『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「チェンジリング」 イーストウッドの子育て

2009年03月13日 | 映画
クリント・イーストウッドは、「彼は本当に本当に最高のパパ」とアンジェリーナ・ジョリーがインタビューで言うとったブラッド・ピットのようないわゆる子育てパパではなかったと思う。
どちらかといえば、劇中アンジェリーナ・ジョリーのセリフに出てくる“責任”の箱を見て逃げ出すタイプのパパやったと思う。
それなのに、なんでこんなにも子供を思う親の気持ち、親を思う子供の気持ちを素晴らしく表現する事ができるんやろうか!
孫みたいに年の離れた娘(モーガンまたも出演!)が生まれてから、彼は変わったのか?
いや違う。
沢木耕太郎が新聞評でも指摘した「それは彼の体の中に染み込んだプロフェッショナリズムがそうさせるのだろう」。
映画は、1920~30年代の社会・風俗、女性の社会進出、警察の腐敗、権力との戦い、宗教、死刑、精神病院、いろいろな要素があって、そのどれをとっても一級品やけど、圧巻はやっぱり事件の真相やった。
ここはマジで映画を見てる途中、子供の帰宅が心配になって映画館から出たくなったくらいやったわ。
ここ最近のイーストウッドはある種タブー的な悪趣味部分を入れながら、それをうまいこと映画の中に取り入れてる。
これも長年映画に携わってきた、彼のなせる業なんやろな。
去年の『告発のとき』の記事で、ポール・ハギスを勝手にイーストウッドの息子と言うとったんやけど、本物イーストウッド作品を見ると、やっぱり違うねぇ~。
犯人と直接対峙するシーンがどちらにもあるんやけど、こちらはいかにもイーストウッドっぽかった。
もう一人勝手にイーストウッドの息子と言うとったバディ・バン・ホーンがスタントコーディネーターとしてクレジット。
元の鞘に戻ったんやね。
本物息子カイルは、音楽の手伝い。
いつか、親子でアカデミー音楽賞が獲れますように!!


★★★★