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映像:釧路の奥座敷川湯温泉で足湯を楽しむ学生。8月蝦夷ユリの花が咲いていた。
歌人啄木が沐浴を詠んだ珍しい歌を一首紹介。
『朝の湯の 湯槽のふちに うなじ載せ ゆるく息する 物思ひかな』(一握の砂)
解説:私共温泉ファンには、不遇の天才歌人が温泉にどの様に親しんだのか気になる
ところ。困窮を極めた啄木が朝湯をする環境にあるのは、函館湯の川か、釧路の奥座
敷川湯温泉のどちらか。家族を小樽に残し、一時放蕩三昧の釧路川湯温泉と思われる。
しかし、後日、関係が深かった芸者小奴が啄木の残した遊興代の精算に苦労した事を
考えれば、温泉を楽しむ境地ではなかったらしい。その中で『…ゆるく息する物思ひ
かな』の表現に、憔悴した啄木の精神・肉体に一時、温泉のいやし効果が推察される。
参照#石川啄木(哀しみの歌人)探訪紀行