jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

㊙ 愛聴盤 ・・・・・ALL ABOUT RONNIE / RONNIE BALL

2024-03-25 | ジャズ・p

 

トリスターノ派ピアニスト、ロニーの唯一のリーダー作。トリスターノと聞くと何だか小難しいイメージが付き纏うが、サボイというレーベルのせいか、或いは、dsにK・クラークが入っているせいか、全編に亘って堅苦しい所がなく、実に心地よく、ノリの良い演奏が続く。

ロニーのpはコニッツやマーシュとのクール派セッションで聴かせる指の関節をポキポキ折るような歯切れの良い、折り目正しいタッチが特徴であるが、本作では、むしろスイング感、歌心をより前面に押し出しており、柔軟な側面を見せていて、ここが聴き所です。後年、歌伴もソツ無くこなすあたり、守備範囲は結構広く、頑ななトリスターノ原理主義者ではないようです。

そして本作の最大の聴きものはレコーディング・チャンスに恵まれず、不遇を囲っていたT・ブラウンのts。充分に与えられたソロ・スペースを生かして、伸び伸びとスムーズにtsを鳴らすブラウンは思わぬ拾い物です。クール派テナーの一人として兄貴分のマーシュとよく比較されるが、クネクネ感がマーシュに比べ少なく、よりスインギーに素直に歌うブラウンのtsを愛するファンは少なくない。ブラウンのリーダー作”FREE WHEELING”(Vanguard)は「幻の名盤」として知られている。

tbのDENNISについては、一時、ミンガス・グループに在籍していたことぐらいしか知らなく、ここでは、tbが持つ素朴な味を充分に聴かせてくれます。

 

tsとtbが絡むと「白けた流れ」が生じ、感情を押さえたクールなプレイは好きになれないと、ある人は評するけど、そうかな? なんか、別の意図を持たせたハッタリに感じます。それと全曲、ラベルのように暖色系です。

 

地味ですが間違いない一枚です。

“Bluespirits20040807”