あるBOX(改)

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村田諒太を語る元オリンピアンたち

2012年09月22日 | ボクシング
ボクシングビートの最新号、やはり金メダリスト村田周辺の記事が見ものですが。

盟友の清水が気の置けない友人ぶりを語ってるのも面白いし
往年のオリンピアンたちの「村田金メダル」分析も興味深い。



特に後にプロのJウェルター級で世界王者となった平仲明信氏は、採点基準が変わった事を指摘。

確かにタッチボクシングより強打を有効と見做す現在のアマチュア・ボクシングの変容は
「日本人に有利」かも・・・と思える。

清水もそうだし、とくに村田のボクシングは現在の採点法に見事にハマっているとさえ言える。
(村田が分かってて、そういうボクシングを構築したのなら、ますます見事だ)

平仲氏の「今の採点法なら瀬川正義ならメダルが取れたかも」というコメントも興味深い。
Lフライ~フライで戦った瀬川正義さんはパンチあったからねぇ。
ロス五輪初戦でも派手な倒し合いやって会場を沸かせてくれました。

ただ、やっぱりメダル確定させる前、見事にタッチボクシングにしてやられてたのが当時の日本アマボクシング。

黒岩守(フランシスコ・テヘドール・カサレスに勝利)、
高見公明(チャレンジカップで当時のアマ王者F・フェイバースをKO寸前に追い詰めた)、
東悟(アマでは珍しいオーソドックススタイルの右フッカー)
三浦国宏(ある意味、天才的なサウスポーだった)
平仲明信(沖縄で開催されたアジア大会で豪快に逆転KO勝利して金メダル獲得)、
荻原千春(最終的に全日本8連覇)・・・という錚々たるメンバーが、いずれもメダルに届かず敗退したのは残念でした。

平仲は後にプロのWBO王者となるヘナロ(ジェナロ)・レオンに判定負け。
これも当時のアマ採点基準を考えると仕方の無い敗戦。
※メキシカンの割りにレオンが足を使ったんだよな・・・

特に惜しいと思わせたのが、強打の荻原千春(Lミドル)。

※たびたびワールド・ボクシング誌の読者欄に手記を送り、今回も村田金メダルに
  関する文章をビート誌に送ってられる彼は、文筆家の素養ありと私は思うのだが

その荻原は、初戦でニカラグアのマリオ・センテノを左フック・カウンターで豪快にKOして会場を大きく沸かせ

2回戦でも英国のロデリック・ダグラス(後にプロ転向してロッド・ダグラスを名乗る)をコーナーに詰め、ものの見事な右ストレート・カウンターでダウンを奪う。

KO(またはRSC)は時間の問題と思われたが、黒人ダグラスは長い手足を動かしてタッチボクシングに転換。
これで回復された荻原は相手のアウトボックスに翻弄されるシーンも増え、結局は判定負けで上位進出を阻まれてしまった。

この試合なんて、いまなら途中でストップ勝ちか・・・とも思える内容。
または、あからさまなタッチ&アウェイの展開を選んだダグラスから減点・・・とか。

――でもね
荻原さん、そんなコト言わないんだよね。

当時は当時、今は今・・・で。
現状で勝てるスタイルを選び、実践し、現実に勝った選手が偉い・・・と言わんばかりのコメント。



平仲氏の意見も正直で素晴らしく、荻原氏の意見も立派だと思います。

荻原氏の所属していた自衛隊からも遂に清水聡というメダリスト(バンタム級銅)が誕生しました。
自分と階級の近い村田の金メダルとともに感慨深い事だと察します。
今後もアマ・ボクシングのメダルが途絶えないよう、お祈りしたいと思います。

※村田選手が表紙のボクシングビートを手にとって、「買っておかないとな。次はまた48年後かも
  知れないもんな」なんてバチあたりなコトが私の脳裏に浮かんだ事は内緒です

次のリオでも日本ボクシングにメダルが もたらされますように!