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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

父親不在

2005-06-04 08:44:54 | Weblog
 私の経営するASEには様々な相談が持ち込まれる。父親の転勤で遠隔地に引っ越した後も子育てに悩んで相談してくる母親、夫婦関係がうまくいかず「2人歩きのテコ」を聞きたいと言ってくる新婚さん、親との確執から不登校気味になり助けを求めてくる子ども等など、その内容は様々だ。
 もちろん私を頼ってくるケースもあるが、日本人スタッフの助けを求める場合も多い。3人の日本人スタッフは、“サムライ商法”を貫くあまり儲からない(と言うか、赤字の年も多い)英会話学校で、低賃金に文句を言うことなく長年働いてくれている。それだけに生徒(幼児から高齢者まで)や保護者にも彼らの「温かさ」が伝わるのだろう、何かと相談してきてくれる。
 それらの相談に接していて気付くことは、子育てに父親の陰が相変わらず薄いことだ。これは昔からのことだが、最近も表面的には父親が介在しているものの実質的には母親に責任を押し付けている場合が多い。先日読者の渡辺さんから「父親の役割」のご指摘があったが、彼のように「父(ダンナ)としての責任」を自覚している人はごく少数派だ。
 私が“所属”する団塊の世代は、「男子厨房に入るべからず」という日本の“タブー”を初めて破った集団で、時のマスコミから「ニューファミリー」と名付けられた。でも、それから30年経つが、厨房に入った男子は、料理も子供も作りっぱなしで責任放棄しているように思えてならない。世の中の荒廃が叫ばれて久しいが、このように一人ひとりがきちんと社会参加していない日本では「世直し」は望むべくもない。父親よ、一歩前に出よ!