映画を観た。
★クリスマス・ストーリー
原題:UN CONTE DE NOEL
監督:アルノー・デプレシャン
撮影:エリック・ゴーティエ
音楽:グレゴワール・エッツェル
キャスト:カトリーヌ・ドヌーヴ、マチュー・アマルリック、アンヌ・コンシニ、他
2008/フランス
こういうの、まさに「家族の愛憎劇」っていうのかな、と思いつつ、
何処かでみた顔がぞろぞろ出てくるのにはびっくり。
それぞれがお互いにうまく感情を重ね合えない、
砂を噛むような苦々しい場面には、
観ているこちらの感情もうまく整理がつかずどうも落ち着かない。
フランスの知性は鋭い変化球となってこちらの脳髄をずりずりえぐる。
落とし所の予想がつかない。
結局、ユダヤ教を信じる女性の言動が一番まっとうな姿として写った。
ただ彼女はこの愛憎劇の単なるスパイスにしかすぎないのに。
ああ、僕の感受性が硬直しているんだろうか。
この家族はどうしてこんなに煙草をすぱすぱ吸うのだろうか。
ドヌーブ演じる女は癌だというのに。
今時珍しいくらいの煙草劇。
フランス人はアホか?と呆れたところで、
物語はニーチェの「道徳の系譜」の言葉が引用されていたことに気づく。
どんな意味を持つ比喩なのか?
いいかげんな連中がほんとに活き活きとしているから不思議な世界である。
ドヌーヴおばさんお元気じゃない?