『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「アサルト13 要塞警察」 リメイクと言わなくても・・・

2006年03月01日 | 映画
もう、どんな映画がリメイクされてもビックリしません!

ジョン・カーペンター監督の商業映画デビュー作で、日本未公開の「要塞警察」。
日本での初公開は、東京12チャンネル「木曜洋画劇場」(ビデオがない頃はTVの洋画劇場が未公開作を発見する場でした)。
アイスクリーム屋のシーンが忘れられないバイオレンス映画でしたが、この映画がジョン・ウェインの「リオ・ブラボー」を下敷きに作られたと聞いたのは、河野基比古氏のダンディー解説から。
あのカッチョイイ銃投げ渡しシーン(「アンタッチャブル」でも同様のシーンあり)は、いただきだったのかと驚きましたが、設定も上手くパクッ、いやオマージュを捧げていました。

フランス人監督による「要塞警察」のリメイク作品である本作は、最近よくあるスタイリッシュ系オープニング&早口会話から。
またタランティーノか・・・と我慢して見てたら、すぐに、B級映画の雰囲気になってくれました。
でも、ローレンス・フィッシュバーンの出てるとこは、ぜ~んぶモーフィアス印。
13分署に立て篭もる人達が、囚人と女に加えて、アル中老人と、ビッコ引きではないものの足を撃たれた事があるという点で、元の元「リオ・ブラボー」にまで目が行き届いてのことかと感心しました。
その設定を生かすことはなかったですけど。
途中のストーリーが、かなり「要塞警察」と違っていて、これならリメイクと言わんでも・・・と思ったんですが、版権の国では許すまじなんでしょう。
後半でてくるのは、またしてもタランティーノ流の銃の突き付け合い。
誰が敵で誰が見方かわからんとこは、「遊星からの物体X」。
いっそのこと、牢屋にいる囚人を手錠でつなぎあって、襲ってくる敵がじわじわと忍び寄って「早く、早くはずして~~」というシーンがあってもいいくらい。
それから、皆、出てきた瞬間ギョっとしたと思うドレア・ド・マッテオ演じる女ポリス。
あれは、カーペンター元夫人エイドリアン・バーボーからのインスパイアでしょ。
あの髪型には、いつもギョっとしてましたよ!

フランス製アクション映画は、どうにも好きになれないけど、フランス系の役者が出てるとこ以外フランス臭のしないこの映画、カーペンターが好きなのかタランティーノが好きなのかはっきりしないけど、アイス屋と銃投げとピコピコ電子音がなければ「要塞警察」ではないと思ってるので、いっそのことタイトルを変えて、「交渉人」ちっくなポスターより、東宝東和の大げさアクション風ポスターを作って、大作アクションを期待して見に来た連中に、「ヘリアクションないじゃん!」とか、「カーチェイスは?」と、もんく垂れさせて、「いや~、これは「要塞警察」のオマージュなんだから・・・」といっぱしのこと言わせてほしかった。
ヒジョーに真っ当なB級映画です。
B級のわりに豪華キャスト。
ジョン・レグイザモなんて、なんでって感じ。
ガブリエル・バーンかどっちが一人でいいよ。

でも「要塞警察」のリメイクじゃなかったら、きっと見に行ってなかったなー。


★★1/2