京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

ロウバイ(蠟梅)

2019年02月09日 | ミニ里山記録

 

透ける黄となりて蠟梅果てにけり 丹生をだまき


 

 

 ロウバイ(ロウバイ科)。厳冬期に満開を迎えるまれな花木である。梅と名が付けられているが、バラ科ではなく別属のロウバイ科。この写真のように花の中心部が紫褐色になっていないものは素心ロウバイ、あるものを満月ロウバイと言う。江戸時代に中国から輸入され、いまでは各地で栽培されている。重なった花から真冬に重く甘い香りが路地に流れる。旧暦十二月のことを臘月という。これは昔中国で行われた「臘」という行事に由来する。これは冬至の後、第三の戊の日に行い、猟の獲物を先祖百神に供える祭りである。臘梅とはこの「臘」の月に咲く梅に似た植物という意味。これは蠟梅と虫編で書かれることもある。蠟はミツバチの蜜蠟を指している。ロウバイの花弁は蠟細工のように光沢があり透けていることから来ている。つまり、「月」にも「虫」にもそれぞれの根拠があることになるが、筆者は蠟梅を好む。



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