日々の泡

こころに浮かんでは消え、消えては浮かぶ
日常のありふれた風景をスケッチ

腑に落ちた。

2015-07-30 15:00:45 | 社会
もしかしたら、こんな理屈とか、こんな文章に以前もワタシは触れたこと、あったかもしれない。
だけど、はじめてその意味が、生きている言葉としてワタシの中に飛び込んできた。これまでに、なんでそんなことするんだろう?とわからなかったこと、社会の闇ー少しだけわかった気がする。今朝の朝日新聞の論壇(高橋源一郎)を読んで。

「狂気(戦争)の中にあって正気であり続けること。そのこと自体がまた別の狂気(であることを、作者は知っていた。)」
朝日新聞論壇

野火のインタビューで必ず塚本監督が言うのは、「本当は、もっとみなさんに知られている俳優さんに主演を務めてもらいたかった。予算がない中自分が主演することになってしまったのが残念。」と。
市場を考えればそうだと思う。話題性が集客の中心になってしまっている日本映画界の現状を考えれば。
ひとりでも多くの人にこの映画を見てもらうことこそ(そして戦争の無意味さを感じてもらいたいとの思い)この作品をつくった一番の理由であることを考えれば監督の発言も納得できる。
だけど・・・論壇のなかで高橋源一郎さんが触れているけど(ワタシも思う)、狂気の世界にあって「記録しつづけること」で失われそうになる人間性を必死で失うまいとした田村の狂気と「たったひとりででも、戦争という現実、を描いてみせる」と考えた塚本監督の狂気は通じている、と。ワタシは、役者としての監督のファンでもあるから、他のどの俳優が田村を演じるより、監督自らが演じてくれたことがうれしい。

ここからは、野火の話からちょっと離れます。
アートで優れてる人、って「狂気をうちに秘めてる人」なんじゃないかな、って思いました。
狂気の存在をふと感じた最初は「つかこうへい」でした。作品にも、出演する役者(直接にはみていないんだけど、常連の平田満さん、とか柄本明さん。)にも。
普段から狂気をまとっている人だったら、ただの危ない人ですが(笑)。舞台にあがった瞬間、隠していた狂気をさりげなくみせつけるような、すごいな、と感じる役者さんには共通して・・・ワタシが感じていたあの正体は・・・狂気かもしれない。狂気は取扱いを間違えると大変なことになります。作品のなかでうまく活かすことができれば「才能」として発揮されることになりますが、時には自分の人生を狂わせたり、他人まで巻き込んで狂気が凶器と化してしまったり。

野火に、森優作君という演技経験はほぼゼロに等しい新人さんが出演しています。若い兵士を演じているのですが、素晴らしいです!!普段とのギャップがすさまじく、音楽を担当した石川忠さんが、同一人物だとは気づかなかったと、初日挨拶で話していました。森くんにも、塚本監督に通じる狂気が存在するのかな?塚本作品でなければ、役者森優作を観客が目にすることはなかったと思います。山本浩司さんも個人的に印象に残ったな。もちろん、リリーさんは「狂気の人」じゃないですか!!(爆)才能が溢れ過ぎてて、もう、わけわかんない!!(笑)素敵

音声で聴ける!

なんかよかったんだな・・・・

2015-07-28 17:58:46 | 日々
ワタシの歩いてきた人生。
・・・なんちゃって!!
結構いろいろあったんだよ、実は。全然そんな風に見えないらしいんだけど!(童顔のせいか?!

東京に映画を観に行って、終わって友人に会った。ほんとに大好きで尊敬してる年上の女性。
お互い東京、山形と離れて、子育てをしている時は連絡をとるのもままならなかったんだけど。。。

ワタシが東京に住んでいた、もう30年も前くらいのことになるかな。
学校公演をやってる劇団で知り合った。(ワタシは新入りの劇団員。彼女は客演)
それまでワタシは、どちらかといえば大手の新劇の主流といえるような場所にいた。養成所だけど。(自分でいうのはイヤだね~)直接のきっかけは、すごーく大きなオーディションでいいとこまでいったんだけど落ちて。でも、なんだろ。。。最初に入った五月舎は今でもワタシの原点のような素晴らしい場所だったけど、その後もっと広い世界も見てみたいと思って彷徨った場所は、大手で有名なんだけど、どこも自分が思うような、納得ができるような場所じゃなかった。で、年間150ステージ、だったかな、あります。・・という、名前も聞いた事もない劇団の広告を見つけて「ワタシはここで、舞台に立ち続けることで、自分で学んでやる!!」と思ったの(生意気全開!)学校公演をやっているところはいくつかあったんだけど、絶対ここで、というのは不思議とあって。
世間て、肩書きであるとか、経歴にすごくこだわるでしょ。
もう、ここで過ごした時間が、そんな馬鹿馬鹿しいこと!!・・・ってワタシに教えてくれた。
誰も知らないような劇団に、すごい才能が・・・ワタシ、出会えたから。
名もない劇団が年間150ステージなんて、って思ったけど、台本をはじめて読んだ時、演出を受けた時「ああー、わたし、なんてラッキーなんだろ!!」って思ったもの。作品自体はすごく有名なんだけど、こんな風に解釈するのか?!ってすごく驚いて、そのあと感動した。稽古が楽しくて楽しくてしょうがなかった。
友人ともそこで出会った。客演にきて、一緒に旅をするうちにすごく仲良くなった。というか、可愛がってもらって。(劇団のしたっぱ、なんて、どこでもそりゃあ大変なんです。でも客演の人たちがなにかとワタシをフォローしてくれたおかげで、我がままで、生意気なワタシが潰されることなくやっていけたわけです。)

そんななつかしい思い出話を友人としていると、人生って、不思議な縁があるもんだよね~といつも盛り上がります。

高校を卒業して、演劇がしたいがために上京して、演劇に携われるんだったらどんなことでもいいから暮らして行く、なんて言ってたらしいですよ。。。この大嘘つき!!(笑)演劇は、もういいですわ~。見る事もないんじゃないかな、知り合いが出てるとかじゃないと。

映画はいいな。超偏ってるけど(ワタシの好み)塚本監督、山本監督の作品に出会えてほんとにうれしい今日この頃です(笑)

初日

2015-07-26 22:58:28 | 映画・音楽
どうしても、どうしても初日の現場に立ち会いたくて!!
「野火」に会いに、東京へいきました。場所は渋谷ユーロスペース。とても映画愛を感じる映画館です。
11:00の回上映終了後は、監督、主要キャストの舞台挨拶付き!!
9:30からの整理券発行で、9:30にはすでに行列。こんなの久しぶり!やっぱり東京なのね、と思いましたが、他の劇場も満席続出だったらしいです。いよいよ、山形のことが心配になってしまったりします。(ユネスコの映画都市登録立候補なんて・・・やめてほしかった、恥ずかしいので。)ユーロは初回立ち見、以降も満席が。夜には、塚本監督のレトロ特集まで。。。

撮影許可が出たので、写真。(大切な宣伝手段なのです、とおしゃっていました。)

生リリーさんは、ほんとに「まんま」でした。凄い人。キャストの皆さんの普段と、作品の登場人物のギャップが感動です。(テレビと大違い)

見終わった後は、涙がとまりませんでした。一言で言えば、「人間があまりにも愚かだ」と。何のためにあんなことをやっているのか。なぜ、あんなことになってしまったのか。一体、どこでどう間違ってしまったのか。
今、安保法制を強引にすすめている議員たちに言いたい。「そんなに言うなら、まず貴方達が最初に参加しなさい!!」と。お願いです、この作品を観てください。観たくないという気持ちが大きいということは、それだけ戦争というものが「何の意味もないんだ」ということを伝えてくれるようにも思います。今までの戦争映画とは全然違います。あれが現実なんだと。人間が人間でなくなってしまうのが戦争。そこには、ひとかけらだって、美化されるものなんてないと思います。

初日の様子
作品を見終わって泣いて、ゲストの挨拶(感極まってた)に、一緒になってまたもらいなき。
ボランティアスタッフを含め、関わったすべての方々に最高の賛辞を送りたいです。
つくってくださって、ありがとうございます。しっかり受け止めました。
震災のあと、フィクションなんてなんのためにあるんだ、と反抗期だったワタシですが(今も継続中)見方が変わりました。「神々のたそがれ」「野火」は素晴らしい。創作にも力があるのだと。
またちょっぴりワタシ、変われるかも?です。
山形での「野火」の先行上映は、8月21日です。(詳しくはフォーラムHP)

叶った!

2015-07-20 22:45:53 | 映画・音楽
危なかったー。。。
山形でも上映されるものだとばかり思っていたから、油断していた。
・・・たまたま、いつもはほとんどチェックしないHPを・・・なぜか昨日に限って開いた。。。。

そのおかげで、観たい観たい、と思っていた作品を見逃すことなく鑑賞できた。
神々のたそがれ
やはりロシア(ソヴィエト)の監督の作品って、凄い!!
久しぶりに、映画の凄さを思い知らされた。こんな作品、あとにも先にも現れないのではないかな。
観ていて気持ちのいい作品では決してない。でも、、、、決して目をそむける事のできない。そんな作品。
生涯にそんなに出会えるものではない。(出会いたいと思わない人も多いかもしれない。)
ワタシにとっては、見逃していたら悔やんでも悔やみきれなかった。観たあとでは、より、そう思う。
最近、自分の偏り具合をいい意味で受けいれられるようになった(笑)
理屈でもないし、勉強のためでもないし(必要なくなった。)ワタシは、やっぱりちょっと他人が躊躇しちゃうような作品でも・・・・。なにに惹かれるのか、最近ちょっとわかってきちゃった。。。

塚本監督が山形にくるよ!!

2015-07-17 12:13:16 | 映画・音楽
野火のトーク付き先行上映で。        
わーーーい!!!!

8月21日(金)18:30~上映        
上映終了後トーク
山形フォーラム 詳しくは

今観なければいけない作品。

金曜日で、8月はお盆が入るからレッスンと重なる可能性もあったけど観に行けちゃうんだな、これが。
観に行きます。政治的な思いと、境界線をスパッ、とひいたりすることは難しいけど、芸術作品としても素晴らしい価値のあるものだと確信しています。映画にはたくさんの可能性が含まれていると思うから。人間塚本監督のファン、だから。