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映画、読書などのメモ

カイロ・タイム〜異邦人〜

2017-10-19 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★カイロ・タイム〜異邦人〜
原題:Cairo Time
監督:ルバ・ナッダ
出演:パトリシア・クラークソン、アレクサンダー・シディグ、他
2009/カナダ=アイルランド

雄大なナイルのほとり、悠久の都市カイロが舞台。
美しいピアノの旋律とロケーションの素晴らしさに魅了される。
主題は、時間がゆっくり流れる、《カイロ・タイム》。
この地域周辺に多くの問題を抱えつつも、カイロで生きる人の時間はゆっくり。
映画の中では、政治や社会事情は描かれるが、
不穏な空気感を描きながらもほとんど深入りしない。
《異邦人の眼で感じたカイロ・タイム》

何とも言いがたいプラトニックな現地人男と異邦人女の物語である。

ストイックで謙虚でいい男を演じていたのはアレクサンダー・シディグ。
上司の妻にカイロ案内をしているうちに、しだいに女の魅力に惹かれてしまい、
とうとうその気になってしまった男。
最後に、突然、元上司の夫がカイロにやってきてハイ終わり。
《とんびに油揚げをさらわれた》感じで、、、、。(言い方が古いね)
茫然自失。

時間とともに変わる女の心情をうまく演じていたのは、パトリシア・クラークソン。女の孤独感や、老いて行く寂しさや、そして人生への名残や焦りなど、なかなかの演技ではある。それなりの結構なお年であるのに、《まだあがくか》とちょっと冷めた視線で観てしまいました。スミマセン。戻ってこないと諦めつつあった夫の登場に、茫然自失。

結末はなかなかのビター味。
かけがえのない時間が一瞬に過ぎ去る虚無感を味わわせる物語でもあった。
見つめ合った時間はいったい何だったんだろう?


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