「日本人がいちばん力道山を知らない」(この映画のコピー)
そら知らんわ!プランチャ・スイシーダ(場外の選手にフライング・ボディアタックをする技)をする力道山なんて!!
トペ・スイシーダを藤波辰巳に先がけて本邦初公開したのは、力道山の次男百田光雄(中田カウス似)だが、バイクに皮ジャンという私生活スタイルも妙にしっくりきません。
私の中では、ベルトを巻いて腰に手を回す力道山が浅草キッドにいじられる時の草野仁さんに見えてるもんで。
力道山については、主に梶原一騎の「プロレススーパースター列伝」の猪木と馬場のところで語られていたイメージが強すぎます。
ブラジルから連れて来たアントニオ猪木と、元巨人のプロ野球選手ジャイアント馬場の二人を同時に入門させ、馬場にはちやほや、猪木には冷たく当たる、マンガのような(実際漫画だが)エリートと雑草の育て方をしてきたやなおっさん。
この頃は思いっきり猪木信者でした。
映画では、弟子との交流はキム・イル(大木金太郎)しか描いてませんがそれで正解でしょう。
猪木と馬場まで登場させたら、別の映画になってしまう。
なにより、元子(馬場)夫人がお怒りなさるでしょう!
ファンタジーと割り切った「SAYURI」と違って実録風に作られている「力道山」。
どうしてもそういうことが気にかかってしまいます。
そしてそれは、「負けてください。あなた一度だけ、負けてください」(この映画のもうひとつのコピー)のクライマックスの試合で、力道山とタッグを組んでいた東富士の役に、昨年急遽した橋本真也(「反則王」の日本語吹替に続く韓国映画仕事!)が演じていたところに最大級にあります。
1本目でフォール勝ちした東富士=橋本のなんともいえん笑顔を見たら、力道山はどうでもよくなってしまった。
本来、ここは力道山に感情移入して負けるのかな?どうすんのかな?と思いながら見るとこなんですが、故人のありし日の姿を思い浮かべてファンタジーを感じてしまった。
きっと日本の観客の何人かはそう感じた事でしょう。
映画ファンの私としては不幸だが、プロレスファンの私としては幸福なシーンでした。
実録風なためプロレスシーンがダメだったらどうしようもありませんが、今まで見てきた映画にインサートされてきたプロレスシーンでは、「ロッキー3」「傷だらけの天使」を超えて一番です。
ここまで丹念に再現してくれる韓国映画の金の掛け方にも感心しました。
残念なのは、妻の中谷美紀。
「遠くから来た」という共通項以外、大根が好物であるわけでもなく、相撲好きというわけでもなく、藤竜也に奴隷同然の扱いを受けてて一日でも早くこの生活から抜け出したいというわけでもなさそうだし、妻だけに見せていたであろう力道山の魅力が伝わらんから、なんでここまで献身的なのかよくわからん。
人知れず韓国に行った力道山が、統一展望台で「オモニー」と叫んで涙したというエピソードが一番好きなんですが、猪木が披露したので嘘か本当かわからないから、やっぱり映画にはとりあげてもらってませんでした。
★★
そら知らんわ!プランチャ・スイシーダ(場外の選手にフライング・ボディアタックをする技)をする力道山なんて!!
トペ・スイシーダを藤波辰巳に先がけて本邦初公開したのは、力道山の次男百田光雄(中田カウス似)だが、バイクに皮ジャンという私生活スタイルも妙にしっくりきません。
私の中では、ベルトを巻いて腰に手を回す力道山が浅草キッドにいじられる時の草野仁さんに見えてるもんで。
力道山については、主に梶原一騎の「プロレススーパースター列伝」の猪木と馬場のところで語られていたイメージが強すぎます。
ブラジルから連れて来たアントニオ猪木と、元巨人のプロ野球選手ジャイアント馬場の二人を同時に入門させ、馬場にはちやほや、猪木には冷たく当たる、マンガのような(実際漫画だが)エリートと雑草の育て方をしてきたやなおっさん。
この頃は思いっきり猪木信者でした。
映画では、弟子との交流はキム・イル(大木金太郎)しか描いてませんがそれで正解でしょう。
猪木と馬場まで登場させたら、別の映画になってしまう。
なにより、元子(馬場)夫人がお怒りなさるでしょう!
ファンタジーと割り切った「SAYURI」と違って実録風に作られている「力道山」。
どうしてもそういうことが気にかかってしまいます。
そしてそれは、「負けてください。あなた一度だけ、負けてください」(この映画のもうひとつのコピー)のクライマックスの試合で、力道山とタッグを組んでいた東富士の役に、昨年急遽した橋本真也(「反則王」の日本語吹替に続く韓国映画仕事!)が演じていたところに最大級にあります。
1本目でフォール勝ちした東富士=橋本のなんともいえん笑顔を見たら、力道山はどうでもよくなってしまった。
本来、ここは力道山に感情移入して負けるのかな?どうすんのかな?と思いながら見るとこなんですが、故人のありし日の姿を思い浮かべてファンタジーを感じてしまった。
きっと日本の観客の何人かはそう感じた事でしょう。
映画ファンの私としては不幸だが、プロレスファンの私としては幸福なシーンでした。
実録風なためプロレスシーンがダメだったらどうしようもありませんが、今まで見てきた映画にインサートされてきたプロレスシーンでは、「ロッキー3」「傷だらけの天使」を超えて一番です。
ここまで丹念に再現してくれる韓国映画の金の掛け方にも感心しました。
残念なのは、妻の中谷美紀。
「遠くから来た」という共通項以外、大根が好物であるわけでもなく、相撲好きというわけでもなく、藤竜也に奴隷同然の扱いを受けてて一日でも早くこの生活から抜け出したいというわけでもなさそうだし、妻だけに見せていたであろう力道山の魅力が伝わらんから、なんでここまで献身的なのかよくわからん。
人知れず韓国に行った力道山が、統一展望台で「オモニー」と叫んで涙したというエピソードが一番好きなんですが、猪木が披露したので嘘か本当かわからないから、やっぱり映画にはとりあげてもらってませんでした。
★★