あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

黒澤明映画上映イベントに行く(1)

2018年01月20日 | 生活
「この世界の片隅に」大ヒット感謝祭で訪れた練馬。
文化センターの建物には近々予定ののイベントが
掲げてあった。



「映画音楽の名作を観る」
上映作品は黒澤明監督の『羅生門』と『用心棒』。
小ホールとはいえ、『羅生門』はデジタルリマスター版。
『用心棒』は35mmフィルム上映!



トークコーナーもあり。

ゲストは岩瀬政雄氏。
元東宝レコード・プロデューサー、元東宝ミュージック
社長を務めた人。



数多くの映画製作に音楽プロデューサーとして関わり、
CDBOX 「黒澤明完全盤」等を制作。

2014年に「ゴジラ」完全上映全曲演奏コンサートを
プロデュースした人。

どんな解説してくれるのか、楽しみ。



『羅生門』作曲の早坂文雄は伊福部明と同郷・同年齢。
そして映画音楽に誘った人物。

温厚で監督と喧嘩する事もなかったので(笑)、黒澤に
愛されたという。



『用心棒』の作曲は、弟子筋の佐藤勝。
早坂亡きあと黒澤作品を支えた人。

黒澤映画の他にも多数の作品を担当。日本映画の音楽に
貢献されている。



場内は全席指定 1,000円(1日券)※2本立て
チケットは予約済み。

練馬区の文化事業だが、在住者以外も観覧可能だったので
TwitterにもUPしてたのですが、さぁ区外から来た方は
居らしたのでしょうか?



問題は土曜の昼という、魔の時間帯。
イベントに出かけても仕事疲れで睡魔に負けるパターン多し。
長丁場だし、厳しいかなぁ…と。

心配しながらの練馬詣でとなったのでした。

「ニッポン国VS泉南石綿村」の公開日が決定

2018年01月19日 | 生活
『ニッポン国VS泉南石綿村』の公開日が「2018年3月10日(土)」に
決定した。
※ユーロスペースほか、全国順次公開



『ゆきゆきて、神軍』『全身小説家』など、日本映画史に残る傑作を
生み出してきたドキュメンタリー監督・原一男氏。

待望の最新作は、大阪・泉南地域の石綿(アスベスト)工場の元労働者
および親族が、損害賠償を求め、国を訴えた裁判の記録。

“泉南・アスベスト国賠訴訟”の8年にわたる闘いを見るものに示す
圧倒的な215分!

本作の舞台となっている泉南の「イオンシネマ泉南りんくう」では
「2018年2月3日(土)」から1週間の先行上映される事も決定。



すでに山形国際ドキュメンタリー映画祭2017で市民賞を獲得し、同年
釜山映画祭では最優秀に輝いた同作品。
2017年東京フィルメックスでは観客賞を受賞。

これからも海外を始めとした各地で上映されることが期待される。



私は東京フィルメックス映画祭の先行上映で見たているが、
上映終わって「さすが原一男監督だ」という思いを強めた。
ドキュメントだが「教育映画」「資料映画」では終わらない。

一種のエンターテイメント・ドキュメンタリーとなっている。
深刻な社会問題を、ここまで「面白く」昇華させるんだから凄い。



戻ってこない健康、そして命。
国家に「落とし前をつけさせる」過程で、みな怒り、笑い、涙を
流す。 客席の我々も同様。 ゲラゲラ笑った直後に沈黙。怒り、
涙を流し、ハナを垂らしながら、また笑う。

こんなに人が亡くなっていく映画を面白がってイイのか?
でも面白いのだ!
監督も、原告・支援者も「面白がってイイ」と仰るのだ!

※それよりも
 多くの人に知って貰いたいというのが本音なんだろうな。



往年の「ゆきゆきて、神軍」は衝撃的だったが、主人公の異様さゆえ
見る者を選んだとも言える。

最新作に登場するのはアスベスト被害に苦しむ市井の人々、何の罪も
ない普通の人々だ。

それゆえに響いて来るものがある。必見!



「ニッポン国VS泉南石綿村」
監督:原一男
製作:疾走プロダクション
製作:小林佐智子、撮影:原一男
2017年/215分/日本/ドキュメンタリー

狩撫麻礼氏、死去

2018年01月18日 | 漫画
漫画原作者の狩撫麻礼(かりぶ・まれい)さんが
2018年1月7日に亡くなったという。

享年70歳。
※意外とイッテらしたんだな。

死因などは明らかにされていない。葬儀は既に近親者で
行われたそうだ。



「谷口ジローさんに続き、狩撫麻礼さんまで!」
「ラスタマンよ、安らかに!(涙)」

思わす、そう悲嘆に暮れましたよ。



谷口ジロー原画展で私が感激したのは、初期作とも言える
狩撫麻礼原作の 「青の戦士」が飾られてた事です。

原作者名の綴りも「Marley」!!
しっかり、あの「Marley」になってたんだよ!!



そりゃあ、 引っ繰り返さずに「Caribe Marley」だったら
言う事なかったけどさ。

でも、
私にとってゴールデンコンビとは「狩撫麻礼&谷口ジロー」
だったから…
日仏会館ギャラリーの原画展で「青の戦士」が取り上げら
れてたのは、ただただ 感激だったんですよ…。



1979年に漫画原作者としてデビューした狩撫麻礼さん。
他のペンネーム「カリブ・マーレィ」「土屋ガロン」
「ひじかた憂峰」などを使って活動していたという。

ハードボイルドで無頼な作風で知られ、ただ面白いだけじゃ
なく、人生に影響を与えるタイプの原作者だった。



狩撫&谷口コンビ両方が鬼籍に入ったというのは、私に
とって本当にショックな事で…。

当分ボーっと過ごすことになりそうだ。
他のペンネーム作どころか、狩撫麻礼作品も全部は網羅して
ないし、読んでも例によって忘れちゃってる部分もあるだろう。

機会を見て読んでいきたいな…。

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(12)

2018年01月18日 | 生活
さて帰ろうか、いや、その前にグッズを買わねば!

出口脇をUターンした所にグッズコーナーあり。
今回の展示物の複製画(額縁入り)やキーホルダー、
クリアファイルから画集まで所狭しと並んでいるのよ。



「下は2万円から」って感じ。
そしてやっぱりゴジラは値が張ります!

※ちょっと『幻魔大戦』パステル美女は欲しかった…



Tシャツも、美女モノからゴジラもの、戦闘機モノまで多数。

私は、ゴジラTシャツ数パターンをパルコの原画展でGET済み
なので、そこは自重いたしました。



人気はスターウォーズのグッズ。
クリアファイルなど、生頼絵で描かれた世界がファンの目を
惹き付けておりました。



私は、今回の展覧会図録を購入。
価格は2500円。

画集並みの収録数で説明書きも多々あり!それなのに、この
値段は本当に有り難い!

※展覧会の図録って、そういう傾向ありますよね。



帰ったら、じっくり見よう。
何度も見直そう。

…そんな感激に浸りながら、私の生頼範義展詣での「初日」は
終わった。
まだ腰は万全では無いが、期間中あと2度は訪れたい。

本気でそう思った。

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(11)

2018年01月18日 | 生活
いよいよ最後の間です。

生頼範義オリジナル絵画の部屋。
最初に目に飛び込んでくるのは、横広の大きな絵は「我々の所産」で、今回の
窓売チケットの元になった絵。



ゴーギャンの大作にインスパイアされた物。
※「我々はどこから来たのか我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々は
 どこへ行くのか」

右が過去→左が未来。



この部屋の絵は額にこそ入っているが、表面は剥き出しで、「塗り」の盛り
上がりも見ることが出来る。



グロテスク寸前の表現も生々しい。
作品の足元には最低限の柵は設置してあるが、身を乗り出せば眼前で注視可能。



天使の羽根の白い塗りが、まるで羽軸のように筋張っている。
ゾッとするばかりの表現。強烈な筆の圧。



生頼の間、最後の部屋は「戦争」の臭いで満ちている。

宇宙絵と戦場絵の合成。
どこの戦闘との特定はつかない。しかし、あらゆる場所で起こりうる戦闘。
それを描いたように見える。



兵士の腕時計には「無限」を意味する記号。
子供の頃2度に渡って体験した空爆。

目の前で人が消し飛ぶ姿を肉眼で見た生頼少年には強烈な記憶として残り、
依頼のない作品に現れ出たと言われている。



それが最も如実に現れているのが超大作「破壊される人間」。
※破壊と言うか、溶けてるじゃん…。

画面左隅には武器を構えた兵士。
「現代の戦闘では相手を人間とすら見做していない。そこにあるのは、
殺戮ではなく、破壊だ」と語った生頼氏晩年の集大成的な作品。



強力でした。
多くの観覧者の方々が圧倒されていました。

音声ガイドが、のんちゃん癒やし声じゃなかったら重すぎてしんどかった
事でしょう…。



最後、生頼さんの自画像と対面し、階段を降りる。
職人のような面持ちだった。

「#ohrai」のハッシュタグでツイッターに上げ、その画面を音声ガイド返却
時に見せる。
入場券裏にスタンプ押されて、特典ポストカードGET。



ポストカードは「写真でイイじゃん」な拳銃絵。
あ、いや軍艦や宇宙船や美女が欲しかったとか言うまい…。

(続き)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(10)

2018年01月18日 | 生活
次の部屋は「レコードジャケット」
シベリウスなどの肖像が飾ってある。

顔の皺の刻みも凄いが、スーツの質感の描き方が、まるで
布素材をそのまま貼り付けたが如き再現度なのだ。

続いて文庫本などの表紙。
大藪春彦さんの装丁は「銃」。鉛筆で拳銃の種類「ワルサー」
「ニューナンブ」と殴り書きしてあるのがグッとくる。



こちらも「ここまで描くなら写真でイイじゃん!」の世界。

海洋モノは帆船の布の質感が凄い。風で膨らんだ表現が圧巻。
彫りの深い「ヤマトタケル」もいる。



清水一行の「虚構大学」では、ハケ塗りの隙間に人物あり、
疑獄を臭わす表現も・・・。
※「刷毛塗りの方が先で、その隙間に後から人物画は描いた」
 ・・・なんて説もあるそうな!



60歳を前後して「自分の描きたいモノを」と依頼を断って
いた次期に「どうしても」と依頼されて描いた「ハイペリオン」
シリーズ。



そして再び撮影可のコーナー、SF誌の表紙。
美女肖像コーナー。



これまたラフスケッチがダヴィンチが如し!
それでも首から上にやり直した張り紙がしてあったりして
ホッとしたりします・・・。



ときどき隠しキャラ(?)が小さく描いてあったり
遊び心があるのが意外・・・。



セクシャルだけど近未来や超古代文明の時代を思わせる背景を
背に神秘的な表情を浮かべる美女たち。



無骨だけではないのが生頼絵の凄さ。
絵によってはマグリットかダリ張りのシュルレアリスム性も!

構成力も凄い。
SFも肖像画もミリタリーも商業モノも純芸術も何でもあり。
万能の人だ・・・。



そして、いよいよ最後の部屋。
最晩年のオリジナル絵画の間・・・だ。

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(9)

2018年01月18日 | 生活
次の「生頼の間」へ進む。

なんか、部屋ごとに絵筆を持った生頼さんに立ちふさがれて
いる気がする。

「よく来たな、さあオレを倒して次の間へ行け」と言われてる
ような・・・。

もちろん勝てない。コテンパンに倒される。
10度くらい倒れたところで「これくらいで許してやるか。さぁ
次の間へ行け」と言われ、次の部屋に行ったら、新たな生頼さん
仁王立ち・・・。

持たんわ!!



そんな、ブルース・リー映画みたいな妄想を働かせていると、
眼前には吉川英治全集「三国志」のキャラクターが。

白黒絵だが点描が凄い。

宮本武蔵の絵もあるが、この侍の風情には三船敏郎を感じる。
合戦シーンで土に倒れて事切れた侍たち。ここに西洋画の影響が
見えるのが面白い。

ミケランジェロが描いたような戦国絵巻・・・。独特だ。

広告絵も並んでいるが、白黒で塗られたNYの風景とジーンズの
若者の姿は、まるで写真のよう。



のんちゃんの音声ガイドが説明する。
「親しい編集者には『いい息抜きだよ』と語っていたそうです」。

「いきぬき!」



※画像は撮影可の場所で撮ったポスターです

2階に移って雑誌の表紙や図解モノ。
有名な「ムー」創刊号の表紙が最初に飾られている。

※しかし、生頼さんの絵にしては、この女性のバランスは微妙に
「崩れている」気がするんだよなぁ。意識してそうされたのか?

大伴昌司さんの「ぼくらマガジン」図録を経て事件速報のイラスト。
日航機内でのハイジャック映像は、現場に居るかのようだ!

銃を構える犯人、驚き、怯える乗員の姿。顔だけではなく、肩や
手にも表情あり。
それは「最後の晩餐」をも思わせる絵だった。



ゴルフ雑誌などの肖像画は、これまた写真と見間違うが如し。
そして緑の宇宙に浮かぶ「マクロス」!



そして「丸」を代表する第二次大戦モノ。これも凄い。
圧巻の「大和水上特攻」。横の「レイテ沖海戦」では空母脇に
立ち上がる水柱が着色されている!

そして「潜水艦作戦」の水中描写!
クレセントボードに薄く水を貼り、青系のリキテック(水性画材)を
ハケのように走らせ、水中から見上げる天の光を再現している!

そこに躊躇いなど全くない!
数メートル離れてみると、それはまるで写真のように目に映る。



もう・・・ね、棒立ちですよ。
言葉が出ませんよ。

(続く)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(8)

2018年01月18日 | 生活
次は「平井和正」コーナー。

やっぱり幻魔大戦シリーズの装丁と言えば生頼さん。



超大作だから私も読めてはいませんが。
表紙だけでも記憶に残って離れません。



撮影禁止コーナーだから撮ってないけど。
生頼タワーにあった表紙絵が大きなサイズで見れるのだ!

基本クレセントボードにリキテックス。
自由自在の色使い筆使い。



そして幻魔大戦のサイボーグ戦士「ベガ」。
生頼デザインをベースに造形用デザインを寺田克也さん、
造形を竹谷隆之さんが制作。



後にフィギュアとして量産販売される「ベガ」の原型が
展示されている。
重量感、緻密さ、先鋭性…凄い!

細かい造形から、いちいちカッコイイ!



新人時代から生頼絵が装丁に付いたという平井氏。
そういう意味では表紙や挿絵を心配したことは一度も
なかったという。



「幻魔大戦」「狼の紋章」が代表作の平井氏だが、
やはりシリアス一辺倒では無かったから、装丁も
それに応じてバラエティに富んでます。
※小松さん程じゃないけど

驚いたのはパステルで描いたバストショットの美女。
淡い色調、ネオンのように湾曲する襟元。

…素晴らしい。
全体の内パステルで描いた作品はこれ一枚。

それでも、完成度が凄すぎる。
思わず惚れ惚れの…ため息。

(続く)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(7)

2018年01月18日 | 生活
生頼タワーの部屋から次に移ると、そこは原画が並ぶ。
撮影禁止のコーナー。

よって以降の画像は撮影OKだった場所の物から転用。



やっぱりゴジラ。
復活ゴジラだけではなく、オリジナル・ゴジラも。
国会議事堂を破壊する凄まじい迫力。

ただ、贅沢言うと「しっかり」とパッケージされて
飾られてるので迫力に目減りが感じられるというか…。

以前パルコで行われた「ゴジラ×生頼範義」回顧展は
むき出しで飾られ、生頼さんのコメント付だったゆえ
今回とは別の趣あって、それはそれで面白かった。



『ゴジラ対キングギドラ』なんて「構図的に窮屈に
なってしまった」なんてコメントあって、これ程の
人でも描き終えた後で悔やんだり〈?〉されるんだな
…と思ったものです。



今回は「のん」ちゃんの音声ガイドが代わりに語って
くれる感じかな。
「(初代の)ゴジラとは大きく、グロテスクで…」
内容には凄みがあるが、緩和してちょうど良い感じ?



そして、「スターウォーズ」。
SF誌に掲載されてルーカスが認めた一枚絵。横広の大作。

そして「帝国の逆襲」国際版の習作。
習作ったて本物と大差ない。ほんの少しタッチが足りない
程度で、素晴らしい出来だ。

洋画ポスターの並びでは
「テンタクルズ」「マッドマックス」が圧巻だ。

「マッドマックス」など、この絵から「北斗の拳」や
「ベルセルク」が派生したのではないか?…と思わせる
ほどの迫力だ。

※ただし、なぜか正式採用はされなかったとか…
 未採用や原版紛失なども数多い生頼作品。そういう
 意味でも一筋縄ではいかない…。



そして次の部屋。
日本SF界の巨匠=小松左京作品に関わる絵がズラリと!

「復活の日」に至っては、この映画のために何枚もの
イメージ・スケッチが描かれ、それが展示されている。

海外スタッフにイメージが伝わるように…という目的
だったそうだが、それにしても凄まじい。

(生頼氏が敬愛した)「ミケランジェロ」の様式が盛り
込まれたカラー・イラストは、小松左京さんを大いに
刺激したという。

多種多様な作風でも知られた小松さんだけに、装丁画も
様々だ。コミカルな物もある。

作風に応じて画風も変える生頼さん。
器用とかいう範囲を超えている。



圧巻は小松左京さんの肖像。喫煙する顔を描いた写実画
なのだが、背景は宇宙と海と月と地球。
それに気づいた瞬間、凄まじい奥行きが広がる。

小松さんの葬儀の式でも使われたという、この肖像画。
のんちゃんの音声ガイドは語る。

小松左京さんの奥様は「小松、そのものです」と語った
という…。

(続く)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(6)

2018年01月18日 | 生活
圧巻の映画ポスターは続く。
※壁一面に貼ってあるんですもの…。



樋口真嗣版「日本沈没」。
まぁ、迫力たっぷりに描かれたもので。

「シンゴジラ」上映+トークショーで生賴範義展の話題が
上がった時、「お前の映画より俺の一枚絵の方が凄いぞ…
と挑まれてるようだった」と語った樋口監督。


※画像は
 生頼タワーの間にある「仕事場写真」
 画業を「肉体労働」と語った生頼さんらしい部屋です。

「テンタクルズ」のポスター見て映画館行ったのに、あんな
シーン無かった。ポスターの方が凄かった…とも樋口監督は
語っていたそうです。



そして、
いよいよ「スターウォーズ」!!
SFブームの火付け役とも言える大ヒット映画。



このイメージ画をSF誌に生頼氏が投稿。
それを見たルーカスが生頼さんに「帝国の逆襲」の国際版
ポスターを依頼したのは有名なエピソード。



そりゃ惚れますよ。
そして出来上がったのは見事な絵です。
世界中に衝撃を与えた一枚絵ですよ。これだけの情報が
詰まってるのにチマチマしてない、凄いスケール!



ご自身で「逆遠近法」と仰った画面構成。
大きなものは敢えて奥へ配置する。それによって手前の
細かな描き込みモノも押し出される。

恐ろしい事に、これは「スター・ウォーズ」前から度々
見せていた技巧なんですよね…。

(続く)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(5)

2018年01月18日 | 生活
生頼タワーがある部屋から一向に出られない。



周辺の壁面にも映画などの商業ポスターが貼られてて
「この作品も生頼さんだったのか!」と驚きが続く。



この辺も印刷品だから撮影OK。有名どころのゴジラも。
※定番です。

パネルに入ってるから、自分の姿が写り込まないよう注意。



※上記画像は他から取り込んだ物

大きさは完全にポスターサイズ。
軽く「お仕事のさわりを披露」ってな感じだが、こっちゃ
それだけで圧倒されてしまう。



照明が反射するのが珠に瑕だが迫力は満喫できる。
映画だけじゃなく、広告モノもあり。
大迫力の横広サイズも!



歴史物ゲームのポスター。
キャリアからすると後期の物だが、武人はお手の物。
しかし、幅広い…。



SF誌の平井和正特集号のポスター。
ゴージャスです。

3美女のキャラが微妙に違うのが素晴らしい。



「グーニーズ」

好きな世代には堪らないでしょう。
生頼絵の方が本編より凄みがありますが…。



隕石物の映画「メテオ」

B級扱いされてるが、私は当時のテレビCMを見て
「負けた!もう日本の特撮はハリウッドに勝てない」
…と思い知らされた。



「ガンダム」
まさか生頼さんがガンダムのポスター手がけてるとは
思わなかった…。

(続く)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(4)

2018年01月18日 | 生活
最初の部屋から出られない(苦笑)。
生頼タワーの周りをグルグル回り、納得の一冊を見つけては
うなずき、意外な一冊を見つけては驚く。その繰り返し。



作風を選ばないというか、汎ゆるジャンルが含まれると言うか。
戦記物、ヒロイック・ファンタジー、SF物、伝記物、動物物



宇宙物、カタストロフィー、モンスター、漫画のノベライズ…
本当に「なんでもあり」。



宇宙船も脅威のクオリティ。
本物の戦艦の図録も手がけてた生頼さんだけに、宇宙を
飛ぶ戦艦だって想像の範囲にあったのだろうが…。



時代を映す大ベストセラー作品も多い。
「日本沈没」「首都喪失」…。



コミカルなイラスト表紙もあったりして、新鮮な驚き。
アメコミ風の絵も楽しんで描いてらしたのだろうか。



SF雑誌の表紙も。
※「SFアドベンチャー」「スターログ」…



宇宙、超古代、オーパーツ的な背景、そして美女。
定番の構図は完成の域に達しております。



コミックの表紙も脅威のクオリティ。
永井豪ちゃんのマジンサーガ…。手前の人物が緻密です。



漫画界No.1の池上遼一先生も、若い頃の絵に生頼表紙を充て
がわれては参っただろう。

※昔この表紙を見て「誰が描いたんだよ!」と思っていたが
 生頼さんだったのか…



和田慎二先生の「スケバン刑事」もあったよ!

こうなると漫画家冥利に尽きるのか、「こんな上手い絵を
表紙にするのは勘弁してよ」だったのか…。

ちょっとお話を聴きたかった気も致します。

(続く)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(3)

2018年01月18日 | 生活
それでも癒やしの「のん」ちゃんヴォイスに誘われ
最初の部屋に入る。

そこには、ありましたよ!噂の「生頼タワー」!!



生頼範義氏がカバーイラストを担当した書籍の数々が
ピラミッドのように積まれた圧巻の塔!!

天井を見上げる程の高さは予想以上だ!



宮崎で個展を開く時、半ば苦肉の策で作ったものらしいですが、
逆にこれが評判呼んだってんだから素晴らしい!

誰が呼んだか「生頼タワー」
しかし今や完全に公式の呼び名ですよ!



本物の本が飾ってあります。実に670点です!
なんと撮影OK。(手にとるのはNG)

SNSアップもバンバンやってくれ…と。
#ohraiのハッシュタグ付けて拡散してくれ…と。

※画面見せたら限定ポストカードが出口で貰えるという。



撮ったり眺めたり大忙し!

ぶっちゃけ子供の頃に読んだ本あり。
※児童にこんな怖い絵を見せるとは何と情け容赦ない!



洋書もあります!「SAMURAI」モノです。

いうまでもなく「幻魔大戦」が並んでいます。
この時点で国内では「すごいイラストレーターがいる」と
評判になってました。



「日本人離れした」
すでに、そう言われていた生頼絵が(書籍サイズとは言え)
目の前に広がっている。



こりゃあ、もう感激以外の何モノでもありません!
つか、上の方をもっとジックリ見たいよ!
脚立が欲しいくらいだよ!



※「撤去の時はノーギャラで手伝うから上にあるミリタリー誌や
 SF雑誌、レコードジャケットを見せて!」なんて交渉されてる
 人がいるかもしれないな(笑)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(2)

2018年01月18日 | 生活
上野の森美術館で催されている、
OHRAI NORIYOSHI EXHIBITION 生賴範義展 THE ILLUSTRATOR



屋外のパネルからして強力。
マクロスを始め、緑の宇宙が我々を出迎えてくれる。

平日昼なので、結構すいてた。
※じっくり見たいから、それくらいでイイのだ。



入り口は意外と地味だったが、
チケットブースで当日券を購入し、横を向いたら生頼絵。

重量感溢れる宇宙船。いきなり圧倒される。



巨大なパネルに慄きつつも、音声ガイドをオーダー。
我らが「のん」ちゃんがナビゲーターを努めてくれるのだ。

いや、別に「のん」ちゃん目当てというよりも。我々の
テリトリーに「のん」ちゃんが飛び込んできたのだ。



通路両脇に新聞広告。
点描で描かれた日本の武将や政治家たち。

そして「生頼範義」年表。
孤高のイラストレーターと言いつつ、東京藝大に一発で合格
されてるのか…!



そして3年で中退。
結婚を機に職業イラストレーターの道を歩む。

最初に名前を上げたのが『吉川英治全集』の新聞全面広告。
点描を用いて、生き生きとダイナミックに三国志の英雄達を
描き出し、大ヒットに導いた。

※もちろん吉川先生の実力ありきですが



突き当りのスクリーンで展示会の概要紹介。
これが「のん」ちゃん声。

音声ガイドからも「のん」ちゃん声。



うわああああ、まだ白黒イラストの間だぞ。
ここで既に圧倒されているじゃないか!!

魅惑の「のん」ちゃん声で、ちょっと目眩起こしてるじゃ
ないかー!!

(続く)

上野の森美術館「生賴範義展」に行く(1)

2018年01月18日 | 生活
行ってきました、上野の森美術館!

OHRAI NORIYOSHI EXHIBITION
生賴範義展 THE ILLUSTRATOR



本館1F+本館2F
1月6日 (土)~2月4日 (日)



*会期中無休
開館時間:午前10時~午後5時
*最終入場閉館30分前まで



当日券・前売券
一般・大学生 1,600(1,400)円
高校生・中学生 1,000(800)円
※( )内は前売券及び10名以上の団体料金



※ 小学生以下は無料
※ 障がい者手帳をお持ちの方及び付添1名までは無料



チケットぴあ、ローソンチケット、エキュート上野、
上野公園案内所にて販売

まず、上野駅からのルートを、
不忍改札を出て小さなエスカレーターを降り、右折
駅ナカのショッピングエリア「Atre」山下口を出て



そのまま横断歩道を渡る。
※陸橋の階段を上がると遠回りになります。



突き当たった建物の間にある階段を上がる。
上がりきって右折すると、すぐに上野の森美術館。
2番目の入口(ガラスの自動扉)が「生頼展」です。



※バリアフリーの観点でいくと不忍口から行った方が
 段差なしと云う意味でイイでしょうか。



あと、建物に大きく表示されたイベント・パネルは、
公園側から来ると最初に見えるから



近道の階段を使う場合も、一旦入り口をスルーして
一眺めするのも良いでしょう。



気分が盛り上がりますから!

(続く)