あるBOX(改)

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タモリ倶楽部に冨田勲先生が登場!

2012年09月20日 | 邦楽
一週間以上前の話ですが
9/7深夜に放送されたタモリ倶楽部でアナログシンセ「モーグⅢ」で
音作りする企画があった。

番組の「初期から知られるシンセサイザー奏者がレクチャー」という
ナレーションで「まさか!?」と思ったら
なんと、録音スタジオ内には大御所の冨田勲さんと松武秀樹さんが
居られた!!

いや~、すごい。
テーマがモーグシンセの使い方という内容だけに、実際お二人が70年代の
「箪笥」と呼ばれた大きなアナログ・シンセを操作。



日本のシンセサイザー・アーティストの第一人者である冨田勲氏と、
4人目のYMOと言われた松武秀樹氏は師弟関係。
松武氏も大御所なのだが、モーグシンセのレクチャーでは弟子として
実際の操作を担当。
富田先生は優しい様子だが、細かい指示を与えたりして、こだわりが
垣間見えて面白かった。

※私の高校時代の友人は、YMOから松武秀樹→ジャン・ミッシェル・ジャール
 →ドイツ電子音楽へと趣味を拡大させましたよ・・・。

 私など「ムーグ」の名称の方がしっくりするが、発明者である故・
 Robert Moog博士が「私の名前の読みはムーグではなく、モーグだ」と
 明言されたので、そこは従うしかありませんかなぁ・・・。

富田氏はモーグⅢユーザーとして数々の伝説を持つパイオニア。
すでに作曲家として名を成していたが、人間が弾く限界を超えたスコアを
書きたくてシンセに手を伸ばしたそうな。
当時1000万円の価格で購入したが、輸入する際も楽器と認めてもらえずに
税関が通そうとしなかったとか苦労話も淡々と語られていた。
(鍵盤以外の配線部分なんて「モノリス」と言われたもんなぁ・・・)

そこでキース・エマーソンが演奏する写真を見せ、なんとか持ち込めた
・・・なんて話もあった。



さらに、説明書があるわけでもないので音を出すのも一苦労・・・なんて
話を聞くと「大変だったんだなぁ」なんて思う事しきり。

今のデジタル・シンセみたいに登録音を呼び出すなんて事は出来ないし、
自分で各基盤のプラグコードを繋いでの音作り。
しかも、そのときの気温、湿度などによって音が左右されるので、
「2度と同じ音が出せない」なんて言われる有様だったそうな。

でも、パルスだ何だとツマミを捻れば自在に音は操れたので、当時としては
画期的だったし、キース・エマーソンなんてロック分野で劇的に使っていた。

富田先生は「自分は鍵盤はヘタクソだったから」と宅録を選択された模様。
ドビュッシーの「月の光」をモーグⅢで録音し、クラシック部門で大ヒット。
世界的に見ても「歴史的1枚」「電子音楽の名盤」として知られている。



飛行機に乗る時など、補聴器みたいなイヤホンで音楽を聴こうとして
チャンネルを回してると入ってるんだよね。富田勲版の「月光」や
「展覧会の絵」が。

もうね
プログレッシブであり、クラシックであり、ジャーマンロックばりに
先鋭的であり、ヒーリング要素もあり・・・で
「やっぱTOMITA凄げぇ!!」と思うわけですよ。

そんで帰ってきてから図書館とかを探すワケですよ。(←買えよ)

――そんな世界のトミタが
「シンセに喋らせようと思った」なんて凄いコメントもあり。
「でもパ行しか出来なかったんだよね」なんて言われると、「そういや、
アルバム『惑星』のオープニングで地上と交信する宇宙飛行士の声を再現
しているような『パピプペ声』があったな!」なんて納得したり。
※番組では「月光」収録の「ゴリウォーグのケークウォーク」が流れたが



その上で
「いまのボーカロイド・初音ミクでいえば、ごくごく初期的な能力・・・」と
いった富田先生のコメントがあって、これまたビックリ!

御年80歳の富田先生が「初音ミク」を御承知とは!
すばらしい、まだまだ頑張って欲しい・・・なんて思ったところで、
番組は「番組内で使うオチの音をモーグで作成」なんてベタな企画で終わったが。

その後、ネットで富田関連のニュースを検索したら
『富田勲・新作「イーハトーヴ」交響曲世界初演公演に初音ミクが出演!』
なんてトピックを知った。



う~ん、富田センセイは交響楽と初音ミクの共演なんて目論んでいらしたのか!
おそるべし、巨匠!

普段は演奏側がミクに合わせるが、今回はミクが指揮者のタクトに合わせる
難しいパターンだそうで。
そこは技術的に進められている最中だそうな。

さらに曲も富田御大が「宮沢賢治の世界」を元に作曲中だそうな。

イベント日程は、2012年11月23日(金)。
ぜひ成功を祈りたい。