有田芳生の『酔醒漫録』

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「キッザニア東京」探訪記

2006-12-23 09:11:33 | 仰天

 12月22日(金)朝の満員電車に乗っていると、ひとつ後ろのドアのあたりで怒声が聞こえた。「…だろうが」「…しろ」正確には聞こえないけれど、男が一方的に叫んでいる。ギスギスした神経がこちらまで届いてきて不快になった。最近中高年のトラブルが電車内で増えているそうだが、何十年も満員電車に揺られ、しかもモラルの低下が進むなかでは、さもありなんと思う。豊洲駅で降りて「ザ・ワイド」スタッフと合流。ララポート豊洲に入り、いま話題のキッザニア東京を訪問する。開館は10時なのに、すでに1時間前から長蛇の列。母親に連れられた子供たちの姿がそこにはあった。入場できるのは2歳から15歳まで。入り口には本物のジェット機の機体が見える。アメリカから持ってきたそうだ。キッザニア東京は子供が主人公の街。入場するときにANAのカウンターでトラベラーズチェックが渡される。その通貨単位はキッゾという。街には実際の企業の店舗がある。50キッゾを持って三井住友銀行に行くと、そこには実際にカウンターがあり、制服を着た女性がいる。トラベラーズチェックを渡すと、紙幣に交換してくれ、財布をくれる。依頼すると、この街で使用できるカードを作ってくれる。ATMに入れると残高がわかり、引き出すこともできるようになっているのだ。街には信号もある。サイレンが聞こえたので眼をやると、消防車がやってきた。運転手の横には消防士の制服を着た幼児が乗っていて、マイクで通行人に語りかけている。後部座席には数人の子供たちが乗っていた。やがてある区画の建物から火炎が見えた。子供たちはその前で降りて、実際に放水する。

061222_16120001  テレビ局があるので入ってみた。スタジオがあり、放送機材も実物が置いてある。キャスター、リポーター、カメラマンなど、子供たちが役割を分担して、実際に放送が行われる。新聞社、デパート、裁判所、宅配便などなど、こんな仕事が44種類も経験できる。警察署では制服を着た子供たちが、街に出て、聞き込みを行い、事件を捜査する。最後には指紋の検出まで行っている。病院での開腹手術などは医学生が研修に使っている機器が使われるからリアリティにあふれている。モスバーガーでは市販されているハンバーガーを実際に指導されて、最初から作る。子供たちは仕事体験を終えると、それぞれ8キッゾの賃金を受け取ることになっている。子供たちはそれを貯めて売店でソフトクリームや記念品を買う。仕事体験をする子供たちの顔を見ていると真剣そのもの。親はこの街では子供たちの自主性に任せるから、カメラやビデオで撮影する者が多い。子供たちは入り口で腕に付けるタグで管理されているから、たとえば5人で入場すれば、全員が揃わなければ退場できない。安全管理も最先端だ。親のなかには休憩室で読書する者もいれば、ショッピングモールへ買い物に出かける者もいる。疑似的職業体験が面白いのだろう。オープンしてまだ3か月なのに、7回も来た子供がいるそうだ。任意に聞いてみたが、2度、3度来たという子供たちも珍しくはなかった。入場するにはネットなどで予約するが、それがなかなか難しいほどの人気だ。2008年には関西にもオープンする予定だという。7年前にメキシコシティで誕生したキッザニア。この発想がすごい。取材の様子は「有田が行く」総集編として28日の「ザ・ワイド」で放送される予定だ。