銀座から有楽町へ。なくなりそうな建物をもういちど見に行く。
三信ビル(左)と、建設中のザ・ペニンシュラ東京(奥)
Photo 2007.1.16
帝国ホテルの方から日比谷シャンテ前の広場に辿り着く。目の前には灯りのない建物が佇んでいた。
御存知の方も多いと思うが、三信ビルは建て替えの意向が示され、ほとんどのテナントは退去した。平日の午後6時頃だったが、2階以上の階には全く灯りが無い。わずかに1階東側の玄関とアーケード部分にのみ灯りが点る。
さて、シャンテの前から見ると、東宝ツインタワービルの広告塔に照らされて、晴海通りの向こう側にもう一つ灯りのない高層建物が。以前、日比谷パークビルだったところに建設中の、ザ・ペニンシュラ東京。24階建ての高級ホテルが今年中に完成するそうだ。
なんとなく撮った一枚の写真に、真っ暗な建物が二つ。でも両者の置かれた立場は全く反対。一つは惜しまれつつ去りゆく建物。もう一つはこれから歓迎され登場する建物。両方の建物に灯りが点った写真は、たぶん撮れない。
三信ビル玄関
Photo 2007.1.16
東側の玄関から中を覗いてみると、営業しているのは、カフェグリル・ニューワールドサービスのみになってしまっている模様。がらんとしたアーケードに、一つだけ置き看板がぽつんと置かれている。
解体を惜しんで内部に勝手に入り込まれたりするのを避けるためだろうか。階段は封鎖され、アーケードも東側部分しか立ち入ることが出来ないようだ。もの悲しい建物になって(されて)しまった。「ハイハイ、お店が出て行ったらすぐに壊しますからねー」という、ビジネスライクな感じ。中に入ってみようかとも思ったが、なんだか急に見たくない気になってそのまま帰ってしまった。
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 千代田区 #近代建築 #夕景・夜景 #オフィス
設計をしたり建設に携わった人々、
そしてオフィスを長く使ってきた人々は、
建物に愛着を持っているはずです。
でも、建物や土地を、資産としてのみ捉え、
資料の上でお金勘定をするのが大好きな人たち、
建物を形としてでなく、床面積でのみ考えている人たちにとっては、
古い建物は単なる非生産的なものにしか見えないのかもしれませんね。
上野の方の話題の建物については、近日中に書いてみようかと思っています。
またよろしく。
私のblogも、このビルの話題からスタートしました。
三信ビル保存プロジェクトのHPに、竣工時の写真が紹介されていましたが、つい数年前まで、日比谷のランドマークとして、人々の息遣いがあるビルとして機能していたのも事実です。
機能性や収益性の観点を重視しつつも、間取りやIT、耐震等の近代化工事の上、地区計画の中で、次世代に引き継ぐのが知恵であるような気がします。
容積率で勝負することが必然である地域は、他にもあるでしょうから。
100尺時代より後の高層ビルです。
上野のほうでは築12年のランドマーク的なホテルもこわすとか。
もっと深刻かもしれませんね。。
今、再開発の計画があるのは、おそらくそのほとんどが、
昔の基準法で100尺以下に規制されていた頃のものですね。
容積が満たされていないから、古くなったものからどんどん
建て替えるということなのでしょう。
戦前の建物だけでなく、どっしりとして横長な感じの、
戦後~昭和30年代頃の建物も今後次第に消えていくのでしょうか。
20年後、丸の内、銀座、日比谷界隈の街並みってどうなってるのかなー。
ちょっと予想がつかないです。
>急に見たくない気になってそのまま帰ってしまった。
わたしもぶらっと立ち寄ることはしないようにしてます。
人やお店があっての建物ですよね・・・。