フランスで花火の見物客の列にトラックが突っ込み84人が死亡。運転手は警官隊と銃撃戦の上死亡(JNNの記事より)
戦前の日本の植民地政策には、今も様々な見方があります。
特に保守派の人たちの中には「現地の発展に多大な寄与をした」という意見が多いです。
個人的に直接、まったく同じ意見を韓国人の方から聞いたこともあります。
しかし一方で、今も続く大きな禍根を残したことは確かです。
大きな貢献をしながらも、どうして恨まれるようなことになってしまったのでしょうか ?
ここで、イギリスとフランスというかつて世界に植民地を持った二つの国の違いを見てみます。
例えば、イギリスは基本的に現地の人間をイギリス人と別扱いしました。
だからこそ、インドで織物職人の手を切り落とし、中国ではアヘンをばらまくという悪行が平気でできます。
移民を受け入れる時も同じです。
あくまで別物なので、相手の考えに踏み込まずに、多文化共生でやろうとします。
だからこそ、イスラム教徒のロンドン市長が誕生するというようなことも起きます。
ところが、フランスはどうでしょうか?
アフリカの旧植民地を見ればわかります。
現地の人間にフランス語を教え、フランス風の名前をつけました。
要はフランス人は完全に現地人をフランス人にしようとしたのです。
これは移民に対しても同じでした。
イスラム系の移民に対しても宗教的な衣装を身に着けることを許さず、徹底してフランス流を押し付けます。
これが非常な反発を招き、国内でのテロを助長させる原因となっています。
日本もかつて、朝鮮でフランスと同じような同化政策をとりました。
これを「同じ日本人として扱ったんだから素晴らしい」と言う自称保守の言論人がいることにあきれます。
動機がどうであれ、別物として扱うより同化を強いる方がより強い反発を招くものなのです。
もっとも、移民系に国内の中枢を徐々に握られるイギリスと、テロの殺戮が頻発するフランスと、将来どちらの方がより影響が出るのかは難しいところかもしれません。