日々の泡

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タップのこと(と、それまで)

2023-01-24 14:36:39 | 演劇

「よいお芝居を より安く より多くの人で」

を、基本理念として、演劇鑑賞会は結成されました。というのが、前回のお話(笑)

このことについて考えてみましょう。(考えてみましょう!)

「より安く、より多くの人で」という部分は、

演劇の素晴らしさに気づく人が一人でも増えてほしい、受け取った感動は、一人でも多くの人と共感し合いたい、という思いももちろんあったのかもしれませんが、

(現実的に)安く観られるようにするために、たくさんの人を集めなければいけない。という、、、「より多くの人で より安く」かな

なぜ、演劇鑑賞会が各地に作られるようになったか。。。。

それは、演劇が、なかなか観られないもの、だったからでしょう。特に地方では(でも東京にもあったみたいです。)

演劇を見たい理由がそれぞれだったとしても(社会運動に近いもの、から有名人に会いたい、みたいなものまで)どうしたら演劇を見られるようになるんだろう、と考えた時、同じように「演劇を見たい」という人をたくさん集めて組織をつくれば、一人一人の負担がそれほど重くならずに、劇団を呼ぶことができ、尚且つ、劇団側としても、まとまってレパートリーを持って公演ができるので、双方にとってメリットが大きかったのだと思います。

でも、これは、演劇が「なかなか、見たくても見られないもの」という前提があってのこと・・・ですよね。


タップのこと(と、それまで)

2023-01-23 11:26:08 | 演劇

ところで、今まで書いてきた文章に、

「労演」って文字があるんだけど、実は私が会員だったは頃すでに

会の名称は、「山形演劇鑑賞会」だった。でも、よく労演、労演、って言葉を聞いていたし、短くて言いやすいから、意味を深く考えることもなく・・・クラシック音楽を楽しむ団体を「労音」っていってるから・・ま、いっか・・・って。「労演」の「労」ってなによ!!!?

どうやら、労演の労は、、、、勤労者の「労」らしい。正式名称は、「(山形)勤労者演劇協議会」って、何それ??

(ものすごく偶然に、会の歩みに関する書物が私の手元に。脳科学的に(?)この文献を読んだことが引き金になって、私の過去の記憶が再生されようとしているのかも?この世に偶然はない、全てが必然だ、っていうなら、ノリノリで乗っちゃうよー♪)

労演の基本的な考えとしては、「よいお芝居を、より安く、より多くの人で」見ようと結成された観客組織。

でも、時代背景としては、「60年安保闘争」の余波がまだ巷に燻っていて、次第に右傾化する社会状況があった、という。心の隅には、勤労者を先頭に、反動的な文化攻勢と闘わなければという気負いがあったかも・・・とも。関わっている人の心の中を全て知ることはできないが、中には演劇を通して社会を変えたい、と思っていた人が少なからずいたはずだ。青臭い、と言われれば全くその通り、と今は思うのだけれど、劇中の宮沢賢治に恋焦がれた私は、まさに。平和な世界が来てほしい、世の中が少しでも優しくなってくれたらいいな、と思って演劇を志しました。ーなんて、そんな偽善的で僭越なこと、恥ずかしくてとても言えなかった。。でもそれが、もしかしたら本田さんとの出会いに繋がったのかな。

演劇の誕生の歴史を知らなくても演劇ができない、ということはない。

というか、むしろ、知らないなどというのは当たり前で、誕生の歴史とはかけ離れていくことの方が多いのではないかな。現代では、演劇などは一部を除いて、どんどんエンターティメント化していってる。

私がタップを真剣に続けたい、と思うようになったきっかけは

NYに行ったことだ。そこでマスターと呼ばれるTAPの神様みたいな人たちと直接会って、そのショーを見たことだ。神様の人としてのありよう、生き方がタップを通じてビンビンに私の心に響いたから!

なんでNYに行くことになったのか、とそれまでが飛びすぎてるね〜(笑)

そのうち、埋まる、かな??(笑)

 

 


タップのこと(と、それまで)

2023-01-21 12:33:06 | 演劇

タップのことについて書こうと思って書き始めたのに

なんか段々、自分でも書いていて、どこに向かっていくのかわからなくなってきた!(笑)

今私は、書きたいから書いている、というよりは

書く、という作業が必要、と感じている。書かなければいけない、という謎の義務感(笑)

書くためには、(必然的に)過去を思い出し、その時、自分はどう感じて、結果、どのような選択に至ったんだっけ?・・・そんな作業(検証)をいちいちやることになる。

多分それをやることが、今の私に必要なんだと思う。これから、本当の意味で自分の人生を生きるために。

東日本大震災にはじまって、プライベートでの大きな転換。そしてコロナ。

時代の変化のスピードはこれまでにない速さで、私たちが信じていた価値観を根本から揺さぶっている。

その度に少しずつアップデートを続けている自分、であると信じたい。

目の前に迫っている新しい時代を生きていくために、考え続けてきたこと、自分の本当に好きなこと、どんなふうに生きていきたいと自分は感じているのか。

扉を開く前に、考えを「書くこと」で整理する必要があるんだな、と感じている。

無理やり絞り出すように書き始めたり、(とりあえず書き始める、って大切!)

脈絡もなく、その時書きたい、と思ったことを書いたり。。。

吐き出す、っていう気持ちよさもあるかも〜

体を動かすこともそうだけど、何かを創作する、っていうことは(人に見せるために上手くやらなきゃいけない、っていうことでなく)いい効果がたくさんある、と思うんだよね。

 

 

 


タップのこと(と、それまで)

2023-01-19 09:09:13 | ダンス

地方に住んでいて生の演劇に触れられる、ということで

労演(のちに山形演劇鑑賞会)には大変お世話になりました。

 

演劇を観ている時は、その世界に没頭することができ、

自分の知らない人たち、違う時代、全く違った世界を生きているかのような人たちを見るのが楽しかった。日本人なのに、外国の演劇をやったりね・・・・

非日常を味わうことが楽しかったんだろうな・・・

 

そんな中で、五月舎という集団(その時は五月舎という名前も、どんな団体なのかも、もちろん本田さんのことも、全く知らなかった。)が上演した作品は、一気に私と舞台との距離を縮めたのだった。

初めて感じた衝撃!

・・・あれは、私たちのことを描いているんだ。いろんな葛藤を抱え悩み苦しんでいる主人公の姿・・・あの気持ちは、自分と同じだ。思いはあるのに、自分の何もできない非力さ、人生への迷い。

初めて演劇が、日常を暮らす、遠いどこかの国の話ではなく、普通に暮らす私たちを、私たちの苦しみを描くものなんだ、と感じて、

主人公に恋をした!

何も、、、手につかなくなってしまった。。。

主人公は、宮沢賢治。演じたのは、高橋長英さん。

その作品は、井上ひさしの「イーハトーボの劇列車」だった。


タップのこと(と、それまで)

2023-01-17 09:13:28 | ダンス

       

たくさんの映画や演劇のプロデュースに携わってきた本田さん。

劇団経営にも携わって、人間関係や、財政問題の様々な問題に直面し、一時は「こんな馬鹿馬鹿しいことはやめた!」と、、、本気で思ったこともあるらしい。

それでも、大好きな演劇から離れることがなかったのはなぜなのか?

本田さんは、

演劇はこのままではダメになってしまう、新しい演劇が必要なんだ。

演劇で一番大切なのは、脚本だ。私は自分のやっているスタイルを、プロデュース公演と呼ばれるのは好きではない。中心には作品があって、むしろ「レパートリーシステム」だ。集客の見込める人気者を主役にして企画を考える「スターシステム」になってしまうのは違う。

・・・って話を、私は本田さんから直接言われたわけではありません。普段から研究生に話していたこと、研究所で大切にしていたこと、と、私が演劇から離れた後、本田さんについて過去のインタビューを探していて、その内容を総合して私なりに言葉にまとめてみたのが、上記のような。

 

歳バレちゃうけどこれ、40年近く前の話なんです。その時、本田さんは研究生から、(裏で・・)本田のおじいちゃん、って呼ばれていた年齢。。。

同年代の仲間が、劇団の代表とかで「最近の演劇は、早口で捲し立てて、何をやっているかさっぱりわかりませんなあ」なんて言っている時でも、当時人気だった「つかこうへい」などもちゃんと評価していたことが、インタビューなどに残っています。

 

そんな本田さんがつくった五月舎・・・

地方山形に住んでいて演劇を観られる機会といえば、当時「労演」しかありませんでした。(あっただけ恵まれてる。)会を存続させるためには、より多くの人の満足が必要だったでしょう。そして保守的な土地柄。例会は、有名老舗劇団による演目がほとんどでした。