『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「永遠のこどもたち」 ぼんさんがへをこいだ

2009年02月05日 | 映画
この監督、ホラー映画がめっちゃ好きなんがようわかるなぁ~。
なんか色んなホラー映画のエッセンスが詰まっとった。
海辺のシーンとか昔の孤児院のとこなんか、暇をもてあましたルイ・マルが戯れに撮ったホラー映画みたいやったし、
さっきまで可愛かった子供が豹変して、大人に牙を向く二階のシーンは『オーメン』みたいやったし、
ズタ袋風のお面を剥ぎ取るとこは、『エレファントマン』より子供が振り向くだけやったけど『フェノメナ』のシーンに近かったな。
悪魔払いのとこは『エクソシスト』より『ヘルハウス』の方やな。
クローネンバーグが大好きな人体損壊(ただし、単に怖いものを見せるシーンだけにとどまらず、医者としての崇高さが表れたエエシーンやった。あんな『死霊のえじき』のアゴなしゾンビみたいになった婆さんを人工呼吸するなんて。『エレファントマン』のアン・バンクロフトのキス・シーンみたいやったぞ!)とか、
最近よく見かける、いきなり衝突するシーンとか、
中田秀夫の得意な、昔のフィルム使いとか・・・。

『ミスト』みたいな絶望的なラストやのに、感動方面にもってこれたんは、スペインの死生観やろか。
『パンズ・ラビリス』にもこんなとこあったなぁ~。
日本人にもわかりやすい感覚やわ。
この監督、中田ヒデの『仄暗い水の底から』が好きやと「映画秘宝」のインタビューで言うとったけど、あのラストは、『仄暗い~』を自分なりにリ・イマジーネションしてるって感じやった。
私は『仄暗い~』の方が好みやねんけど、どっちもホラーで泣けるエエ映画やわ~。


★★★