『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ラスト、コーション」 映倫のぼかし

2008年02月09日 | 映画
ここ最近日本映画が面白いと思って喜んどったけど、こういうドカーンとしたTHE・映画(ザ・ムービーと読まないように!)みたいなんを見るとうらやましく思う。
くしくも小じんまり感を評した記事が朝日新聞に出てました。
『ALWAYS 三丁目の夕日』を「戦争や事件といった社会的な大きな変化より、個人的な記憶が断片的なモノと結びつき、懐かしい感情を呼び起こしていく。」と評してましたが、まさにココ。
人気TVドラマの続き、人気漫画かベストセラー小説か名作映画リメイクと旬の俳優のコラボ。
こんなんばっかりじゃいかんよな~。
“映画”を撮るという決意が足らんのとちゃうか~。

階級差の残る英国の恋愛劇『いつか晴れた日に』、
70年代善良なアメリカの田舎町の性欲を描いた『アイス・ストーム』、
男同士の恋愛『ブロークバック・マウンテン』と
恋愛のタブーを描くのが大好きなアン・リー監督。
今回、映画の内容とは別のとこで話題になってる例のシーンは、デジタルモザイク、職人丁寧モザイク、新基準モザイクなど“消し”技術が世界最高レベルにある中(そもそも丸出しOKの外国ではそんな技術なんて必要ない)で、『エマニエル夫人』の頃と変わらない特大ぼかしが入ることで、ぼかしが出るたびそっちに目がいくんやが、逆にほんまにハメ撮ってるかも?という幻想が持てたからよかったかもしれん。
その肝心の箇所を見たい人のためのツアーって今回はないんかな?
『白日夢』とか『カリギュラ』をハワイで見るツアーとか、『愛のコリーダ』フランスツアーなんてあったな~。
後に『愛のコリーダ 2000』で見たけど、エロいのが見れると興奮しとったら、いきなり殿山泰司の乞食のふぐりから始まってげんなりさせられたけど、実際ぼかしなしバージョンで見てもたいしたことないんやろ。
ここんとこよりも、『グリーン・デスティニー』でサービスしてくれたチャン・ツィイーの“透け乳首”に匹敵する、腋毛のシーン(中国人女性は腋毛を剃らない人が多い。同様に男性の鼻毛もボーボー)の方が興奮したな。

アン・リーが見出した新人女優タン・ウェイは、化粧してマダム化した姿より、すっぴんの方がええです。
だから前半の大学生時代のとこの方が好きです。
男前座長がいるからと友だちのすすめで演劇をはじめ、人前で演じる事の快感を覚え、社会がそうさせたさらなる難役(夫人役)のために、SEXを経験せねばならない。
ここは通常座長の役得となるところやけど、この男前座長が経験ないもんやから座長とタン・ウェイとその友人の三角関係はややこしいことに。
ここんとこがちょっと『Wの悲劇』っぽい。
その後、ベルナルド・ベルトルッチの映画っぽかったり、
劇中『断崖』のポスターが出てくるようにヒッチコックっぽいところもあってまぁ楽しめるんですが、女スパイのとこは決意の足らなさが気になった。
父親がイギリス住まいで、「日本人に子供と嫁さん殺された」と言ってたおっさんみたいなこともないから、特大指輪でくらっとするんやろ。
ジョアン・チェンの夫人同様、自分らだけエエ生活ができとったら、ええとでも思っとったんかな~。
女スパイになった時に、中国四千年の性技を学ぶべきやったね。
やっぱり決意不足や。


★★★