『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「叫」 おっちゃん、ホネ折ってない?

2007年03月13日 | 映画
赤いドレスの葉月幽霊(書いてても怖いし、難癖つけられるのも怖いので、以下葉月ちゃんと書きます)、怖いよょょ~。
この日の夜のお風呂の時間は最恐でした。
目をつぶってシャワー浴びるんですが(あたりまえじゃ~)、目を閉じても、まぶたの裏には、目を見開いてス~っと近寄ってくる葉月ちゃんがこべりついてます。
かといって目を開けると、目の前には鏡。
どっかに葉月ちゃんが写ってないか、探したらあかんのは、わかってるくせに探してしまいます。
こんなんじゃ、寝るのも怖いやん!
『エルム街の悪夢』やがな!
伊原と葉月ちゃんのシーンが、『エルム街』のラストに似てましたな。
大人になってから、こんなコワイ夜を過ごすのは初めてです。
あ~、ベッドで子供が一緒に寝てくれててよかったよ!

上岡龍太郎の薫陶をうけてきた私は、幽霊なんて全く信用してませんよ。
でも、楽しく見れるんですよね~。
黒沢清のは(中田秀夫も)。
精神科医オダジョーに語らせてた黒沢清の幽霊理論は、幽霊否定派の私には、結構な説得力あります。
ほんで、黒沢清が撮る、廃墟はもちろん、ひらひら舞う布、水たまり、部屋の中までなんか今にも幽霊が出そうで力入れて見てたら、スカされて、突拍子もないとこから出たり、出たら出たで葉月ちゃんずっと怖いし・・・。
でも、実は一番怖かったシーンって、地震で家屋が揺れる音だったりします・・・。

黒沢清映画のお楽しみ、ヒッチコックLOVEも随所に見られました。
『白い恐怖』でダリとコラボしたように、今回の『叫』ってムンクの絵からでしょうな。
葉月ちゃんが、初めてお顔を見せるとこ(写真参照)が、それでした。
鳥の大群が役所広司上空を舞うとこは、やっぱ『鳥』でしょう。
ヒッチコックが好んで使った合成によるドライブシーン(技術がアップした後年でさえも使ってた)なんて、世界の映画人でも、現在引き継いでやってるのって、黒沢清だけじゃない?
ヒッチコック探しと同様に面白いのが、いつも凝ってる飛び降りシーン。
今回ついに、ジャッキー・チェンが、人気女優でも平気で高い所から飛び降りさせてたように、ノンスタントで俳優を落としたんではないかと思わずにはいられない域に達しました。
エスカレートしすぎでっせ。
次の作品、どうするんやろ?

『CURE キュア』以降、『カリスマ』、『回路』とカオス感あふれるラストシーンは、今回抑え目でありながら、映画自体は集大成感たっぷりで、『ドッペルゲンガー』、『LOFT』と変化球が続いてきただけに大満足でしたわ!!


★★★1/2