月2日、関西電力大飯原発再稼働について参院予算委でいきなりこう断言。理解が必要な地元の範囲についても「日本全国が地元だ」と述べ、一気にハードルを上げた。
これらの発言は直後に翻したが、15日には「原発が一瞬ゼロになる」と言い放ち、やはり訂正した。原発再稼働の責めを負いたくないのか。枝野氏の言動には、電力会社や地元に責任転嫁しようという意図が常に透けてみえる。
では任命権者の野田佳彦首相は何をしていたのか。
「政府をあげて説明し、理解を得る。私も先頭に立たなければいけない」
東日本大震災1周年の3月11日の記者会見で再稼働への意気込みをこう語ったが、その後も説明責任は果たしていない。
首相は30日、訪米先で同行記者団に、再稼働せずに今夏を乗り切れるかどうかを問われ、こう答えた。
「全く理解をいただけないなら大変だと思うが、そういう選択肢はもちろんあると思います…」
驚くべき責任感のなさ。首相の「不作為」は、前首相の邪(よこしま)な「作為」に匹敵するほど罪深い。
こじらせたのは誰か? 場当たり、不作為、責任転嫁… 重い民主党政権の罪 1 産経ニュース
こじらせたのは誰か? 場当たり、不作為、責任転嫁… 重い民主党政権の罪 2 産経ニュース
ポピュリストな地方自治体の長が拳を振り上げ原発の再稼働を批判し、それを連日煽る反日メディア。
人気者市長とマスメディアの声を無視すると選挙で負けるとビビる、支持率が危険水域へ突入した野田政権。
事故リスクだけでなく、原発のさらなる安全追求と電力不足のリスクも同時に考慮し、国民に分かりやすく説明するのが政治家の仕事ではないのか。
計画停電や過剰節電といった事態になれば、経済的損失以外にも、国民の生命に危険が及ぶ恐れがある。室温が28度を超えると発生率が急上昇する熱中症の多発、電力を必要とする生命維持装置の安定利用にも影響が出るだろう。
原発を長期停止することでのリスクを指摘する専門家も多い。再稼働となってもすぐに対応できない事態が発生する可能性があるという。
原発のメンテナンスを請け負う企業が廃業すると、いざ再稼働となっても作業員が確保できなくなる。
さらに長期停止になると、安全技術の継承が途絶えてしまうという根幹的なリスクもあるというのだ。
内外の原子力専門機関が安全性を認め、電力会社がさらなる安全性向上のタイムスケジュールを提示したにもかかわらず、
国に安定的な電力供給を要求するのではなく、
大衆迎合を意識し脱原発を政局にしようと画策する政治家たちが「計画停電も受け入れなくてはならない」と気勢を上げる。
そして、また、いつものように、場当たり、不作為、責任転嫁、を繰り返し説明責任を果たそうとしない民主党政権。
さらには、反日メディアが「原発は危険だ、悪だ」と世論を誘導するこの日本の現状こそが、まさしく異常事態ではないのか!